依頼者への丁寧な対応と綿密な調査がモットー・複雑な相続トラブルも円満解決に導く
九州内に5つの拠点を持ち、地域の方から寄せられる様々なトラブルの解決に取り組む「弁護士法人松本・永野法律事務所」。相続の相談も多く取り扱い、遺言書作成や相続発生後の紛争解決、複雑な手続きの代行など、幅広く対応しています。福岡事務所の所長を務める埋田昇平弁護士に、相続の案件を手がける上での心構えや、弁護士に相談・依頼をするメリットなどについて詳しくお話いただきました。(福岡県弁護士会所属)
インタビュー
トラブルの予防・解決に尽力し、スムーズな相続を実現
相続分野に注力されている理由を教えてください。
相続は多くの方が人生で一度は経験する、非常に身近なものです。しかし、手続きが煩雑なことや、ひとたび紛争状態になると当事者での解決が難しいことなど、悩みごとの種が潜んでいます。
法律事務所として、相続のトラブルを抱える方の問題解決をサポートしたり、トラブルの予防策などを積極的に発信する必要があると考え、注力するようになりました。
相続について、どのような相談が寄せられますか。
大きく分けると2種類あります。1つは「遺言書を作成したい」という相談、もう1つは「相続の手続き方法がよくわからない」という相談です。
前者の場合は、まず遺言書作成を希望している方、つまり依頼者自身の希望を確認します。依頼者が、子どものうち1人だけに全財産を相続させたいと希望している場合、まずはその子どもときょうだいとの関係を確認します。
関係性によっては、全財産を引き継いだ子どもときょうだいとの間で紛争が生じる可能性があります。そのような場合は、予想される紛争や紛争回避のためにできることを丁寧に説明した上で、遺言書の内容を再検討していきます。
遺言書の文案が固まったら、公証役場に送付し、公証人との日程調整を経て、公証人の前で遺言書を作成するという流れになります。
次に後者についてですが、特に多いのは「相続人の中に疎遠あるいは不仲な親族もいる中で、各相続人とどのように連絡を取ればいいのか分からない」という相談です。依頼者が自ら他の相続人に連絡することは難しい場合が多いため、私から手紙を送って相手方の状況を確認し、相続に対する意向をヒアリングする…という流れで遺産分割の手続きを進めていきます。
ストレスなく遺産分割を終えられるよう、弁護士がサポート
先生の事務所では、初回の法律相談はどのような流れで進んでいくのでしょうか。
まずは、被相続人・相続人はそれぞれ誰なのか、どんな関係なのか、といったことを確認します。相続財産の具体的な内容も詳しく聞き取ります。相談に来た方が財産の内容を把握しきれていない場合は、委任状をいただいた上で私から金融機関に問い合わせて調査します。
相談に来る方の中には、相続人や財産に関する情報をほとんど持っていない方もいます。たとえば、「他の相続人が遺産を抱え込んでおり、情報を開示してくれない。そもそも遺産分割の話が進んでいるのかどうかも分からない」というケースです。
このような場合は、まず公証役場に問い合わせて、公証証書遺言の有無を調査します。公正証書遺言がある場合は公正証書の内容をもとに対応を検討し、ない場合は遺産を抱え込んでいる相続人に手紙を送り、財産について情報を開示するよう要求します。
相続のトラブルが発生した場合に、弁護士に依頼するメリットは何でしょうか。
大きなメリットは、相続人同士の対立が今以上に深まることを防ぎ、法的に適切な方法で相続の手続きを進められることです。
弁護士が介入するとかえって関係が悪化するのではないか、と心配する方もいます。しかし実際は、第三者である弁護士が法律のルールに基づいて遺産分割協議を取り仕切ることで、ヒートアップしていた相続人たちが一旦冷静になり、落ち着いて話合いを進められるケースが多いです。
また、基本的には弁護士が全ての手続きを代行するので、「誰が金融機関に問い合わせをするか」「裁判所での手続きは誰がするのか」といったことで揉める心配もありません。相続人や財産の調査を一般の方が自分でおこなうことはなかなか大変で、調査だけで3〜4か月かかる場合もあります。そういった面倒な手続きも全て弁護士に任せられるので、ストレスなく遺産分割を進めることができます。
弁護士への相談を特別なことと思わず、気軽に連絡を
これまで取り組んできた相続案件の中で印象に残っているものはありますか?
遺留分減殺請求に関する案件です。当初、依頼者は遺言書の内容に従って全ての財産を相続する立場でしたが、他の相続人から遺留分減殺請求を受けてしまいました。依頼者と他の相続人は長い間疎遠で、当事者のみで話し合うことが難しいということで相談にいらっしゃいました。
受任後は、財産の内容を把握し、相続人それぞれに連絡をして意向を確認することから始めました。その上で、その相続人に遺留分を請求する権利があるのかどうか、主張している金額は妥当かどうか、といったポイントを整理していきました。
相続のトラブルは調停や訴訟にもつれこむことも少なくないのですが、この案件は相続人1人ひとりの意向を汲みながら丁寧に交渉を重ねた結果、話合いのみで解決に至ることができました。こんなに早く不安が解消するなんて、と依頼者にも非常に喜んでいただけた案件です。
最後に、相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続について弁護士に相談や依頼をすることは、決して特別なことでも珍しいことでもありません。「相続人同士の話合いがまとまらなくて困っている」「紛争は起きていないが、どのように手続きを進めればいいのか分からない」など、どのような悩みでも気軽にお寄せください。
私たちの事務所は九州内に5つの拠点があり、福岡市・久留米市・朝倉市・大牟田市・長崎市に事務所を構えています。ぜひ、お近くの事務所に一度お問い合わせいただければと思います。トラブルを解決して平穏な日々を取り戻せるよう、弁護士がお力になります。