相続で実現すべきことは「平等」〜相続のプロ集団がワンストップで問題解決に取り組む
東京都国分寺市にある「ガーディアン法律事務所」の木谷倫之弁護士に、事務所設立の経緯や相続問題への取り組みについて話を伺いました。「相続で実現すべきことは平等」という木谷弁護士。平等を実現するために心掛けていることや相続問題に注力する理由、事務所の強みなどについてもお聞きしました。(東京弁護士会所属)
インタビュー
依頼者の未来を守るプロフェッショナルとして
事務所設立の経緯を教えてください。
弁護士登録をした当初から、独立を考えていました。都内の大手法律事務所で5年ほど働いた後、司法試験の受験勉強をしていた頃から苦楽をともにしてきた後藤裕太弁護士と一緒に事務所を開設しました。
国分寺に事務所を開設したのは、私が三鷹の出身で、西東京エリアに愛着があったからです。その後、八王子と立川にも事務所を開設し、西東京エリアに住む方々を中心に、地域に密着したリーガルサービスを提供しています。
事務所の拡大とあわせて、若手弁護士の採用も積極的におこなってきました。独立を決めたときに、自分で事務所を経営することの意義を考えたんです。1つは、自分が理想とする弁護士活動をおこなうこと。もう1つは、雇用の創出で社会に貢献することです。働く人が誇りに思える職場を提供することは、「ガーディアン法律事務所」が社会に存在する重要な役割だと考えています。
事務所名には、どんな思いが込められているのですか?
弁護士の仕事は、依頼者を守ることです。依頼者にとって、私たちが最も頼りにされる「守り手」であるべきだという思いから、「ガーディアン」という名前をつけました。
弁護士事務所に相談に来る方は、困難な状況や厳しい環境に立たされて、何かしらの損失を受けています。そのような苦しい立場の人が健全な状態に戻れるように、全力で支援したいと思っています。
事務所の理念を教えてください。
「未来を守るプロフェッショナルであること」が事務所の企業理念です。この理念は、3つの柱に基づいています。
1つ目の柱は、「未来を守ること」です。一時的な問題の解決だけでなく、将来を見越した解決策を提供し、依頼者が明るい未来に進む手助けを心掛けています。
2つ目は、依頼者を守り、マイナスの状態から少しでも回復させることです。依頼者の損害を最小限に抑えるために全力を尽くしています。
最後の柱は、プロフェッショナルとして、社会に価値を提供することです。報酬をもらって仕事する以上は、報酬に見合った価値を提供しなければなりません。そのために、法律のプロとしてスキル向上に努め続けています。
関係者の納得を引き出し、遺恨のない解決を模索する
相続分野に注力する理由を教えてください。
相続問題は家族や親族間で発生するため、感情的な対立が根深いケースが多いです。当事者同士で話し合いができなかったり、互いに主張を譲らなかったりして、話がまとまらない。そのようなケースにおいて、弁護士が関係者の思いを受け止めて、相続を円滑に進めるプロセスにニーズがあると考え、相続分野に注力しています。
相続問題に取り組む上で心掛けていることを教えてください。
相続で実現すべきことは「平等」です。この平等というのは、法定相続分どおりに分配するという意味ではありません。法律に厳格に従うだけでなく、関係者が納得できる解決が、公平性や平等性につながると信じています。
平等を実現するために、話を聞くことに重きを置いています。依頼者や関係者それぞれの立場や感情を理解し、問題を整理して解決策を提案しています。
相続問題は感情的な要素も多く含まれるため、誠実なコミュニケーションが不可欠です。難しい局面でも、すべての関係者が納得できる最適な解決策を見つけ出すため、最善を尽くしています。
相続問題ではどのような相談が寄せられますか。
よく寄せられる相談内容に「遺留分侵害額請求」があります。親が残した遺言の内容が不公平だという訴えです。そのような遺言が作成される背景には、親子関係の悪化や、一部の相続人による親の囲い込みが挙げられます。本来、相続を円滑に進めるために作成される遺言が、相続トラブルの要因になってしまうケースはとても多いです。
また、遺産分割協議において、長らく実家に住んでいた長男が、不動産を自分のものと主張するようなケースも依然として見受けられます。「同居して親の面倒を見ていたから、自分が多く相続するべき」という寄与分に関連する相談もあります。
相続のプロ集団がワンストップで相続問題を解決
相続分野において、事務所の強みを教えてください。
相続問題をワンストップで解決できることが強みです。
当事務所は、相続のプロフェッショナル集団「多摩相続パートナーズ」を結成しており、弁護士だけでなく、司法書士、税理士、行政書士、上級相続診断士など、多岐にわたるスペシャリストが協力し、包括的なサービスを提供しています。
相続問題は税務の側面が重要であり、税理士と連携して税金を考慮した解決を実現できることは、大きな強みです。
印象に残っている相続案件はありますか。
不公平な遺言に関する相談で印象に残っているものがあります。依頼者は、「なぜ父がこんな遺言を作成したのかわからない」と強い不満を抱いていました。話を聞いて内容を確認すると、遺留分は侵害されていないものの、他の相続人との差は歴然で、不公平さが顕著でした。
私は、依頼者の感情と要望を尊重し、他の相続人と交渉を重ねました。その結果、遺言の内容よりも多くの財産を獲得することができたのです。正当に認められた遺言が存在する中で、法律の枠を超えて依頼者の要望に応えられたことに達成感がありました。
しかし、依頼者の気持ちが晴れることはありませんでした。「父親がなぜ不公平な遺言を作成したのか」という疑問に対する答えを見つけることができなかったからです。
相続案件の特徴は、当事者である被相続人が亡くなっていることです。被相続人の思いや考えを後から確認することはできません。関係者の思いが交錯する相続問題の複雑さと難しさを痛感しました。
最後に、相続トラブルを抱え相談を考えている方に、メッセージをお願いいたします。
相続問題は親族や家族の間で発生する問題ゆえに、第三者である弁護士に相談することに躊躇する方がいらっしゃいます。しかし、弁護士の介入は必ずしも対立を悪化させるものではありません。
私たち弁護士の役割は、問題を整理し、平等で公平な解決に向けた道すじを提供することです。紛争を激化させるのではなく、むしろ感情的な対立を和らげるお手伝いをすることができるのです。
相続問題の解決には法律が唯一の指針となります。ですから、相続問題で悩んでいる方は、ぜひ専門家の意見を聞いてみることをお勧めします。相続問題に豊富な知識と経験を持つ弁護士が、あなたの問題を共に考え、最善の解決策を見つけるお手伝いをさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。