丁寧なヒアリングを通して依頼者が本当に望む解決へ。専門家とも連携し相続の様々な悩みに対応

埼玉県さいたま市で「CLOVER法律事務所」を経営する宇田川高史弁護士(埼玉弁護士会所属)に、相続案件への取り組みについて聞きました。事実関係とともに依頼者の感情や相手方との関係性などを理解することを大切にしている宇田川弁護士。一人ひとりと真摯に向き合い、柔軟な方法で意向に沿った解決を導きます。事務所の理念や相続についてよくある相談、弁護士に依頼するメリットなどを聞きました。
インタビュー
依頼者の感情を解きほぐし、相続の悩みを解決に導く
事務所設立の経緯を教えてください。
2007年に弁護士登録し、外資系の事務所や中小企業法務に強い事務所で6年ほど経験を積みました。その後、複数の事務所でパートナー弁護士として共同経営を経て、2020年に「CLOVER法律事務所」を設立しました。
企業法務の知見を活かして、上場企業から中小企業、ベンチャー企業まで様々な企業からの依頼に対応しているほか、一般民事や家事事件など個人の方からの依頼も多数承っています。
事務所の理念や、大切にしていることを教えてください。
「『幸せを届ける』リーガルサービスを提供し、『出会ってよかった』と思われる法律事務所であり続ける」を理念として掲げています。
当事務所が大切にしているのは人と人とのつながりです。私を選んでくださった依頼者の期待に応えるため、その方が何を求めているのかをしっかり聞き、意向に沿った解決を導けるよう、一つひとつの案件に真摯に取り組んでいます。
相続案件に注力している理由を教えてください。
相続は他の分野の案件と比べて、当事者の関係性や感情が深く関わってきます。家族間の長年のわだかまりが相続をきっかけに噴出し、当事者同士では収拾がつかなくなることも少なくありません。解決のために、まずは依頼者の感情を解きほぐし、本当に求めているものが何かを探っていきます。感情に寄り添って仕事ができることは相続案件を手がける大きなやりがいであり、注力する理由の一つです。
また、相続のルールは法律によって定められていますが、実際の案件は、法律を形式的に当てはめるだけで解決するとは限りません。視野を広くもって何が依頼者にとって最適な解決なのかを柔軟に考え、交渉力を発揮して依頼者が望む解決につなげたいと思っています。
不動産に関する相談多数。不動産鑑定士などの専門家とも連携
相続についてよくある相談内容と、解決までの流れを教えてください。
特に多いのは不動産に関する相談です。遺産分割の話し合いで不動産をどのように分けるかで揉めて、当事者間でまとまらず相談に来る方が多いです。
不動産の分割方法は複数あり、選択を誤ると結果的に相続人全員が損をしてしまうリスクがあります。たとえば、1つの土地を分筆して各相続人が取得するという分け方(現物分割)がありますが、土地は分けると小さくなるため、元々の広さであれば建てられたはずの高い建物が建てられなくなる可能性があるのです。
現物分割が適する場合もありますが、そうでない場合は土地を分筆することで活用方法が狭まったり、価値が下がったりする恐れがあります。どの分け方が依頼者にとって最も利益になるのか、事案に応じてベストな方法を検討しながら進めることが重要です。
不動産が絡む相続案件では、不動産鑑定士や仲介業者の方とも連携を取りながら進めていきます。不動産鑑定士の方とは定期的にコミュニケーションを取っていて、その度に「こういうふうに土地を活用する方法があるのか」と発見があります。非常に勉強になりますし、実務に活かせる知見も蓄積できます。
相続案件を手掛ける上で、心がけていることを教えてください。
相続に関しては特に、依頼者のバックグラウンドや感情を理解できないと解決に向かえないと考えています。初回の相談では事実関係の把握とともに、相手方との関係性や相手方への思いも丁寧に引き出し、その上でベストな解決方法を考えていきます。
相談はお早めに。複数人の弁護士と会って話し、信頼できるかどうかを見極めて
相続について弁護士に相談・依頼をするメリットを教えてください。
揉めている当事者の間に入って他の相続人と交渉することは、弁護士にしかできません。手続きだけなら司法書士・税理士の先生方に依頼することもできますが、すでに紛争になっている、あるいは紛争になりかねない状況であれば、弁護士のサポートを受けることをお勧めします。
話し合いでまとまらず、調停や審判に発展しても、弁護士に依頼している場合はそのまま代理人として対応してもらえます。
法律を使って問題をどう解決するかを考えるにはクリエイティブな力が必要です。解決方法は1つではなく、案件ごとの事情に応じて柔軟に考える必要があります。それは簡単に身につくものではなく、様々な紛争を解決する中で培われる能力です。紛争解決のプロである弁護士だからこそ力になれるケースもありますので、ぜひ相談してもらえればと思います。
依頼する弁護士を探す際は、複数の弁護士に会って直接話をしてみてください。問題解決までの時間をともにするパートナーですから、相性や価値観が合うかどうかは非常に重要です。価値観が合わない人からいくら有益なアドバイスをもらっても、聞く耳を持てないということもあるでしょう。実際に会ってみて、信頼できると思える弁護士に依頼していただくのがよいと思います。
相談のタイミングは早い方がよいのでしょうか。
そうですね。相続について疑問や不安がある場合はそのままにせず、早い段階で相談だけでもしていただくことをお勧めします。
相続の手続きを放置する一番のデメリットは、当事者が増えてしまう可能性があることです。実際のケースで、親の面倒を見ていた子どもの一人に財産を相続をさせるということでまとまっていた話がありましたが、手続きを放置している間にその子どもが亡くなって代襲相続が起こり、相続人が11人になってしまったという案件がありました。
人数が増えると感情も増えるので、話がまとまりづらくなります。この案件は、もともと他の弁護士が対応していたのですがまとまらず、私のところに依頼が持ち込まれました。私に担当が変わってからも難航し、解決したときには、最初の相続が発生してから20年が経過していました。
早めに弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることで、状況を前に進めることができます。「手続きについてわからないことがある」「相続人同士で揉めている」「今は大丈夫だが、将来的に問題が起きるかもしれない」など、どんなことでもかまいませんので、1人で抱えずにご相談ください。
弁護士2人体制で迅速に対応。豊富な知見を活かして様々な相続問題を解決に導きます
事務所ならではの強みや、他の事務所との違いを教えてください。
相続は当事務所で扱う案件の中でも特に数が多く、これまで培ってきた知見を活かして、様々なケースに対応できる点は強みの一つです。他の事務所で断られた方から依頼を受けて解決に導いた実績もあります。
案件には基本的に、私と中島一郎弁護士との2人で対応します。事務的な手続きも分担して進めますので、スピーディーな対応が可能です。
また、複数の不動産業者や、税理士・司法書士など他士業の方とのネットワークもあります。当事務所に依頼していただければ、不動産の処分や登記、税金に関する手続きもワンストップで対応します。
相談・依頼を検討している方へのメッセージをお願いします。
弁護士は敷居が高いと思っている方はまだまだ多いですが、一歩踏み出して相談していただきたいと思っています。時間が経つほど問題が深くなることもありますので、後回しにせず、早い段階で一度お問い合わせください。
紛争になる前や、相続が発生する前のタイミングでの相談も大歓迎です。トラブルにならないために今何をすべきかという観点からアドバイスさせていただきます。