相続に特化し、事前対策から紛争解決まで充実のサポートを提供〜依頼者ファーストの対応が信条
2016年に愛知県名古屋市に開設された「永原法律事務所」。「こころ豊かな人間社会の発展に寄与します」という経営理念のもと、相続トラブルの解決、そしてトラブル回避のための事前対策に力を入れています。事務所の代表を務める永原裕也弁護士に、相続案件を手がけるうえでの心構えや、事前対策の重要性、相続について弁護士に相談するメリットなどを聞きました。(愛知県弁護士会所属)
インタビュー
1人ひとりに合ったオーダーメイドの解決策を提案
事務所設立の経緯を教えてください。
勤務弁護士として3年間経験を積んだ後、2016年に当事務所を開設しました。アクセスのよさを大切にしたいと思い、なるべく名古屋駅から近いエリアを探して現在の場所に決めました。私自身、名古屋市の隣の尾張旭市出身で、名古屋市内の学校に通っていたこともあり、このあたりは馴染み深いです。
事務所の理念や大切にしていることを教えてください。
「こころ豊かな人間社会の発展に寄与します」という経営理念を掲げています。当事務所には、怒り、悲しみ、不安など、様々な感情や思いを抱えた方々が訪れます。依頼者1人ひとりに誠実に向き合い、解決への道筋を示すことで、安心を提供していきたいと思っています。
また、相続や離婚といった家事事件の多くは、話合いを1回すれば終わるような簡単なものではありません。当事者の関係が複雑な場合、解決までに数年かかることもあります。
依頼者のためになるべく早い終結を目指しますが、解決を急ぐあまり対応を見誤らないよう細心の注意を払っています。対応の仕方によっては、事件終了後も当事者間に遺恨が残る可能性があるためです。それは根本的な解決とはいえず、当事務所が目指すゴールとは異なります。
依頼者はもちろん、相手方の事情や思いにも配慮しながら、世の中に広く受け入れられるような解決を目指しています。
依頼者の満足度を高めるために取り組んでいることはありますか。
持ち前のフットワークの軽さを活かし、解決に向けて時間や体力を惜しまず行動することです。相談の場所や日時も、なるべく依頼者の都合に合わせて調整しています。依頼者が入院している場合には病院に伺うこともありますし、遠方にお住まいの場合は現地に赴くことも可能です。
依頼者の話を真摯に聞くことも大切にしています。事件解決に直接関係するかどうかにかかわらず、依頼者が私に伝えたいと思うことであれば、遮らずに最後まで聞きます。
丁寧なヒアリングを通して依頼者の思いや事情、希望をできるだけ詳しく把握し、1人ひとりに最適な、いわばオーダーメイドの解決策を提案することを心がけています。
弁護士の仕事はサービス業であり、依頼者なしにこの仕事は成り立ちません。私に依頼してよかったと思っていただけるよう、依頼者ファーストの対応を信条としています。
事前対策をおこなうことで、争いのない相続をしてほしい
相続分野に注力している理由を教えてください。
高齢者の中には、法律トラブルを抱えていても、自分で対処法を調べたり弁護士を探したりすることが困難な方が多いです。高齢者が抱える問題の解決に対しては、勤務弁護士時代から強い関心を持っていました。
独立に際し、本格的に高齢者の問題解決に取り組みたいと考えた私は、様々な場所に足を運び、実態について学びました。その中で、弁護士や司法書士に相談すればすぐに解決できるような法律トラブルを長年抱えて苦しんでいる高齢者が多いことを知ったのです。
トラブルの中でも特に多く見られたのは、簡単な対策をしておけば防げたであろう相続争いでした。相続は多くの方が人生で一度は直面する出来事であり、悩みを抱えている方はきっとまだまだいるはず。そう考えて、相続分野に特化した事務所を作ろうと決めました。
相続について、どのような相談が寄せられますか。
「自分の相続分があまりにも少なく、納得できない」という相談が多いです。たとえば、遺言書には「長男に全ての遺産を相続させる」と書いてあり、依頼者を含む他の兄弟の相続分が全くないようなケースです。
遺言書には被相続人本人の考えや思いが反映されており、そのような内容になったのには何らかの事情が背景にあるのかもしれません。しかし、基本的に遺留分が認められる限りは遺留分侵害請求をおこなうことができます。私が手がけた案件では、当初相続分が全くなかったにもかかわらず、最終的に約1000万円を請求できたケースもあります。
相続分野に対する思いを教えてください。
「こころ豊かな人間社会の発展に寄与したい」「世の中に安心を提供したい」という思いで問題解決に取り組んでいます。多くの相続事件を手がけてきて感じるのは、やはり、争いのない相続をしてほしいということです。争いを防ぐためにも皆さんにはぜひ事前対策をおこなっていただきたいですね。
最も簡単で効果的な対策の1つが、遺言書の作成です。被相続人には、遺産の配分についての事項はもちろん、その配分を望んでいる理由も記載してもらえたらと思います。というのも、もし配分に偏りがあったとしても、被相続人の考えや思いが分かれば、相続人同士が納得し、争いに発展することを防げるからです。
遺言書以外にも、対策としてできることは様々あります。遺産の中に不動産があり、特定の相続人に引き継いでほしいと思っている場合は、その相続人にあらかじめ名義を移しておくことができます。生前贈与をすることで、財産を引き継がせたい相続人に確実に財産を渡せます。また、民事信託の活用なども検討してもいいでしょう。
事前対策は私が特に力を入れている部分であり、強みでもあります。弁護士に相談すれば即座に解決できるような問題が原因で起きてしまう相続争いを少しでも減らしたいと思っています。いわゆる「終活」の一環としても、ぜひお元気なうちに一度ご相談ください。
弁護士に相談する最大のメリットは、「不安やストレスから解放されること」
先生の事務所では、初回の法律相談はどのような流れで進んでいくのでしょうか。
まずは事前に電話やメールなどで、簡単にご相談内容について聞き取りをおこないます。その後、日程調整をし、事務所に足を運んでもらえる場合は事務所で、難しい場合は電話やオンライン上、あるいはこちらから出張する形で面談をおこないます。
初回相談は無料で実施しており、相談したいことをしっかりと話してもらえるよう、必ず1時間以上に設定しています。話を全て聞き終えた後にこちらからアドバイスを伝え、依頼を検討していただける場合は着手金や報酬金の見積もりをおこないます。
初回相談にあたり、相談者が事前に準備した方がよいものはありますか。
できれば、相続人の相関図と遺産の内訳を把握できる資料を持ってきてもらえると助かります。事案が既に進行していて、相手方やその弁護士とやり取りしている場合には、経緯が分かる手紙などをお持ちください。
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
主に3つあると思います。1つは、プロの目線から、解決に向けた的確な見通しを提示してもらえること。また、相手方との交渉や必要な情報の収集などを全て弁護士に肩代わりしてもらえることもメリットでしょう。
そして最も大きなメリットは、怒りや悲しみ、不安といった精神的ストレスを軽減できることだと思います。1人で抱え込まず、ぜひ気軽に弁護士にご相談ください。
愛する家族のためにも、元気なうちに弁護士に相談を
最後に、相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。
相続はとても身近な問題です。どれだけ医療が発達したとしても、死は全ての人に必ず訪れます。ご自身亡き後の家族のことを考えて、相続に向けた事前対策をご検討ください。
「あまり語らない」ということは日本人の美徳と言われますが、相続においては思いを表現し、次の世代に伝えていくことがとても重要です。遺言で「誰にどの遺産をどのくらい渡すか」といった思いを表明することで、ご意向に沿う形でスムーズに遺産を引き継いでもらうことができます。
財産をお持ちの方はご自身が元気なうちに、相続人となった方は紛争が生じる前に、ぜひ一度弁護士にご相談ください。私自身も、積極的に情報発信するなどして地域における認知度を上げ、気軽に「相談に行ってみよう」と思っていただける事務所を目指して努力していきたいと思います。