相続で大切なのは「寄り添う力」。AIにはできない、人としての対応力が強みの法律事務所

東京都港区で「東京SAI法律事務所」を経営する麻祐一弁護士にインタビューを行いました。2004年の弁護士登録以来、依頼者との信頼関係を大切に、案件に向き合ってきた麻弁護士。「依頼者の気持ちに寄り添い、共に考え、時には励ましながら、最善の解決策を見出していくことが、私たちの役割」と話します。弁護士として大切にしていることや相続の対応方針、事務所の強みなどを聞きました。(第一東京弁護士会所属)
インタビュー
理想の弁護士像を掲げ一生懸命に取り組む
弁護士として大切にしていることは何ですか?
目の前のクライアントのために一生懸命取り組むことが第一です。金額の大小や事件の難易度にかかわらず、全ての依頼に真摯に向き合います。依頼者の話が法的には認められそうにないような場合でも、頭ごなしに否定するようなことはせず、丁寧に話を聞くよう心がけています。
また、弁護士である前に、一人の人間として尊敬される人でありたいと思っています。その姿勢が自然と弁護士業務にも反映され、より良いサービスにつながるのが理想です。
私は新人の時から、一般の方が思い描く、いわゆる昔ながらの誠実な弁護士像を理想としてきました。国選弁護などのプロボノ活動(社会貢献活動)にも力を入れ、弁護士バッジの意味を常に意識しています。依頼者との信頼関係を大切にするこの姿勢は、常に変わることはありません。「目の前の人から感謝される」という明確なやりがいを支えに、これからも実直に取り組んでいきます。
法律のプロとして築き上げてきた経験は、具体的にどのように活かしていますか?
一つ例を挙げると、書面作成には特に気を配っています。訴状や準備書面など裁判関係の書面、契約書、意見書、相手方への通知書、依頼者への報告書など、弁護士業務の中心は書面の作成です。
依頼者の前でいくら立派なことを言っていても、書面の出来が悪い弁護士は一流とはいえません。優秀な弁護士が書いた書面は説得力や迫力が全然違います。そのため、事実や証拠を丹念に拾いつつ、読み手にどうしたらこちらの意図が伝わるだろうかを考え、一言一句に至るまで神経をとがらせて書面を作成することを常に心掛けています。
この意識を料理に例えるなら、一流シェフの作る料理が人に感動を与えるのに似ています。ありふれた食材でも一流シェフの手にかかると感動的な味に仕上がるのは、目に見えないプロの技が惜しみなく注ぎ込まれているからです。弁護士の書面も同じです。20年以上の弁護士経験を経て得たプロの技を惜しみなく注ぎ込んで全ての書面を作成していますので、その出来には常に自信をもっています。
しかし、料理人がその技を客の目の前で披露することがないように、弁護士もその技を依頼者にいちいち説明しません。難しい法律用語はわからなくても、書面を読んでもらえれば、その弁護士の力量は自ずと依頼者に伝わるし、時に依頼者に勇気や感動を与えうると信じているからです。
弁護士は事件においてはあくまで脇役ですから、弁護士が目立つ必要はありません。依頼者の目に見えないところでプロの技術を淡々と発揮しつつ、依頼者の人生を影から支える存在でありたいと思っています。
人と人との関係性を築いたうえで伴走する
最近の相続の相談にはどのような特徴がありますか?
遺言作成の相談も定期的にありますが、最も多いのは遺産分割に関する相談です。区役所での無料法律相談でも、相続に関する相談は全体の約3分の1を占めています。
遺産分割事件の特徴として、「相続人全員が財産を受け取る権利がある」ということが一つ挙げられます。遺産分割の基本的な考え方となる法定相続分は法律で決まっているため、他の事件のように完全な勝ち負けではなく、「どれだけもらえるか」の配分方法で問題になるケースがほとんどです。
相続では、皆が口を揃えて遺産を「公平」に分けたいというのですが、その「公平」の価値観が相続人間で異なるために揉めるのが遺産分割事件の大きな特徴といえます。
もめている遺産分割トラブルはどのように解決するのですか?
まず、どのような話にも根気よく耳を傾けることを重視しています。なぜなら、相続という人生の重要な場面で、依頼者の気持ちに寄り添うことは、弁護士として最も大切な役割の一つだと考えているからです。
例えば、「親の面倒をみてきたのは自分なのに、法定相続分どおりにわけるのは納得がいかない」といった不満から、感情的な対立に発展するケースもよくあります。そのような場合は特に依頼者の気持ちに寄り添うことが重要です。寄与分の主張は検討しますが、常に寄与分を認めてもらえるわけではありません。そういう時でも結論を急がず、介護の苦労話に耳を傾け、その労をねぎらうなど、時間をかけて依頼者に寄り添うよう心掛けています。
相続では、他の相続人よりも1円でも多くもらうことが必ずしも良い解決とは限りません。単に遺産を分けるだけでなく、時間をかけて話を聞き、感情面のわだかまりを解消してあげることで、依頼者がその後の人生を前向きに過ごせるようにサポートするのが相続問題を扱う弁護士の大切な役割だと考えています。
「先生に話を聞いてもらえて気持ちが楽になった」「先生に相談して本当に良かった」という言葉をもらえると嬉しいですね。
どのように依頼者との信頼関係を築いているのですか?
弁護士によって依頼者との距離感はさまざまですが、私の場合は依頼者と友人のように仲を深めていくことも多いです。もちろん、プロフェッショナルとしての適度な距離は保ちつつも、解決を目指す中で自然に関係を深めていくことを目指しています。どちらかというと仕事とプライベートの境界をあまり作らないタイプであることも、要因としてあると思います。
弁護士業務も効率や利益を重視する傾向が強まる昨今ですが、私は依頼者との出会いも一つの「ご縁」として大切にしています。トラブルが解決したあとは「一緒に打ち上げをしましょう」と、こちらから依頼者を食事に誘うこともあります。一緒に戦ってきた締めくくりとして、依頼者も喜んでくれます。
中には、「困ったらまた相談したい」と言葉をもらい、その後も親しくお付き合いが続くこともあります。最近では、休日にかつての依頼者のご自宅に招いてもらい、当人とその家族と共に楽しく時間を過ごしたこともありました。
最初は弁護士と依頼者という関係でも、お互いの人となりを理解し合えれば、それは新しい「ご縁」として続いていくのです。そして、その新しい「ご縁」が次の「ご縁」につながっていく。こうして地道に「ご縁」を拡げてきたことが、私が、弁護士としてこれまで20年間やってこれた秘訣であり、私なりの弁護士としての在り方です。
そのために話術や人柄も意識しています。「弁護士である前に、一人の人間として尊敬される人でありたい」という想いの実践です。今は弁護士も多い時代ですが、「先生は気さくで何でも話しやすい」「先生とはプライベートでもお付き合いしていきたい」と、その人柄を評価してもらい、周りにも紹介してもらえることはとても嬉しいですね。
依頼者に「寄り添う力」が最大の強み
相続における事務所の強みを教えてください。
最大の強みは、依頼者とのコミュニケーション力です。特に相続では、感情的な問題への対応が重要です。単に弁護士として優秀なだけではなく、伴走者として寄り添うための人間的な能力も求められます。実際、依頼者からは「話しやすい」「頼りがいがある」などの評価をいただくことが多く、その点は自信をもっています。
最近も、ある事件の解決後に依頼者と打ち上げをしたのですが、「先生は全部受け止めて、良い方向に導いてくれた」と感謝の言葉をもらいました。その時に初めて、当事務所に相談に来る前に複数の法律事務所に相談に行ったが、受任を断られていたことを明かしてくれました。解決まで5年以上という長い時間を要した事件でしたが、良い方向に導けて本当に嬉しかったですね。
私は、依頼者に寄り添う力は、弁護士として必要なカウンセリング能力の一つだと考えています。依頼者の気持ちに寄り添い、共に考え、時には励ましながら、最善の解決策を見出していくことが、私たち弁護士の果たすべき役割であると信じています。
AIにはできない「人としての対応力」が重要なのですね。
最近では法律業務も効率重視の傾向が強まり、AIによる法律相談の可能性も議論されています。しかし、相続は特に純粋な法的判断以外の部分、例えば和解に向けた心情面での調整には、人としての深い理解と信頼関係が不可欠です。
例えば形見分けのように事件とは直接関係のないことでも、依頼者の心の整理のために大切な作業であれば、時間をかけて行う必要があります。過去には、故人の古いアルバムや成績表を依頼者と一緒に見ながら話を聞き、生前の思い出をお伺いしたこともありました。
感情面でのケアや共感力、伴走力こそ、AIには決して真似のできない、私たち事務所の強みだと考えています。
お気に入りの弁護士を見つけてみてください
相続でお悩みの方へメッセージをお願いします。
相続は人生で何度も経験することではありません。わからないことがあって当然です。今はインターネットでも情報は集められますが、専門家に相談しないとわからないことも多いのではないでしょうか。
また、遺産分割の話し合いは、赤の他人とはいえない親族間で故人の財産をめぐる生臭い話をしなければならず、心理的なハードルが高いものです。このような場合、弁護士を代理人に立てることで、お互いが冷静に話し合うことができ、結果的にスムーズな解決が期待できます。必ずしももめているケースだけではなく、もめないための予防的な相談としても、弁護士を活用してもらえればと思います。
弁護士費用を心配される方も多いと思いますが、ご安心ください。当事務所では費用についても誠実な対応を心がけています。定型的な算定方法ではなく、弁護士の作業時間や対応の難易度に合わせて柔軟に調整しているので、一般的な費用よりおさえられるケースもあります。
お気に入りのレストランを見つけるくらいの気持ちで、ご自身に合った法律事務所・弁護士を探してみていただければと思います。それが当事務所であれば全力でサポートします。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。