依頼者の意向を最大限に尊重〜徹底的な調査で複雑な相続問題も解決
東京都港区「弁護士法人はるかぜ総合法律事務所」の渡部孝至弁護士(東京弁護士会所属)に相続分野の取り組みについて話を聞きました。困難な案件でも最後まであきらめない姿勢を貫くことと、徹底的な遺産調査が事務所の強みと話す渡部弁護士。相続分野を扱う上で心がけていることや相続問題を弁護士に相談するメリットなどを聞きました。
インタビュー
「身近な法律家」として依頼者に寄り添う
事務所設立の経緯を教えてください。
「はるかぜ総合法律事務所」を立ち上げたのは、「町の法律家」として、市民の皆様の身近な存在でありたいという思いからでした。依頼者一人ひとりの状況に寄り添い、私なりの考えと対応で問題解決のお手伝いをしたいと考えたのです。
2013年に千代田区飯田橋で開設し、翌年には業務拡大に伴い麹町へ移転。その後、2017年に港区虎ノ門に移転して法人化しました。
「はるかぜ」は、どなたにも親しみやすく、読みやすい名前にしたいという思いから付けました。私の「渡部(わたなべ)」が「わたべ」と誤読されることが多いことから、名前は避けたかったというのも理由の一つです。
法律事務所というと堅い印象を持たれがちですが、「はるかぜ」という名前に少しでも柔らかい雰囲気を感じていただき、多くの方に親しんでいただける存在となれば嬉しいです。
事務所の理念を教えてください。
依頼者のニーズに応じて、できる限りの解決策を提案することです。一見すると難しそうな案件や、「他の事務所では受任しないのでは」と思われるような案件でも、可能な限り解決へと導く努力を惜しみません。
実際に、「他の事務所で無理だと言われた」という相談者の案件を解決に導いたこともあります。私は「事件に決まった解決方法はない」と考えています。確かに判例はありますが、すべての案件をルーチンワークのように画一的に処理することは、必ずしも望ましい解決とは限りません。
細部にまで目を配り、丁寧に検討していけば、必ずどこかに解決の糸口が見つかるものです。そのため、判例や業界の慣習といった既成概念に縛られることなく、柔軟な発想で問題解決に取り組むことを常に心がけています。
相続分野に注力する理由はどのような点にありますか。
近年、高齢化が進む中で、相続に関する争いや問題が増え続けています。また、相続問題は親族間で発生するものであり、本来なら誰もが避けたいはずです。弁護士として、こうした切実なニーズに応えていきたいという思いがあります。
相続は誰しも直面する可能性のある身近な法律問題です。しかし、「弁護士に相談するのはハードルが高い」と感じる方も少なくありません。そうした中で、気軽に相談できる体制を整え、依頼者の方々が安心して相続問題に向き合えるようなサポートをすることが必要だと考えています。
依頼者の意向を尊重し、最適な解決策を提案する
どのような相談が多いですか。
最近、特に多い相談が「遺産の調査」に関するものです。典型的なケースとしては、親が他界して兄弟間で遺産分割をする際に、一方の兄弟が遺産の情報をすべて把握し、他の兄弟には何も共有しないというケースです。
そのような状況で、情報を持っている側から「相続放棄してほしい」とか、「遺産はこれくらいだから、3分の1のこの金額で納得してほしい」といった一方的な提案をされることがあります。しかし、遺産の全容が把握できていない状況では、その提案が適切なものかどうか判断のしようがありません。そこで、「まずは遺産の調査から依頼したい」と相談に来られるのです。
調査はどのように行われるのでしょうか。
遺産調査には様々な方法があります。例えば、故人が生活されていた地域の金融機関を調べたり、相手方との交渉を通じて情報を収集したりします。有価証券、生命保険、不動産など、遺産の種類によってそれぞれ適切な調査方法があります。
実のところ、こうした調査は法律の知識がない方でも可能です。しかし、丁寧に調べていくとなると、相当な時間と労力が必要になります。会社勤めをされている方が、仕事の合間を縫って自力で調査を進めていくのは、かなり負担が大きいと思います。
当事務所には、遺産調査に特化した担当者が在籍しています。経験豊富な担当者が迅速かつ確実に調査を進めることで、依頼者が正当な権利を守れるよう、しっかりとサポートしています。
相続案件を手がける上で心がけていることはありますか。
依頼者の希望や意向を尊重することです。例えば、「相手方と争いたくない」と考えている方に対して、無理に調停や審判を勧めることはしません。逆に、「裁判所の手続きできちんと白黒をつけたい」と希望される方には、遺産の金額にかかわらず、その意向に沿った対応を行います。
ただし、実現が難しい要望に対しては、事前にしっかりと説明します。「親のために尽くした」という寄与分の主張など、感情を含んだ主張が必ずしも法的に認められるわけではありません。
そのため、法的解釈を丁寧に説明し、現実的な範囲で可能な解決策を提案することで、依頼者が納得のいく解決を実現するように心がけています。
相続問題を弁護士に相談するメリットにはどのようなことがありますか。
法律的な知識をもとに、適切な主張ができるようになることです。
相続においては、法律の解釈次第で結論が大きく変わるケースが多々あります。例えば、不動産の評価方法ひとつを取っても、さまざまな算定方法があります。知識がないまま相手方の主張を鵜呑みにしてしまうと、不利な条件で合意してしまう可能性がありますが、弁護士が介入することで、法的に正当な主張ができるようになります。
争いのない遺産分割であれば、当事者同士で話し合いを進めることも可能でしょう。しかし、一度争いが生じてしまうと、法律的な専門知識や技術に基づいた主張が必要になります。また、資料の収集や裁判所への出廷など、実務的な負担も決して小さくありませんから、専門家に任せることの意味は大きいと思います。
さらに、精神的な負担を軽減できることもメリットです。感情的な対立がある中で相手方と直接やり取りをしても、間違いなくうまくいきません。弁護士が間に入ることで、冷静かつ建設的な話し合いが可能になり、円滑な解決を目指すことができるようになります。
丁寧な調査と国際相続などの幅広い対応力
相続分野における事務所の強みや特徴を教えてください。
当事務所の強みの一つは、徹底した遺産調査にあります。相続において、遺産の全容が明らかにならないまま手続きを進めてしまうと、不利な条件で合意せざるを得ないケースもあります。当事務所では調査範囲を広めに設定し、隠された遺産がないか徹底的に調査を行うことを大切にしています。
また、示談交渉の依頼を受けた際、調査費用と交渉費用を別々に設定する事務所も多いのですが、当事務所では調査業務を交渉業務の一環として捉えているため、弁護士費用も比較的リーズナブルだと思います。
出張相談にも積極的に対応しています。相続問題の相談者には高齢の方も多く、移動が困難であったり、Webミーティングの利用が難しいというケースも少なくありません。そのため、依頼者がお住まいの地域まで伺って話を聞くなど、柔軟に対応しています。
さらに、国際相続にも対応可能です。私を含め、当事務所には外国語対応が可能なスタッフがいるため、海外に資産がある場合や、当事者に外国籍の方がいるケース、相続人が海外在住のケースなど、国際的な要素を含む相続案件もご相談いただけます。
これまでの活動で印象に残っている相続案件はありますか。
公正証書遺言の無効を争った案件です。
依頼者は、遺言の無効を裁判で主張したものの敗訴し、控訴するために当事務所に相談に来たのです。
裁判で公正証書遺言が無効になるケースは非常に稀です。しかも、一審で不利な判決が出ていることから、かなり厳しい状況でした。しかし、訴訟記録を詳しく見てみると、まだ主張できる余地があるのではないかと感じました。そこで、依頼を受任して、控訴審に挑んだのです。
裁判を進めるにあたって、遺言が作成された経緯を時系列で整理し、関係者への聞き取りや資料の収集を徹底的に行いました。特に力を入れたのは、遺言者の医学的診断書との照合でした。診断書によると、遺言者には軽度の認知症が見られたのです。
単純な内容であれば理解できる状態だったものの、複雑な法律的判断を要するような遺言を理解することは難しいと考えられました。ところが、実際に作成された遺言の内容を精査すると、複雑な財産分配が記載されており、遺言者が本当にこの内容を理解していたのか疑問が生じました。
そこで控訴審では、遺言の内容と遺言者の理解力の乖離を丁寧に説明し、遺言の一部について遺言者の理解が及ばなかったことを明らかにしていきました。その結果、こちらの主張が認められ、逆転勝訴を勝ち取ることができたのです。
この案件では、徹底した調査と丁寧な主張が結果を大きく左右しました。難しい案件ではありましたが、依頼者の納得のいく形で解決できたことが、強く印象に残っています。
最後に、相続トラブルを抱えている方へメッセージをお願いいたします。
相続は、多くの方にとって身近な問題です。そのため、「自分で解決できるのではないか」と考える方も少なくありません。しかし、実際には法律的な知識や技術が求められる場面が多く、手続きには膨大な時間と労力がかかります。
また、相続トラブルでは、当事者による感情的な対立が避けられないケースが多く、精神的なストレスを感じることもあります。第三者である弁護士を介することで、そうした負担を軽減し、冷静かつ適切な解決が可能になります。
当事務所では、初回相談を無料で行っております。「弁護士に相談するべきかどうか分からない」という段階でも構いません。まずはお気軽にご相談いただき、一緒に最適な解決策を考えていければと思います。