相続弁護士 ドットコム
長井法律事務所(東京都渋谷区)

長井法律事務所

所在地
東京都 渋谷区南平台町16-28 Daiwa渋谷スクエア6階

相続の落とし穴から依頼者を守る。個別の事情を踏まえて柔軟に対応し、ベストな解決を目指します

長井 康人長井法律事務所
相続の落とし穴から依頼者を守る。個別の事情を踏まえて柔軟に対応し、ベストな解決を目指します

渋谷駅から徒歩圏内の好立地に「長井法律事務所」(東京都渋谷区)を構える長井康人弁護士に、相続分野への取り組みについて聞きました。相続には思わぬ落とし穴があり、個人で対応すると不利益を被ることがあると話す長井弁護士。少しでも不安に思うことがあれば相談だけでもしてほしいと呼びかけます。落とし穴の具体例や弁護士に相談するメリット、印象深い案件などを詳しく話していただきました。

インタビュー

正しい知識を伝えて、トラブルのない相続を

事務所設立の経緯について教えてください。

法学部に進学後、「せっかく法律を学んだのだから、知識を活かして人の役に立てる仕事がしたい」と思い、弁護士を志しました。2015年に弁護士になり、都内の事務所に入所して半年ほど勤務したのち、静岡に転勤となり4年間働きました。

その後東京に戻って他の事務所で働いていたのですが、自分がメインで担当する事件が増えてきたため、独立するにはいいタイミングだと考え、2023年に「長井法律事務所」を開設しました。

事務所の理念や、大切にしていることを教えてください。

事件はそれぞれ違いますし、依頼者の方にはそれぞれ「こうしたい」という思いがあります。一人ひとりの思いに寄り添って実現したいことを伺い、そのときにできる最大限の解決を目指したいと考えています。

相続案件に注力している理由を教えてください。

相談数が多いというのもありますが、相続案件には一般の方が気づかないような落とし穴が潜んでいるので、リスク回避の面でお役に立ちたいという思いがあることも、注力する理由の一つです。

よくあるケースが、相続放棄に関する勘違いです。例えば父親、母親、子ども2人という家族がいるとして、父親が亡くなった場合、子どもが「すべての財産を母に相続させたい」と考え、相続放棄をしようとすることがあります。

父親が一人っ子なら、子どもが相続放棄をすれば母親が全ての財産を相続できます。ところが、父親に兄弟がいる場合、子どもが相続放棄をすると、母親とともに父親の兄弟も相続人になってしまいます。これは、相続放棄をした人は「はじめから相続人ではなかった」という扱いになり、次の順位の相続人に相続する権利が移るという法律のルールによるものです。

父親の兄弟が協力的で、母親が全財産を相続することに同意してくれれば問題はありません。しかしそうでない場合、家族内で引き継ぐつもりだった財産が、父親の兄弟という、言ってみれば「よその家」に渡ってしまうことになります。財産の取り分をめぐって母親と兄弟の間で争いになる可能性も考えられます。

法律のルールを知らないことで、不利益を被るリスクがあるのですね。

そうですね。このようなケースで母親に全財産を相続させるには、わざわざ相続放棄をする必要はありません。母親と子ども2人が遺産分割協議をおこない、「母親に全財産を相続させる」という旨の協議書を作成すればこと足ります。

相続放棄をする前に相談していただければ、「亡くなられたお父様のご兄弟にも財産が渡ってしまうので、放棄はしない方がいいですよ」と注意喚起し、適切な対応をアドバイスできます。相続に関する正しい法律知識を伝えることで、思わぬ落とし穴にはまってしまう方を1人でも減らせればと考えています。

長井法律事務所_ビル外観

依頼者の気持ちを受け止めて、希望を実現するために尽力します

相続についてよくある相談内容を教えてください。

遺言作成など生前対策の相談もありますし、相続が発生してから「どういうふうに財産を分ければいいのか」など遺産分割について相談に来る方もいます。割合は半々くらいです。

相続案件を手がける上で心がけていることはありますか。

相続案件は家族間の問題なので、背景に、何十年にもわたる当事者の方同士の歴史や、お互いへの感情、財産に対する思い入れなどが絡み合っています。依頼者の話を丁寧に聞いて、どのような解決を希望しているのか、相手方にどういう想いを抱いているのか、といった事情を把握し、意向に沿う形で対応することを大切にしています。

また、これまで培ってきた知見を活かし、依頼者の希望を実現するための方法を柔軟に考えることも心がけています。

例えば、相続人が3人いるとして、依頼者が、法定相続分を超える評価をされた不動産に対して「どうしても取得したい」と思っているけれど、土地を買い取る十分なお金を持っていないとします。

この場合はまず、依頼者が不動産を取得する代わりに相手方に他の財産を譲るなどして、うまく分割できないかを考えます。他にも、相手方に分割での支払いを提案し、不動産の取得を試みることもあります。

相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。

弁護士は「紛争解決の専門家」です。遺産分割の調停や審判、訴訟などを日々取り扱っていますので、ご相談いただければ、依頼者の状況を踏まえて的確な見通しを立てられます。「このままいくとどういう展開になりそうか」「トラブルを防ぐためにはどうすればよいか」といったことについて、具体的にアドバイスすることができます。

また、遺言を作成する際にも、紛争防止の観点からのアドバイスが可能です。

よくある要望が、相続人が複数人いて、そのうちの1人に全ての財産を相続させたいというものです。ただし、一定の相続人には遺留分(兄弟姉妹以外の相続人に認められている、最低限度の取り分)という権利があります。遺言の内容が他の相続人の遺留分を侵害している場合、相続発生後に相続人同士でトラブルになる可能性があります。

弁護士のアドバイスを受けることで、遺留分などのリスクに配慮し、円満に相続手続きを進められる遺言を作成できます。

長井法律事務所_相談室

落とし穴にはまらないために、些細なことでも気軽にご相談ください

事務所ならではの強みや、他の事務所との違いを教えてください。

できるだけ連絡が取りやすい体制を整えています。連絡手段は依頼者の希望に応じています。「メールよりもLINEの方が連絡しやすい」という声が多いことから、事務所の公式LINEアカウントも開設しました。

依頼者から連絡をいただいたときはなるべく早めにレスポンスするなど、迅速な対応も心がけています。

これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っている案件を教えてください。

父親と姉、母親と弟という派閥ができてしまっている家族があり、弟から「父が亡くなり、姉との間で遺産分割について揉めている」と相談を受けて受任しました。

父親が作成していた公正証書遺言は「姉にすべての財産を譲る」という内容で、母親と依頼者が姉に対して遺留分減殺請求を行う流れになりました。

しかし、手続きをしている間に、今度は母親の体調が悪化してしまいます。母親には私からアドバイスし、「弟にすべての財産を譲る」という内容の遺言書を作成してもらいました。こうすることで、母親が父親の財産に対して持っていた遺留分も依頼者が相続できるようにしたのです。

通常であれば、遺言を作成する際は遺留分に配慮します。しかし、このケースの場合はすでに派閥に別れて揉めていたことや、母親がいつ亡くなってもおかしくない状況だったことなど、イレギュラーな事情が重なっていました。全体を鑑みて、なるべく簡単に書くことができ、かつ依頼者にとって有利な状況を作るためには、これがベストな内容と考えました。

結局、父親の財産について遺留分減殺請求を行っている間に母親が亡くなり、依頼者からは母親の分と合わせた遺留分を、対立する姉からは姉の分の遺留分を請求し合う形となりました。

お互いが遺留分を請求するというややこしい状況になり、さらに、当事者間の対立も激しかったため、解決までには時間がかかりました。調停を申し立てて何度も話し合い、最終的には、全ての財産を売却してお金に換えて、法律で定められた割合で分け合う形で収束しました。

この案件を通して、相続は単に財産を分けるだけではなく、背後にある人間関係にも配慮して進めなければならないと改めて感じました。依頼者から「先生にお願いしたから何とかなりました。ありがとうございました」と感謝していただいたことも印象に残っています。

相続に関して、相談・依頼を検討している方へのメッセージをお願いします。

弁護士に相談することにハードルを感じる方もいますが、実際はそんなに敷居が高い存在ではありません。皆さんの悩みが良い解決につながるようサポートしますので、些細なことでも気軽に相談していただきたいと思っています。

相続には、一般の方が気づかない落とし穴がいくつもあります。はじめに申し上げた、母親に全財産を渡すために子どもが相続放棄をしてしまうケースもその一つです。弁護士に相談していれば気づけたことが、相談しなかったために見落としてしまい、その結果思わぬ不利益を被ることもあります。

そのような落とし穴にはまることを防ぐためにも、少しでも不安に思うことがあれば、ぜひ弁護士のアドバイスを受けていただくことをお勧めします。