依頼者の身になって考え、確かな見通しを示す。一人ひとりと徹底的に向き合い相続の悩みを解決
青森県十和田市「弁護士法人青空と大地」の橋本明広弁護士にインタビューを行いました。依頼者の立場になって丁寧に話を聞き、共感することを大切にしている橋本弁護士。問題を法的に整理し、解決への的確な道筋を立て、「言うべきことは言う」という姿勢を貫き、依頼者の利益実現のために尽力します。事務所の理念や強み、相続について弁護士に相談するメリットなどを詳しく聞きました。(青森県弁護士会所属)
インタビュー
親身な対応で依頼者をサポート
十和田で法律事務所を開設した経緯を教えてください。
弁護士になる前は一般企業に勤めて営業や法務の仕事をしていました。20代後半になってから「世のため・人のために尽くす仕事をしたい」との思いで弁護士を志し、様々な仕事を経験しながら今に至ります。
2008年に弁護士登録し、最初に仙台市のやまびこ基金法律事務所で経験を積みました。困っている人たちのために本気で頑張る、周りにいる素晴らしい先生方から多くのことを学びました。2010年、青森県上北地方の弁護士過疎解消を目指す十和田ひまわり基金法律事務所の四代目所長弁護士として赴任しました。
2014年には事務所を引き継ぐ形で今の事務所を設立し、現在は十和田市と三沢市に事務所を構えています。任期を終えてもこの地で活動を続けることを決めたのは、地域の方々の穏やかで優しい人柄に魅力を感じたからです。住環境の良さも十和田の魅力ですね。
一言でいうと、どんな事務所ですか?
「依頼者本人の身になって考える」事務所です。
そもそも依頼者がこれまで歩んできた道は、誰一人同じものではありません。抱えている問題も環境も状況も人それぞれです。本人の身になって考え、本人が納得できる問題解決を目指していきたいと考えています。
私たち弁護士の仕事は法律の世界における専門職です。専門職にしかわからない言葉や考え方がいろいろあるので、依頼者が理解しやすいようにわかりやすく伝えることを心掛けています。
弁護士として大切にしていることは何ですか?
依頼者の立場に思いを巡らせ共感することです。法律的には重要ではないと思われることでも、依頼者にとっては重要ということもあります。裁判所にとっては「多くの事件の中の一つ」であっても、依頼者にとっては「人生をかけて相談しているたった一つの事件」であることを忘れてはならないと思います。まずは依頼者の話を、その人の人生の物語として受け止め、その後で法的な問題を整理していく姿勢を大切にしています。
新人弁護士だったころ、先輩から「依頼者に感情移入するだけでは何も解決しない。依頼者の現在の状況や今に至る過程を想像し共感すること、その上で専門家として冷静な態度で事件に向き合うこと」を教わりました。依頼者の立場と冷静で客観的な第三者的立場のバランスを取りながら、一つひとつの事件に真摯に向き合い解決に導いていくことが大事だと思います。
話をじっくりと聞いて確かな見通しを示す
相続分野に注力する理由を教えてください。
高齢化社会の進展に伴い相続の相談が増え、自然と注力するようになりました。特に地方では、兄弟姉妹が県外に出て疎遠になるなど、家族関係が希薄化しているケースも見られます。そのため、以前なら近くにいるので顔を合わせて話し合いで合意できた問題も、遠方にいて互いの顔が見えないために解決が難しくなったりしています。
また、時代の移り変わりとともに相続に対する考え方も変化してきました。以前は長男が相続するのが当たり前という考えもありましたが、現在は平等な相続を求める意識が高まっています。こうした価値観の変化も、相続問題が複雑化する要因の一つです。
相続問題に対応するうえで、心がけていることはありますか?
まずは依頼者の話をしっかりと聞くことを心がけています。話を聞く中で、最終的な解決の方向性が見えてきます。
そもそも相続は、被相続人が残した財産をどう分けるかという話です。例えば、ある不動産を誰が取得するかという場合、その不動産を一番必要としている人、関わりの深い人など、おおよその見通しを立てるところから始めます。その見通しをもとに、依頼者の希望をできるだけ実現できるよう調整していきます。
各人が単に希望を述べ合うだけでは解決は難しく、誰かがある程度の方向性を示さなければ話が先に進まないことが多々あります。その上で、各人の意見を聞きながら、より良い解決を目指していくことが重要です。
依頼者のために徹底的に取り組む
相続問題における対応方針を教えてください。
「言うべきことは言う」という姿勢を貫き、依頼者の立場に立って主張を行います。特に裁判所に対しては、依頼者の利益を守るため、必要と思えば、遠慮なくこちらの意向を伝えています。そのためか、裁判所では、私について「期日に裁判所に来ると緊張する」と言われているそうです(苦笑)。
裁判所は必ずしも依頼者の立場で「良きに計らって」くれるわけではありません。依頼者の実情を理解してもらうためには、こちらから積極的に発信していく必要があります。実際、私の意見を聞いて裁判所で考え直してもらうことも多々あります。
遺産分割では「自分の利益だけを追求する」という姿勢では、なかなか成果が得られないでしょう。依頼者の利益を全力で守ることが大事なのはいうまでもありませんが、自分の利益ばかり主張していたら、まとまる話もまとまりません。相手の利益も考慮して適正・妥当な解決を目指すことが、本当の意味で依頼者の利益につながると実感しています。
事務所の強みは何ですか?
弁護士として15年以上、民間企業で10年以上の実務経験、司法書士・宅地建物取引主任者の資格保持者としての知識を活かし、全体の見通しを立て、合意後の手続まで見据えた適切な提案をすることを得意としています。また十和田・三沢で15年以上活動してきた経験から、地域特有の課題も把握しており、地域の実情にも配慮した対応を心掛けています。
初回相談では、都合がつけば複数の弁護士でお話をお聞きし、それぞれの見立てを踏まえた適切な解決策を検討・提案しています。また、依頼者の都合に合わせて時間外での相談の調整も行っています。
相続問題を弁護士に相談するメリットは何ですか?
「早く、適正な解決ができること」が最大のメリットです。逆に、相談せずに解決しようとすると、「時間ばかりかかってなかなか進まない」「適正な解決につながらない」ことが多々あります。
最近手がけたものでは、依頼者が1年近く調停を続けても全く進展がなかった事件で、私が依頼を受けた後、2回の調停で話がまとまり解決したケースがありました。ほかには、相続税の納付期限が迫っていた事件で、それまで当事者間で全く協議が進んでおらず、依頼を受けた後、私から相手方に対して具体的な提案をして早期に協議をまとめ、期限に間に合わせることができたというケースもありました。
このような解決ができた理由は、全体を見渡して、事後処理まで踏まえた双方受け入れ可能な案を早期に示すことができたからです。双方検討に値する提案がないまま話し合いを重ねても時間ばかりかかって話が先に進みません。当事者同士で話し合って解決できればいいのですが、それが難しい事案では、知識と経験のある弁護士が見通しを立てて具体的な提案をする、その上で当事者の意見を聞きながらよりよい解決を目指すことが重要です。
どのような悩みも安心してご相談ください
相続問題でお悩みの方へメッセージをお願いします。
まずは相談してみてください。相談の段階で「何に悩んでいるのかわからない」「整理がついていない」という方も多いですが、話をする中で少しずつ頭の中が整理されていくこともあります。どんなことでも話していただければと思います。
相談したからといって、必ずその弁護士に依頼しなければならないわけではありません。最初に相談した弁護士の話で気になることがあれば別の弁護士に相談して、一番信頼できると思った弁護士に依頼されたらいいでしょう。法律相談だけなら「60分、1回きり」の付き合いです。お気軽にご相談ください。