依頼者のパートナーとして相続問題を解決へ。遺留分や無断引き出し、不動産が絡む問題もお任せを

東京都新宿区「浅川法律事務所」の浅川拓也弁護士(東京弁護士会所属)に相続分野への取り組みについて聞きました。依頼者の将来的な親族関係も考慮し、柔軟なアプローチで解決に向かうことを大切にしている浅川弁護士。相続に関する豊富な知見を活かし、遺産の無断引き出しや遺留分などの難しい問題も解決に導きます。相続でよくある相談や弁護士に相談するメリット、事務所の強みなどを聞きました。
インタビュー
迅速な対応とコミュニケーションを大切に
先生のご経歴について教えてください。
青山学院大学の法学部を卒業後、税理士事務所で勤務し、その後一般企業で経理の仕事に携わりました。企業で働く中で、困っている人を直接助ける仕事がしたいと考えるようになり、一念発起してロースクールに入学し司法試験に挑みました。弁護士登録後は都内の法律事務所で経験を積み、2024年6月に現在の事務所を開設しました。
税理士事務所での経験や経理の仕事で得た知識は、現在の仕事にも活きています。弁護士の中には会計的な知識が少ない方もいますが、私の場合は損益計算書や貸借対照表などの財務諸表の見方に慣れていますし、税務に関することもある程度わかっているので、企業法務や相続の案件を手がける上で非常に役立っています。
事務所の理念や大切にしていることを教えてください。
一つはスピード感を持った対応です。依頼を受けて、すぐにできることはなるべく早く着手します。時間がかかることでも、期限を明確にして確実に対応するようにしています。
連絡手段としてLINEなども活用し、連絡をいただいたら基本的にはその日中に返信します。依頼者からは「レスが早い」とよく言われますね。
もう一つはコミュニケーションです。依頼者とはもちろん、相手方とのコミュニケーションも大切にしています。相手の出方に応じて、穏便に話し合いを進めたり、時には強く主張したりと、柔軟に対応しています。
遺産の無断引き出し、遺言作成など幅広い相談に対応
相続分野に力を入れている理由はありますか。
税理士事務所で働いていたときから相続の案件に触れる機会があり、相続に関する知識や経験がある程度あったことが一つの理由です。もう一つは、私の家族が相続で揉めた経験があり、相続問題を抱えることによる精神的な負担の大きさを身をもって知っているからです。
相続は、法律トラブルの中でも当事者の精神的ストレスが特に大きいです。依頼者が平穏な日常を取り戻せるように、問題解決をサポートすることにやりがいを感じます。
また、解決した後も当事者の関係が続くことも相続の特徴です。徹底的に争うことも一つの方法ですが、親戚としての付き合いを再開できるように関係を立て直す方向で進めることもできます。依頼者が、相手方と将来どういう関係性を築きたいと考えているかを踏まえて、適切な解決方法を検討していきます。
相続についてどのような相談が寄せられますか。
相続に関する相談で多いのは、遺留分や財産の無断引き出し、遺産分割、遺言書作成などです。
無断引き出しについては、例えばきょうだいの一人が親と同居していたり、近くに住んでいたりする状況で、他のきょうだいが知らないうちに親の預金から引き出しが行われるケースがあります。私が実際に手がけた案件では、3000万円以上が無断で引き出されていたケースもありました。無断引き出しを疑っている側と疑われている側、両方から相談が寄せられます。
対応としては、疑っている側から相談を受けた場合、まずは銀行から取引履歴を取り寄せるなどして証拠を集めます。その上で、引き出した経緯やお金の使い道について相手に説明を求めるのですが、任意の話し合いだとはぐらかされることが多いため、基本的には裁判で事実を一つひとつ明らかにしていきます。無断引き出しが実際に行われていた場合は、相手方に対して返還請求や損害賠償請求をするなどして、引き出された分の回収をはかります。
遺言作成のサポートをする際に心がけていることはありますか。
ご本人の意向を正確に反映させることを心がけています。遺言はその方が最後に残す大切なお気持ちです。どの財産を、誰に、どのくらい渡したいのか、よくヒアリングして丁寧に文案を練ることを大切にしています。
相続案件を手がける上で心がけていることを教えてください。
何よりも、間違いがないようにすることです。資料を漏れなく集めたり、数字を正確に把握したりするなど、細心の注意を払って対応を進めています。また、税金に関する話も多く出てくるので、もちろん自分でも調べますし、専門性が高い問題であれば税理士の先生に相談するなどして、依頼者に正確な情報を提供できるように心がけています。
依頼者のパートナーとしてともに戦う
相続について弁護士に相談するメリットは何ですか。
自分が言いたいことを、法的に整理した形で相手に伝えられることです。本人同士だと感情的になりがちですが、弁護士が間に入ることでソフトランディングができることも多いです。
また、間違いが少なくなることも大きなメリットです。相談を受けていると、「もう少し早く来てくれれば何とかなったのに」と思うケースはよくあります。例えば、既に遺産分割協議書にサインした後に、「撤回したい」と相談を受けることがありますが、一度サインしたものを後からなかったことにするのは難しいです。「本当にサインしていいのか」と少しでも不安に思ったら、サインする前に弁護士に相談し、正しい対応についてアドバイスを受けることをお勧めします。
相続について、事務所の強みを教えてください。
相続に関する法的な知識に加えて、税理士事務所での勤務経験により会計や税務の知識も蓄積していることです。また、スタッフに相続診断士の資格を持つ者がおり、資料集めなどのノウハウが豊富なので、事務手続きを迅速かつ的確に進められます。
当事務所では不動産関連の案件も多く扱っており、宅建の資格を持っているスタッフも在籍しています。遺産に不動産があるケースにも対応できますので、評価額の算出や売却の手続きなどもお任せください。必要に応じて不動産業者を紹介することも可能です。
私自身のことでいうと、依頼者からは「弁護士っぽくない」と言われることが多く、比較的とっつきやすいタイプなのかなと思います。依頼者と目線を合わせ、パートナーとして一緒に問題解決に取り組むことを大切にしています。また、あまり自覚はないのですが、「先生は戦ってくれる」と言われることもあります。依頼者の希望に応じて、ソフトにもハードにも対応できるのは自分の特徴かもしれません。
これまでに手がけた相続案件の中で、印象に残っているケースについて教えてください。
被相続人の孫にあたる方の代理人を務めたケースが印象に残っています。被相続人には、子どもが3人(長男・次男・長女)いたのですが、長女がすでに亡くなっていたため、代襲相続という形で長女の子どもたちが相続人になりました。私はその方々の代理人を務めました。
当初依頼者は、被相続人の長男から「遺産として100万円ずつ渡す」と言われていたのですが、私が調査を進めたところ、被相続人にかなりの資産があることが判明しました。そこで、長男に対して遺留分を請求し、最終的には1人あたり3000万円以上の遺産を受け取ることができました。
依頼者としては相手方に色々と言いたいことがあったようですが、なるべく関係を悪化させたくないというご意向でした。そのため、代理人として交渉する際には、依頼者の主張を伝えつつ、相手方の感情を刺激しないように表現に気をつけて対応することを心がけました。結果として、完全に仲違いすることなく解決でき、金額面でも依頼者に満足していただける形で終えることができました。
間違った思い込みが争いを引き起こすことも。気軽にご相談ください
初回相談の流れを教えてください。
初回相談は無料で行っています。まず予約の連絡をいただき、基本的には事前に資料を送っていただくようお願いしています。相続は複雑な事情があるケースも多いので、あらかじめ概要を把握しておくことでスムーズに相談を進められます。簡単な時系列をまとめたものなどを事前に確認し、その上で事務所にお越しいただき、詳しい話を伺います。
お話を伺った上で、難しい点は難しいとお伝えし、可能性や見通しについても率直にお話しします。必要な場合は根拠資料もお見せします。
相談時は、和やかな雰囲気で進めることを心がけています。依頼者には「話しやすい」と言われることが多く、自分としても明るい性格だと思っています。事前に送っていただいた資料を踏まえて、私からも適宜質問しながら進めますので、「緊張して話せない」ということはないと思いますよ。安心してお越しください。
相続について悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
相続について悩みや不安があるなら、ぜひ弁護士に相談することをお勧めします。
一番危ないのは、インターネットの情報だけで判断することです。今は調べれば何でも出てきますが、ネットの情報は自分のケースに当てはまるかどうか分からないまま見てしまうので、勘違いしている方も多いです。中途半端に情報を得て「わかった気になる」よりも、弁護士に相談した方が、個別のケースに合った正しいアドバイスを受けられます。
相続で争いになる原因として多いのが、思い込みです。「自分は親に尽くしたから当然多くもらえるはず」などと思い込んで交渉を進めて、どんどんすれ違っていく。早い段階で弁護士を入れることで、感情的にならずに理性的な話し合いができ、円満な解決に近づく可能性が高いです。
初回相談無料の事務所も多いので、まずは一度相談してみることをお勧めします。相談したら必ず依頼しなければならないわけではありません。実際に依頼するかどうかはご自身の自由です。相談だけで終わっても大丈夫ですので、気軽にご連絡いただければと思います。