相続問題のスペシャリストたちと連携して包括的で専門的なサポートを提供
広島県呉市に事務所を構える「山下江法律事務所呉支部」の宮部明典弁護士に、事務所設立の経緯や相続分野への取り組みについて話を伺いました。呉市周辺は高齢化が進み、相続相談の需要が高まっているとのこと。地域の特性や、相続問題を扱う際に心がけていること、事務所の強みなどについても聞きました。(広島弁護士会所属)
インタビュー
高齢者が多いエリアで地域に密着したサービスを提供
事務所設立の経緯を教えてください。
当事務所は1995年に創立されました。創設から20年以上が経過し、広島市外からも相談に来る方が増えたことから、遠方の方がもっと気軽にご相談いただけるようにと、2017年に呉支部を開設しました。
呉支部は呉市、竹原市、江田島市が主な管轄地域になっています。このエリアは高齢化が進んでおり、島しょ部も存在するため、広島市まで足を運ぶのが難しいという方々から、身近でアクセスしやすいと喜ばれています。
また、呉市には海上自衛隊の基地があるため、自衛官が当事者として関わる事案も多くあります。
相続案件に注力する理由を教えてください。
呉市部の管轄エリアは高齢者が多く、相続に関する問題が顕在化しています。事実、他支部と比較したときに、相続分野の相談が高い比率を占めています。また、統計を取った結果、相談者の平均年齢が高いことも確認されました。
こうしたことから、高齢者が安心して相続に取り組めるように、適切なアドバイスとサポートが必要だと考え、注力しています。
相続案件ではどのような相談が寄せられますか。
不動産が関係する相談が多いです。呉地区は急傾斜地が多く、2018年の豪雨災害が影響して不動産の問題が顕在化しています。急傾斜地であるため処分に困るような不動産が相続の対象となり、相続放棄も検討しなければならないというようなケースも多く見られます。
相続分野の専門家が集まる団体と連携して依頼者のニーズに応える
相続分野ではどのような取り組みをおこなっていますか。
まず、一般社団法人「はなまる相続」への参加があります。この団体には弁護士や税理士、司法書士といった士業のほか、不動産や保険のスペシャリストなど、相続分野の専門家が集まっています。このようなネットワークを活かし、相続問題に対して包括的で専門的なサポートを提供しています。
また、当事務所では相続チームを組織し、各支部が連携を図りつつ、事例の共有をおこなっています。相続に関する知識や経験を共有することで、より質の高いサービスを提供できるように努めています。
「はなまる相続」の利用者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
「はなまる相続」を利用することで、依頼者は一つの窓口から多岐にわたる専門家のサービスにアクセスできます。例えば、不動産の登記に関する問題であれば司法書士、税金問題であれば税理士など、適切な専門家にアクセスできます。
自身が抱えている相続問題を、どの専門家に相談すれば良いかわからないという方が多いと思います。はなまる相続を利用していただければその不安は解消され、効率的で包括的なサポートを受けることが可能です。
依頼者と接する上で心がけていることはありますか。
感情的な対立がある場合、理屈だけでは解決が難しいこともあります。弁護士として冷静に話を聞き、適切な仲介役として振る舞い、話し合いを進展させるよう努めています。第三者が入ることで、対話が進む場面は多いです。
また、依頼者の希望を最優先に考え、できる限り依頼者の期待に応える解決策を提供するよう努めています。実現が難しい場合には、事実を正確に伝え、納得いただける方針を提案するように心がけています。
初回相談ではどのような対応をされていますか。
悩みを抱えている方が気軽に相談できるように、初回相談は無料にしています。時間制限は設けていませんが、1時間くらい要することが多いです。
電話やホームページから予約を受け付けており、その後、当事務所からご連絡し、相談の日程を調整しています。この段階で、大まかな相談内容を聞いたり、手元にある資料について確認したりする場合もあります。
弁護士を初めて利用する方も多いので、初回相談では緊張を和らげるよう心がけています。フレンドリーな雰囲気で話を進め、依頼者が安心して相談できるような環境を提供しています。
親族間の紛争を和らげ、円満な問題解決へと導く
相続分野における事務所の特徴や強みを教えてください。
当事務所には十数名の弁護士が所属しており、連携して事案の解決を図っています。そのため、複雑な相続問題にも迅速かつ適切に対処することが可能です。また、弁護士同士が知識や経験を共有して研鑽を積むことで、高品質なサービスを維持しています。
「はなまる相続」への参加など、他業種との連携を積極的におこない、相続問題に対して総合的で専門的なサポートを提供しています。
相続分野ではどのような点にやりがいを感じますか。
親族間の紛争を和らげ、円満な問題解決へと導くことで、依頼者とその家族に安心感を提供できることがやりがいです。
お墓の問題など、倫理的に話題として取り上げにくい事柄についても、弁護士の介入により解決することがあります。家族に協力関係が生まれ、良好な家族関係の維持に貢献できたとき、弁護士をやっていて良かったと感じます。
また、相続分野では多額の金銭が絡むケースが多いため、依頼者に金銭的なメリットをもたらすことがあります。適切な法的手続きやアドバイスにより、依頼者の経済的な安定や利益の最大化に貢献できたときに達成感があります。
今後の展望を教えてください。
相続に関する紛争は今後も増える傾向にあると思います。地域での相続問題の増加に備えて、最新の法律動向や専門知識を継続的に学び、依頼者に対して的確なアドバイスを提供できるように努めていきます。
また、民事信託など、普及が進んでいない分野にも注目し、依頼者に対して提案できるサービスの拡充を考えています。生前から相続に対する対策を考える機会を提供し、地域の方々が将来の問題に備えられるようにサポートしていきたいと考えています。
最後に、相続問題を抱えている方へメッセージをお願いします。
相続問題は感情的な対立や複雑な法的手続きが絡むことがあり、わずらわしさから問題解決を諦めてしまう方もいるようです。
当事務所では、経験豊富な弁護士が依頼者の問題を真摯に受け止め、最適な解決策をご提案いたします。感情的な対立や面倒な手続きに立ち向かうことは大変ですが、それを乗り越えて問題解決に導くお手伝いをいたします。
諦めずに、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に問題に向き合い、最善の結果を目指しましょう。