丁寧な対話を通じて対立のポイントを見極める。事案の特徴を踏まえた適切な対応で円満相続を実現
大阪府大阪市北区西天満で、大久保法律事務所を経営する大久保 康弘弁護士(大阪弁護士会所属)に、相続の案件を手がける上での心構えや事務所の強みについて聞きました。相続のゴールは、お互いの利害を調整し、適切に財産を分け合うことだと語る大久保弁護士。円満相続を実現するために心がけていることや、弁護士に依頼した場合に受けられるサポートについてもお話しいただきました。
インタビュー
地域に根ざした事務所として、20年以上にわたって法律問題解決に取り組む
事務所設立の経緯を教えてください。
弁護士になり、まずは大阪府内の法律事務所に入所して経験を積みました。5年ほど勤務弁護士として仕事をしたのち、独立して現在の事務所を立ち上げました。開設して以来20年以上にわたって、地域の方々から寄せられる様々な法律トラブルの解決に取り組んでいます。
事務所の理念や大切にされていることを教えてください。
依頼者の気持ちに寄り添うこと、そして、最大限利益のある結果を出すために尽力することです。
依頼者とのコミュニケーションにおいては、話をよく聞いて、その方のお気持ちや意向を受け止めることを大切にしています。ただ聞くだけではなく、私から「これはこういうことですか」「他にこんなことはありましたか」というふうに適宜質問して情報を引き出し、依頼者が置かれた状況を詳しく正確に把握します。
法律に関する説明をする際にはわかりやすさにこだわります。ほとんどの方は弁護士に相談することが初めてで、法律的な知識もあまりお持ちではありません。法律のルールや手続きについて、正しい情報をわかりやすく伝えるために、専門用語をなるべく使わず一般的な言葉に置き換えたり、たとえ話を使って説明したりすることを心がけています。
依頼者・相手方双方の納得感を重視し、円満相続を目指す
相続案件に注力されている理由を教えてください。
相続というのは要するに、亡くなった方が残した財産を相続人間でどう公平に分けるかをめぐる問題です。特定の相続人の非を糾弾したりすることが目的ではなく、お互いの利害を調整して財産を分け合い、当事者全員が納得できる着地点に至ることが相続のゴールです。
しかし、当事者だけで相続の手続きを進めようとすると、本来の目的を見失い、ただ感情をぶつけ合うばかりで建設的な話合いができないことが少なくありません。そこで弁護士が介入し、法律のルールに基づいた解決策を提案したり、他の相続人と交渉して利害調整をはかったりすることによって、話を前に進めて、適切に財産を分け合うというゴールに到達できるようにサポートしています。
相続は多くの方が人生で一度は経験する身近な出来事ですが、誰もが何の問題もなく手続きを終えられるとは限りません。「揉め事が発生してしまった」「手続きの進め方がわからない」といった悩みを抱えている方は多くいらっしゃいます。地域に根ざした法律事務所として、相続でお困りの方に法的なサポートを提供し、円滑に相続手続きを進めるためのお力になりたいと考えて注力しています。
相続についてよくある相談内容を教えてください。
よくあるのは相続放棄に関する相談です。「相続放棄をすべきかアドバイスがほしい」「手続きを一任したい」といった相談が寄せられます。
特別受益に関する相談も多いです。特別受益とは、被相続人から生前、援助を受けた相続人の相続分を減らして、それ以外の相続人の相続分を増やすといった調整をする仕組みです。たとえば、被相続人から結婚資金や住宅建設の頭金などを援助してもらった相続人がいる場合に、遺産分割にあたって取り分をどのように調整すればいいのか争いになり、相談に来る方がいらっしゃいます。
また、財産の中に不動産が含まれていて、売却するか共有するかで迷っている方から相談が寄せられることもあります。
相続案件を手がける上で心がけていることを教えてください。
なるべく円満に解決することです。多くの相続問題は、家族や親族の間で発生します。長年積み重なった複雑な想いが相続をきっかけに噴出し、激しい争いに発展することが少なくありません。
離婚の場合は、もともと他人だった者同士が結婚して離婚してまた他人に戻ります。離婚した時点で相手方との関係が切れるわけです。一方、相続の場合は、相続の手続きが終わった後も相手方との血縁関係が続きます。普段は交流がなくても、法事などでは顔を合わせるかもしれません。そんなときに気まずい空気が流れないよう、解決の過程でできるだけ関係を修復し、しこりを残さないことを心がけています。
円満な解決のために、依頼者の話をよく聞くことはもちろん、相手方とのコミュニケーションも大切にしています。依頼者と相手方がそれぞれ何を不満に思っているのかを聞き取って対立のポイントを明確にし、双方が納得できる解決方法を提案して対立を収めていきます。
他士業と連携し、相続に関する様々な問題に対応
初回相談の流れを教えてください。
まずは、どなたが亡くなって、相続人となる方はどなたか、相続財産にはどのようなものがあるか、といった基本的な情報を整理します。その上で、それぞれの相続人がどのような考えを持っているかをわかる範囲で把握し、今後の対応を検討していきます。相続人の関係図や財産目録があれば、簡単なメモでもかまいませんので、ご持参いただけるとありがたいですね。
ご事務所ならではの強みを教えてください。
司法書士や税理士の先生方とのネットワークがあり、登記や相続税申告などが必要な場合は連携して対応します。また、不動産の案件を多く手がけてきた関係で、不動産業者の方とのお付き合いもあります。業者の協力のもと、不動産を査定して適正な評価額を算出し、物件の売却などの手続きも迅速に進めることが可能です。
また、2024年から家庭裁判所の調停委員を務めています。弁護士は依頼者の代理人として調停に臨みますが、調停委員は裁判所側の人間として、公平・中立な立場から依頼者と相手方の話を聞きます。
調停委員の活動によって、1つの事案を俯瞰的に見られるようになり、依頼者の代理人として調停に臨む場合も、裁判所や相手方の考え方・出方を想像し、全体のバランスを考えた上で主張を展開できるようになりました。調停委員を務める中で得られた知見を弁護士実務に活かし、早期に合理的な解決を導けるよう取り組んでいきたいと考えています。
相続について、弁護士への相談・依頼を検討している方へメッセージをお願いします。
弁護士に対して、敷居が高いというイメージをお持ちの方は多いと思いますが、あまり身構えず、気軽に相談していただきたいです。
相続は、お互いの利害が対立して譲り合うことができず、泥沼の争いに発展するケースが少なくありません。そうなると自力で収束させるのはなかなか困難です。弁護士が第三者の立場で介入して交渉することで、当事者の感情が落ち着き、法律のルールに基づいて論理的に話合いを進められるようになります。弁護士がお役に立てることがたくさんある分野ですので、お一人で悩まず、専門家のサポートを受けていただければと思います。
相続発生後の相談はもちろん、生前対策の相談も承っています。公正証書遺言の作成の他、一般危急時遺言(病気などで生命の危機が迫っている状況下で作成される、特殊な形式の遺言)の作成についても経験があります。財産をお持ちの方の死期が近いなど、通常の形式の遺言を作り難い事情がある方も、ぜひ一度ご相談ください。