不動産が含まれる相続問題に強み〜全国の支店と連携し、充実のリーガルサービスを提供
京都市にある「虎ノ門法律経済事務所京都支店」の今井良輔弁護士に、事務所設立の経緯や相続問題への取り組みについて話を伺いました。今井弁護士は、東京を拠点に全国に30以上の支店を展開する法律事務所の京都支店で、不動産分野の経験と知識を活かして相続問題に取り組んでいます。京都における相続問題の特徴や、相続案件を手がける際に心がけていることについてもお聞きしました。(京都弁護士会所属)
インタビュー
地元に密着した問題解決
事務所設立の経緯を教えてください。
虎ノ門法律経済事務所は、1972年に所長の千賀修一によって設立されました。その後、「東京の司法サービスを地方にも広めたい」という所長の思いから地方展開を開始し、現在では北海道から沖縄まで、全国に30以上の支店を展開しています。
私は滋賀県近江八幡市の出身で、京都には中学生の頃からよく遊びにきており、大学時代も京都で過ごしました。
東京本店での修行を積み、地縁の深い京都・滋賀の方々に対する司法サービスを提供したいと考え、京都支店開設に名乗りを上げ、2016年に開設しました。
事務所の理念やポリシーを教えてください。
当事務所は、「法の支配を全国に行き渡らせる」を理念としています。所長の千賀が掲げたものです。
弁護士を目指した当初は、「法の支配」の拡充のためには弁護士事務所の「場所」が大事だと考えていました。
しかし、東京本店で修行する中で、大事なのは場所だけではないと知りました。
東京には多くの弁護士が存在します。
しかし、そんな東京でも、弁護士に敷居の高さを感じたり、情報・知識不足などの理由から、弁護士に相談できずにいる人が大勢いることを実感しました。
法律問題で悩む人と弁護士をつなぐためには、「場所」だけではなく、弁護士側からの積極的なアプローチも不可欠なのだと感じました。
そのため、京都支店では、一般の方々が法的な問題に直面した際、紹介不要で、電話やメールで法律相談の予約を取れる体制を整え、遠方や体調等の理由で事務所への来所が難しい人に対してはWEB会議システムなども利用して気軽に法律相談できる体制も整えています。さらに初回法律相談を「無料」としていることも、多くの問い合わせをいただいている大きな要因になっております。
京都×不動産分野の経験と知識を活かして相続問題に注力
相続分野に注力している理由を教えてください。
虎ノ門法律経済事務所は不動産分野が強みで、東京本店で修行しているときにも多くの不動産案件に携わりました。
東京での高額な不動産事件を取り扱う中で、必然的に依頼者から相続対策を相談されることが多く、実際に相続が発生して当該不動産を誰が相続し、どのように分配するか(あるいは当該不動産にどのような権利設定をして公平な解決を図るのか)といった案件に多数関わることができました。そのような案件を経験する中で、ますます不動産案件の奥深さ、楽しさ、そして相続問題を解決することにやりがいを感じ、注力するようになりました。
相続問題に関して、京都ならではの特徴があれば教えてください。
京都は歴史がある地域なので、地元の方々の不動産に対する思い入れが非常に強いです。「先祖から受け継いだ土地を売却することはできない」という価値観も根強くあり、京都市中心部の昨今の地価高騰も相まって、相続財産に高額不動産が含まれる一方で預貯金が不動産価値に比して少ないような事案の遺産分割においてトラブルになるケースが多いです(また地域によっては特殊な権利設定・慣習があることが解決の障害になる場合もあります)。
また、京都においても相続人がいないために放置されたり、遺産分割が適切におこなわれない結果、不動産の有効活用がなされずに空き地・空き家のような状態となっている物件も多く見受けられます(そのような物件処理の関係で家庭裁判所から相続財産清算人の依頼を受けることもあります)。
京都における相続問題に取り組む場合、地域の不動産特性を十分に理解して、適宜適切に処理ができる力が非常に重要だと考えております。
そして、不動産を含む相続問題を解決することが結果的に、不動産の有効活用に直結し、京都のまちづくりや地域貢献にもなることは非常に大きいやりがいを感じています。
相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
依頼者の気持ちを丁寧に聞き取ることを心がけています。依頼者の中には、他の相続人に対する遠慮などから、本心を口にしない(できない)方もいます。そのため、丁寧にお話をお聞きして、この相続で何を実現したいのかの真意を引き出せるよう努めています。その上で、最大限の満足を実現するプランを具体的に提案しています。
相続には感情的な要素が多く含まれます。遺言などの亡くなった人の意思が明確には分からない場合でも、亡くなった人がどのような思いで財産を残したのか考えを巡らし、相続人と被相続人の思いをつなぎあわせる役目を担いたいと考えています。
相続には感情的な要素が含まれるとのことですが、依頼者の感情にはどのように向き合っていますか。
感情的な問題を解決するためには、まずは依頼者の真意を汲み取り、尊重し、共感することが大切です。
その上で、法的な観点から問題を分析し、依頼者に対して、冷静かつ客観的なアドバイスをすることはもちろん大事なことです。
しかし、単に法律を当てはめただけのアドバイスでは意味がないと考えています。
依頼者の真意を、法律でどこまで実現できるのかを依頼者と一緒に汗をかきながら悩み考え、最後は笑顔で納得できるような解決策をともに考え抜いていきたいと考えています。
真意に寄り添う弁護士に相談することでストレスから解放
これまで携わった相続案件で、印象に残っている事案を教えてください。
親の遺産をめぐる兄弟間の相続争いが印象に残っています。私は弟の代理人を務めたのですが、相続財産には高額な不動産が多く含まれていたため、均等に分けることが難しい状況でした。
そのような事案で、当初、私は「依頼者は当然多くの遺産を獲得することを望んでいる」との固定観念に囚われ、獲得できる経済的利益を重視した交渉を続けていました(依頼者からもそのような方針でよいとも言われていました)。
しかし、遺産分割交渉の打ち合わせをする中で、相手方から提示された法定相続分に大きく満たない和解案に対して、依頼者が急に申し訳なさそうに、にっこりと笑顔で「これで大丈夫です。十分です」と言われたのです。
そのとき私は固定観念に囚われて依頼者の真意に十分に寄り添えていなかったことを強く反省しました。それと同時に、相続案件においては特に依頼者の気持ちや真意を十分に理解して最適な解決策を見つけ出すことが重要なのだと学びました。
相続案件における事務所の強みを教えてください。
当事務所は本支店を含めて我が国でもトップクラスの不動産案件を取り扱っており、相続における不動産の扱いに関して幅広いノウハウがあります。そのため、不動産売却や遺産分割において、最適なプランニングを提供することができます。
また、私は、過去に非常勤裁判官(家事調停官)を務めており、調停手続に関して実務に即した知識と経験を持っています。遺産分割協議がまとまらず調停手続に移行した場合でも、明確な見通しを立てることが可能です。当事務所の本支店には、元家庭裁判所裁判官の経験を持つ弁護士も複数名在籍しており、難解な事案でも、本支店が協力して最善の解決策を見つけます。
さらに、当事務所は全国に30以上の支店を展開しており、それぞれが地域に密着した法サービスを提供しています。そのため遠方にある不動産の現状や評価についても本支店間が連携することで適格なものを入手できます(たとえば、京都在住の方が、投資目的で東京の不動産を保有しており、当該不動産に関するトラブル解決のために東京本店の弁護士と連携して現地調査等を行うことも多いです。)。
これらの強みを活かして、相続案件において最適な解決策を提供し、依頼者のニーズに応えています。
最後に、相続問題で悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
家族や親しい人々との間で相続の手続きを進めることに、ストレスを感じる方もいるでしょう。対立が生まれたり、意見の不一致があったりすると、そのストレスは一層増幅されます。そのようなストレスの中で話し合いを進めることは難しいものです。
しかし、第三者である弁護士に相談することで、不要なストレスから解放されます。早い段階で相談すれば、問題が大きくなる前に解決することも可能です。
京都の不動産が関わる相続問題は、京都の不動産問題に精通した弁護士がより良い解決策を提案できます。どんなに難しい状況でも、必ず解決策はあるはずです。お困りの方はまずはご相談ください。