財産規模が大きい・不動産が多数の案件もお任せを。30年の経験を駆使し、複雑な相続問題も解決へ
神奈川県横浜市で「横浜セントラル法律事務所」を経営する川島俊郎弁護士(神奈川県弁護士会所属)に、注力する相続分野について聞きました。同事務所では、全ての法律相談に所長である川島弁護士が対応。約30年の経験に基づき解決方針を立て、受任後も担当弁護士とともに案件の進行を随時管理しています。独自の費用設定や、コミュニケーションで心がけていることなど、依頼者に寄り添った取り組みについて聞きました。
インタビュー
全ての相談に所長自ら対応。明確な費用設定も特徴です
事務所設立の経緯を教えてください。
当事務所はもともと横浜の関内、裁判所の近くにありました。しかし、東日本大震災の発生時に事務所が傾くなどの被害を受け、それを機に今の場所へ移転しました。横浜駅から歩いて5分ほどで、出口によっては徒歩1分です。依頼者のアクセスを第一に考えてこの場所に決めました。2025年で14年目に入っています。
先生の事務所の特徴を教えてください。
最大の特徴は、すべての相談に私が対応していることです。相談後、受任になった場合には、事務所の勤務弁護士に担当してもらいます。事務所によっては、初回の相談から若手の弁護士が対応し、所長が案件の詳細を把握していないところもあるようですが、当事務所ではそのようなことはありません。受任後も、常に担当弁護士と対応方針を相談しながら進めています。
相続案件に関しては、提携している税理士事務所と連携し、大規模な案件にも対応可能な体制を整えています。相続財産の金額が大きくなればなるほど税金面も考慮した対応が必要になるため、相続に強い税理士と協力し、依頼者にとって最も利益になる形での解決をはかります。
また、遺産分割で揉めてしまうと、相続税の申告期間内に話がまとまらないことが少なくありません。その場合には、未分割という形で相続税の申告だけは済ませておき、後から修正申告をするのが通常です。ご自身で手続きをするのが難しい場合でも、当事務所に依頼していただければ税理士との連携のもと対応しますので、安心してお任せください。
弁護士費用の設定も工夫していると伺いました。
はい、当事務所では相続財産の規模にかかわらず、着手金は一律20万円(消費税込みで22万円)、報酬金は10%という、依頼者にとってわかりやすい設定にしています。極端な話、財産の額が100万円でも10億円でも着手金は全て20万円で、これは他の事務所に比べて大きく異なってるところだと思います。
相続案件は、損害賠償請求の案件のように勝ち負けが明確なケースは少なく、遺産分割の結果がゼロになることは基本的にありません。依頼者の中には「将来的には相続分としてある程度の金額が入ってくる見込みがあるが、現時点で弁護士に依頼するための資金がない」という方が多いため、この費用設定で依頼のハードルを下げる工夫をしています。また、初回相談も無料で承っています。
他に、依頼者の満足度を高めるためにおこなっていることはありますか。
基本的に対面で話すということです。電話やウェブでの相談は一切やっていません。事務所に来ていただいて直接お話を伺うことで、依頼者が本音を話しやすくなるとともに、こちらの意図を正確に伝えることができると考えています。不信感や誤解が生まれるのを防ぐためにも、直接対話を重視しています。
お話をする際には、相談内容に直結する話だけでなく、時には雑談を交えてコミュニケーションをとって、依頼者の緊張をほぐすように心がけています。さらに、法律の専門用語や理論をそのまま伝えるのではなく、一般的な言葉に言い換えたり、例え話を用いたりして、わかりやすく説明することも大切にしています。
話をよく聞き、冷静に状況を分析。今後の見通しをわかりやすく伝えます
相続についてよくある相談内容を教えてください。
千差万別ですが、よくあるのは、きょうだいのうちの1人が親の面倒を見ていて、「自分だけ大変な思いをしてきたのに、他のきょうだいと均等に分けるのは納得できない」と不満に思って揉めるケースです。法律的には寄与分と呼ばれる問題ですね。
寄与分は認定のハードルが高く、調停や審判で主張しても必ずしも認められるとは限りません。依頼者の事情をよく聞いた上で、認定される可能性がどのくらいあるのかをなるべく冷静に説明するようにしています。
見通しが厳しい場合はなかなか納得できない方もいますが、良い情報ばかりを伝えるのは私のスタンスに反しています。安請け合いをして、後々「こんなはずじゃなかった」という結果になるのはお互いにとってよくないので、良いことも厳しいこともきちんと説明します。
相続案件を手がける上で心がけていることを教えてください。
依頼者の話をしっかり聞きつつ、感情に流されすぎないように注意しています。相続に関する相談では、「自分はこんなにしてきたのに、これしかもらえないのは納得できない」「あの人は生前に親から援助を受けて、いい思いをしてきた」などの感情的な訴えが多く出てきます。
気持ちとしてはよく分かるのですが、依頼者と一緒になって怒ったり悲しんだりするだけでは問題を解決できません。依頼者の訴えを受け止めた上で、冷静に状況を整理し、「法律的にはこういう問題があり、解決するにはこういう方法が有効です」とわかりやすく説明することを大切にしています。
初回の相談ではどのような対応をされているのでしょうか。
まず依頼者が何を聞きたいのかを明確にします。その上で一通りの話を聞いて、私から質問しながら、依頼者の質問に答えるために必要な情報を引き出していきます。こうすることで、重要な情報とそうでない情報を整理しながら効率的に打ち合わせを進められます。
最初に依頼者の目的を確認しないまま進めてしまうと、必要な情報と枝葉の情報が混在し、話が散漫になることがあります。そこで、まず「最終的に何を聞きたいのか」を明らかにして、そのために必要な情報を掘り下げていく方針を取っています。
ただし、効率化しようとして話を遮ってしまったりすることは、依頼者にとって気持ちのよい対応とは言えません。依頼者の気持ちに配慮しつつ、必要な情報に焦点を当てる、そのバランスに気をつけています。
複雑化したケースも安心してお任せください
これまでに手がけた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。
印象に残っている案件として、大地主の方の相続案件があります。この事件は、相続財産として30筆以上の不動産があり、相続人7人が3分裂して争った案件でした。相続人の1人から相談を受けて受任し、足かけ5年かけて解決に至りました。相談を受けた時点でかなり複雑な状況だったため、私が自ら担当しました。
争点になったのは、誰がどの不動産を取得するかです。希望がかぶるところもあれば、逆に誰もほしがらないところもあり、調整が難航しました。他の相続人にも代理人がつき、弁護士同士でも折衝を重ねましたが、それでも解決までには時間がかかりました。
最終的には裁判官が和解案を提示し、対立していた当事者の疲弊もピークに達していたため、その案を受け入れる形で解決しました。
この案件は、調停で話がまとまらず、一度審判に移行したのですが、裁判官の交代を経て再び調停手続きに戻るという珍しい流れをたどりました。相続に慣れている弁護士でなければ対応できなかったと思います。私としても、このような流れの相続案件を手がけたのは初めてでしたが、これまで積み重ねてきた知見を駆使し、税理士の先生の協力も得ながら、粘り強く取り組みました。
長期にわたる闘いになりましたが、依頼者に納得していただける結果につなぐことができました。感謝の言葉をいただいたことが嬉しく、印象に残っています。
相続のトラブルを抱えて、弁護士への相談を検討している方へメッセージをお願いします。
相続問題は複雑化するケースが少なくありません。財産の規模が大きかったり、不動産が多い場合は特に、経験が求められる分野だと思います。相続に慣れていない弁護士や若手の弁護士が取り組むにはハードルが高いケースもあると感じます。
その点、当事務所では、私がすべての案件を把握した上で適切に進行を管理しています。勤務弁護士に担当を任せる場合も、「こういう方針で対応してください」と指示し、各案件がどんな状況かを随時確認しています。弁護士歴30年の経験を活かし、全体の流れをしっかり見ながら進めるので、安心してお任せいただけるのが特徴です。
相続案件は、その特性上、慎重で的確な対応が求められます。一つひとつの案件に責任を持って取り組み、最善の解決を導けるように事務所一丸となって取り組みます。お困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。