相続弁護士 ドットコム

吉田法律税務総合事務所

所在地
神奈川県 藤沢市朝日町12-1 門倉ビル8 4階1

弁護士、税理士、司法書士の経験を活かしたアドバイス〜法務と税務の両面から相続問題に取り組む

吉田 昌史吉田法律税務総合事務所

神奈川県藤沢市「吉田法律税務総合事務所」の吉田昌史弁護士(神奈川県弁護士会所属)に相続分野の取り組みについて話を聞きました。弁護士登録する以前は司法書士をしており、現在は税理士としても活動している吉田弁護士。3つの士業の経験と知識を持つことの強みや、相続問題を扱う際に心がけていることなどを聞きました。

インタビュー

司法書士から弁護士への転身

事務所を設立した経緯を教えてください。

弁護士になる前は7年ほど司法書士として働いていました。司法書士もやりがいのある仕事ではありましたが、弁護士に比べると扱える業務が少ないため、より幅広い業務に携わりたいと考え、弁護士資格の取得を決意しました。

弁護士登録後は、経験を積むために都内の法律事務所に2年間勤務しました。その後、独立して現在の事務所を開設しました。

藤沢市に事務所を構えた理由は2つあります。一つは私の出身地が神奈川県であること。もう一つは、事務所開設当時、藤沢市には弁護士が比較的少なかったことです。これらの要因から、藤沢市で地域に根ざしたリーガルサービスを提供したいと考えました。

事務所の理念を教えてください。

「信頼できる身近な弁護士であること」です。依頼者には常に誠実に向き合いたいと考えています。例えば、契約を結びたいがために、情報を出し渋るようなことは決してしません。仮に相談だけで問題が解決するのであれば、それで構わないと考えています。

また、「弁護士は敷居が高い」というイメージを払拭したいと考えています。司法書士として働いていた経験に加えて、現在は税理士の登録もしています。間口を広げることによって誰もが気軽に相談でき、様々な悩みに対応できる事務所を目指しています。

相続分野に注力されている理由をお聞かせください。

司法書士として働いていたときから、登記など相続に関連する案件を多く扱ってきました。その経験が活かされることから、相続分野に注力しています。

また、相続に関する問題は、税務の要素も大きく関わってきます。そこで弁護士だけではなく税理士の登録も行い、法律と税務の両面から相続問題に取り組んでいます。

紛争を発展させないために意識していること

どのような相談が寄せられますか。

最も多いのは、遺産分割問題です。家族間での感情的な対立や意見の食い違いが原因で話し合いが進まないために、相談に来られるケースが多いです。また、相続人が疎遠な関係にあり、コミュニケーションが完全に断絶しているようなケースもあります。そのような場合、調整役を務める弁護士の介入が非常に重要になります。

また、紛争には至っていないものの、相続手続きについて知りたいという相談や相続税に関する質問も寄せられます。相続税の負担や申告の手続きに不安や疑問を抱えている方が多いため、そういった点についても丁寧に説明し、依頼者が安心して手続きできるようにサポートしています。

相続案件を扱う上で心がけていることはありますか。

紛争が発展しないように気をつけることです。相続問題は、感情が大きく絡むことが多く、依頼者が感情的になっている場合がよくあります。そのようなときに、感情を煽ることはせず、冷静に対応することが大切です。

そのために大事なことは、依頼者に同調しすぎないことです。依頼者の話に耳を傾けて、感情に理解を示すことは大切です。しかし、依頼者と一緒になって相手方に感情をぶつけてしまっては、問題は解決しません。あくまで法律家の視点から、法的根拠に基づいた助言を提供しなければなりません。そうすることで、不要な感情的対立を避け、より建設的な解決策を見出すことができると考えています。

最近の相続トラブルの傾向はありますか。

「生前からの不公平感」による問題です。例えば、相続人の一人が被相続人から何らかの財産を贈与されていたケースで、他の相続人がそれを不平等だと感じることがよくあります。こうした不満が、遺産分割の際にトラブルへと発展することが多いです。

生前贈与が絡む相続案件で重要になるのは、法律的にそれが特別受益に該当するかどうかの判断です。特別受益を証明するのは、実際には簡単ではありません。単に被相続人の口座から金銭が引き出されていたという事実だけでは、それが特定の相続人への贈与であったことを証明するのは難しい場合が多いのです。

そのため、依頼者から相談を受けた際には、特別受益を認めてもらうためにはどのような証拠が必要かということと、見込みについて率直にお話しています。

法務と税務の両輪で相続問題を解決

相続問題を弁護士に相談するメリットはどのようなことがありますか。

感情的な対立を整理し、法律的な視点から解決策を見つけられることです。多くのケースが、弁護士に相談する時点ですでに相続人同士の話し合いがこじれており、当事者間で冷静な協議を進めるのが難しい状況になっています。

そうした際に、弁護士は感情的な要素を抑えつつ、法的に適切なアドバイスを提供することができます。また、法律的な手続きや必要な証拠の提示についても、具体的なアドバイスができるため、依頼者は安心して手続きを進めることができます。

相続分野における事務所の強みや特徴を教えてください。

税理士登録もしていることから、相続税に関する相談にもワンストップで対応できる点が挙げられます。

一般的な弁護士事務所では、相続税の問題が生じた際に「税理士に相談してください」と別途紹介するケースが多いかと思いますが、私は弁護士としての法的アドバイスに加えて、税務面の質問にも対応できます。

相続は、法的問題に関連して、税務的な問題が絡むことが多いです。そうした法務と税務の両面からアドバイスできる点が、当事務所の大きな特徴です。依頼者にとって、複数の専門家に相談する手間を省き、一つの窓口で全体的なサポートを受けられるというのは大きなメリットだと思います。

これまでの活動で印象に残ってる案件を教えてください。

夫を亡くした妻からの依頼でした。夫には離婚歴があり、前妻との間に子どもがいたのですが、依頼者である妻とその子どもは全く面識がありませんでした。遺産もわずかで、妻はこれからの生活をそのわずかな遺産に頼らなければならない状況にありました。

そこで、私は前妻の子どもに対して相続放棄の交渉を開始しました。当初、相手は放棄に難色を示していたのですが、最終的には条件付きで承諾してくれました。その条件というのが、お墓の場所を教えることと、亡くなった父親の写真を譲ってほしいというものでした。

これまで多くの遺産分割や相続放棄の案件を扱ってきましたが、このような条件で解決に至ったのは初めての経験でした。依頼者にとっても、その条件は決して難しいものではなく、むしろ、亡き夫のお墓参りに来てくれることを喜んでいたのが印象的でした。

相続問題がただの金銭的な争いではなく、家族の絆や思い出が絡むものだと改めて感じさせられた案件でした。

最後に、相続問題で悩みを抱えている方へメッセージをお願いいたします。

「こんなことを相談していいのか」と悩む必要は全くありません。相続に関する悩みは、税金や不動産、遺産分割など、さまざまな側面がありますが、どのような内容でもお気軽にご相談ください。

当事務所では、法務だけでなく税務の相談にも対応しているため、依頼者の方々にとって最善の解決策を提供できると思います。専門家として、皆さんの悩みにしっかりと向き合い、サポートいたしますので、安心してご相談いただければと思います。