弁護士法人名古屋法律事務所みどり事務所

出身地である名古屋市緑区で事務所開設

事務所を設立した経緯を教えてください。

当事務所の開設は2023年4月です。弁護士法人名古屋法律事務所の2か所目の支店として誕生しました。名古屋法律事務所は1982年4月に設立され、40年以上にわたり地域に根差した法律サービスを提供してきた、歴史ある事務所です。

私は弁護士登録をした2013年に名古屋法律事務所に入所しました。入所3年目に事務所のパートナーとなり、最初の6年間は名古屋駅にある本部事務所で勤務し、その後、港区のみなと事務所で3年間、支店経営にも携わりながら研鑽を積んだ後に、みどり事務所を開設しました。

出身地である緑区に法律事務所を開くことは、私にとって長年の目標の一つでした。事務所のある有松は、「有松絞り」などの伝統工芸や歴史ある町並みで知られています。そうした観光地に法律事務所を構えることは珍しい選択かもしれません。

事務所開設の4年前から「有松・鳴海絞会館」の会場をお借りして月1回の無料法律相談を開催していたのですが、毎月多くの方にご相談いただき、地域の方々の法的サービスへの高い需要があることを確信し、気軽に相談できる場所として地元に貢献したいという思いで、この事務所を開設しました。

事務所の理念を教えてください。

私が名古屋法律事務所に入所したのは、「敷居の低い、市民のためのかかりつけの法律事務所」という理念に深く共感したからです。私は、弁護士を志した頃から法的サービスへのアクセスのさらなる拡充を社会的な課題として考えてきました。みどり事務所は、そうした事務所理念や私の思いを形にするものにしていきたいと心がけています。

当事務所は「重要伝統的建造物群保存地区」の中にあり、古い町並みに溶け込むようにリフォームされた古民家をお借りしています。法律事務所というと堅いイメージで見られがちですが、気軽に立ち寄っていただける雰囲気づくりを心がけており、歴史ある町並みを通って事務所にお越しいただくと、ご相談者様や依頼者様には「気持ちが落ち着く」とご好評をいただいています。

相続分野に注力されている理由としてはどのような点がありますか。

事務所開設前に「有松・鳴海絞会館」で無料相談会を開催していたときから、相続に関するご相談が数多く寄せられており、この分野における支援の必要性を強く実感していました。

また、地域にはご高齢の方々も増え、今後さらに相続に関する問題で悩まれる方が増えていくことが予想されます。このような地域の特性を踏まえ、相続分野により一層注力し専門性を高めていきたいと考えています。

「すべて任せてしまえる」安心感を心がけて

どのような相談が寄せられますか。

相談の中で特に多いのは、遺言作成や遺産分割についてです。たとえば、ご自身の「終活」の一環として遺言作成を依頼される方がいらっしゃいます。また、ご家族の相続を考え、「どのように対応すれば良いのか」といった相談をされる方も少なくありません。

「相続の進め方がわからない」という漠然とした不安を抱えて来所される方も多いです。遺産分割で揉めているという紛争性のある案件もありますが、割合としては「今後に備えて早めに相談したい」という予防的な相談が多いです。

相続案件を扱う上で心がけていることはありますか。

最初のご相談時には、ご相談者様がどのような解決を望んでいるのかを、丁寧にうかがうようにしています。たとえば「自分の権利を徹底的に主張したい」というご依頼があれば、財産調査など必要な準備を徹底的に行い、依頼者様の利益を追求しご期待に応える解決を目指します。

一方で、相続は親族の問題であるため、「できるだけ穏便に済ませたい」とお考えになる依頼者様も少なくありません。そのような場合は、家族関係が悪化しないよう細心の注意を払いながら対応をします。

相手方となる他の相続人とのそれまでの関係性や、今後どのような関係を築いていきたいのかを把握することが、適切な対応を行う上で非常に重要だと考えています。

また、当事務所では、ワンストップでの問題解決を実現するため、税理士法人との提携や司法書士との協力体制を整えています。そのため、相続に関する税務や登記などの手続きについても、依頼者様が個別に専門家を探す必要がなく、一つの窓口で完結できる体制を整えています。

相続問題を弁護士に相談するメリットにはどのようなことがありますか。

最大のメリットは、精神的な負担が軽減されることです。相続に関する手続きをすべて自分で行わなければならないという重圧や、相手方と直接話し合わなければならないというストレスは、想像以上に大きなものです。特に相手方との関係が既に悪化している場合は、その精神的負担は計り知れません。

そのような状況に弁護士が介入することで、依頼者の方々は「専門家が適切に対応してくれている」という安心感を持って相続手続きに臨むことができます。

特に相手方との交渉場面では、弁護士の存在意義が大きいと感じます。相続は親族間の問題であるゆえに、「できれば揉めたくない」というケースが少なくありません。

赤の他人ではなく、身内である親族と対立しなければならない状況は、誰にとっても心理的負担となります。この負担を軽減することこそ、私たち弁護士の重要な役割の一つだと考えています。

極端に言ってしまえば、何から何まで「すべて任せてしまえる」ような安心感を皆様にご提供できればと思っています。

地域に密着して相続問題の解決をサポート

相続案件における事務所の強みや特徴を教えてください。

当事務所の最大の特徴は、40年以上にわたる歴史と、それを支える経験豊富な弁護士たちの存在です。ベテラン弁護士から若手まで、幅広い世代が在籍しており、それぞれが労働問題や離婚、家事事件など多様な分野に精通しています。

幅広い専門性を持つ弁護士が集まっているため、案件が難しい場合でも、事務所内での知識共有や協力体制を活用し、依頼者に最適な解決策を提供できるのが大きな強みです。

また、当事務所は名古屋駅から近い場所に本部を構えつつ、郊外にも支店を展開することで、名古屋全域をカバーする体制を整えています。

さらに、他士業との連携体制も充実しています。提携している税理士や司法書士と協力することで、相続税の問題から登記手続きまで、ワンストップで対応可能な点は、依頼者様にとって大きなメリットになると考えています。

今後の展望について教えてください。

地域の皆様のニーズにより迅速かつ的確に対応するため、事務所の人員拡大を視野に入れています。弁護士を増やして事務所の体制をさらに強化し、より多くのご依頼に対応できる準備を進めていくことが、当面の重要な課題だと考えています。

私は緑区で生まれ育ち、40年以上この地域で生活してきました。緑区やその周辺の市区を生活圏として土地勘を得たことや、地域の出来事を見聞きしてきたことなどは、地域密着型の事務所として大きな強みだと思っています。こうした地元の知見を最大限活かしながら、地域の皆さんにとって身近で頼れる存在であり続けたいと考えています。

最後に、相続問題を抱えている方へメッセージをお願いします。

まずは気軽にご相談いただきたいと思います。当事務所は敷居の低い雰囲気作りを心がけていますので、相続が実際に発生する前の将来的な不安や心配事でも、お気軽にご相談ください。きっと安心していただけると確信しています。

人生で一度は誰もが直面する可能性がある相続ですが、普段から法的トラブルに慣れていない方にとって、日々の仕事や家庭生活と並行して取り組むのは、非常に大きな負担となります。ご自身で抱え込まずに「すべて弁護士に任せてしまおう」くらいの気持ちで、ご相談いただければと思います。

精神的・肉体的な負担を少しでも軽くし、安心して相続問題を乗り越えられるよう全力でサポートします。まずはお気軽にお声がけください。