依頼者と顔が見える関係作りを大切に。困難な相続問題にも粘り強く取り組み、依頼者の利益を守る

埼玉県狭山市「田島遼一法律事務所」の田島遼一弁護士(埼玉弁護士会所属)に、相続案件に取り組む上での心構えや、相続についてよくある相談などを聞きました。地元・狭山市を中心として埼玉西部地域に密着し、依頼者一人ひとりとのコミュニケーションを大切にしながら相続問題に取り組んでいる田島弁護士。初回の問い合わせから弁護士が直接対応し、きめ細やかなサポートを提供しています。
インタビュー
初めての連絡から、原則として弁護士が直接対応
事務所設立の経緯を教えてください。
2015年に弁護士登録をし、入間市の法律事務所での勤務を経て、2019年に私自身の地元である狭山市で現在の事務所を設立しました。
当事務所は、狭山市を中心に飯能市や所沢市、川越市など埼玉西部地域の方々からご相談をいただいています。依頼者の皆様と顔が見える関係を大切にし、ご連絡にもできる限り迅速に対応できる体制を整えています。個人事務所だからこそ、依頼者一人ひとりと近い距離で、きめ細やかなサービスを提供できると考えています。
初めてお問い合わせをいただいた時から、基本的には事務スタッフを通さず私が対応します。ご相談内容を直接伺い、対面での打ち合わせが必要な場合は、その場でご予約をお取りします。
相続案件に注力している理由を教えてください。
相続は地域を問わず、どこでも発生する可能性があります。相続について疑問やトラブルを抱えた方が、すぐに相談できる環境を整えておくことが重要だと考え、力を入れています。
相続案件はときに長期間にわたることもありますが、粘り強く取り組み、依頼者の悩みを解決できたときの達成感は格別です。長い時間をかけるからこそのやりがいを感じています。
依頼者一人ひとりの気持ちを汲むことを大切に
相続について、よくある相談内容を教えてください。
多いのは遺産分割協議に関する相談です。当事者間で話し合いがうまくいかなくなり、相談に来る方が多い印象を受けます。特に、「生前に被相続人から財産をもらっている人がいる」「遺産が不動産しかない」「遺産の評価で意見が分かれている」などのケースが目立ちます。
他には、遺留分侵害額請求に関する相談や、遺産の使い込みを疑う方からの相談も寄せられます。相続放棄の相談も多いです。放棄の理由としては、被相続人に借金があって引き継ぎたくないというケースもありますし、遠い親戚が亡くなったが関係が希薄で関わりたくないというケースもあります。
相続案件を手がける上で心がけていることを教えてください。
相続案件では相続人間の感情的な対立が強いことが特徴です。依頼者はそれぞれの思いを抱いて相談に来ているので、気持ちを汲んで対応するよう心がけています。
ただ、何でも肯定するわけではありません。法律的に成り立ちうる主張であればできるだけ取り入れますが、無理な主張をしている場合は、その主張を通すことは難しいと率直に伝え、他の方法を提案するようにしています。
相続案件の進め方としては、話し合いの余地があれば協議による解決が望ましいと考えています。ただ、相続人が多数であったり、こちらから通知を送っても回答がない方がいたりする場合は、早めに調停に切り替えることもあります。遺産分割協議は他の相続人の協力がないと進まないので、その見極めが肝心です。
手続きの期限を超過するリスクも。早めにご相談ください
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
相続は民法の知識が必要とされる分野です。弁護士に相談することで、法律に基づいたアドバイスを受けることができます。少しでも気になることがあれば、気軽にご相談いただければと思います。当事務所では、相続に関する初回相談は無料で実施していますので、費用の心配もご無用です。
意外と、「相続人が誰か」などの基本的な部分で誤った認識をしている方は少なくありません。弁護士に相談すると正しい知識を得られるので、思わぬトラブルを回避することができます。
相談は早い方がいいのですか。
そうですね。相続に関する手続きには期限が決まっているものがあります。例えば、相続放棄は相続開始を知ってから3か月以内に手続きをしなければなりません。「後でやろう」と先延ばしにすると、期限を超過し、負債を引き継ぐことになる可能性があります。後回しにせずすぐ相談いただく方が間違いないです。
また、遺留分侵害額請求に関しても1年間という期限があります。過ぎてしまうと手続きができず、本来であればもらえるはずだった遺産の取り分がゼロになる可能性があります。
期限間際のご相談になると、弁護士としても依頼を受けられない可能性があるので、なるべく早めの相談をお勧めします。
先生の事務所の強みは何ですか。
相続分野では相当数の案件を手がけてきた経験があります。また、裁判所の選任によって相続財産清算人を務めたことで、相続財産の調査や不動産売却などについて豊富なノウハウを蓄積しています。
地元に根差している事務所として、狭山市周辺の土地事情はある程度把握しています。この辺りの土地であれば、場所を聞けばどこかすぐにわかるので、話が早いです。また、司法書士や税理士の知り合いもいるので、登記や税金に関するお悩みがあればご紹介できます。
時には毅然とした態度で立ち向かい、依頼者の利益を守る
これまで手がけてきた相続案件の中で、印象に残っている案件について教えてください。
遺留分侵害額請求訴訟を起こされた方からの依頼です。被相続人は公正証書遺言を残していて、そこには依頼者が全ての遺産を相続する旨が記載されていました。これに対して、他の相続人が依頼者に遺留分を主張してきたのですが、実は相手方は、被相続人から生前に多額の援助を受けていたのです。
「あの相続人は生前にお金をもらっているのに、さらに遺産を渡すのは納得できない」ということで相談を受け、受任しました。
訴訟で相手方に生前贈与の事実を追及したのですが、認めようとしませんでした。そこで、裁判所の嘱託手続きなどを活用して立証し、最終的には遺留分の請求を排除することができました。
被相続人から援助を受けていながら、訴訟の場ではそれを認めないという相手方の対応は、私としても納得できませんでした。生前に多額の援助を受けたことを立証するのは非常に難しいのですが、預金口座の履歴などから送金の事実を証明し、依頼者の利益を守ることができました。粘り強く取り組んだ結果、壁を突破でき、依頼者にも喜んでいただいたことから印象に残っています。
初回相談の流れを教えてください。
初回相談では、まず、亡くなった方のお名前と亡くなった日、誰が相続人か、といった基本的な事項からお聞きします。その後、具体的なご相談内容を伺い、今後の見通しを説明します。
初めての相談で緊張している方も多いので、安心してお話しいただけるよう心がけています。依頼者からは穏やかだと言われることもありますが、実際の業務では、相手方に対して毅然とした態度で臨むこともあります。依頼者に対して怒ったりすることはないですが、相手方が理不尽な主張をしているような場合は、強く出ることも必要だと考えています。
相続について弁護士への相談を検討している方へ向けて、先生からメッセージをお願いします。
少しでも気になることがあれば、早めにご相談いただければと思います。遅くなってからでは取り返しがつかなくなってしまうこともあります。勇気を出して一歩踏み出していただき、お電話いただければ幸いです。どうぞお気軽にご連絡ください。