丁寧な対話を大切に、意向に沿った解決を導く。生前対策から困難なトラブルの解決まで広く対応
香川県高松市丸の内で「猪川映法律事務所」を経営する猪川映弁護士(香川県弁護士会所属)に、遺産相続案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みなどを聞きました。お金では解決できない感情的な問題の解消も含めて、親身にサポートしたいと話す猪川弁護士。丁寧な対話を通して依頼者の想いや問題の核心を把握し、複雑な相続トラブルも解決に導きます。
インタビュー
経験を積んでも研鑽を怠らず、誠実な仕事を
これまでの経歴について教えてください。
出身は愛媛県で、大学卒業後は5年ほど民間企業で働いた後、一念発起して香川大学法科大学院(ロースクール)に通って2013年に弁護士になりました。そして高松市内の法律事務所に就職し、弁護士になって4年目に当事務所を開設しました。
独立前に勤めていた事務所では様々なことを学びました。今でも大切にしています。
どのようなことが印象に残っていますか。
たくさんありますが2つご紹介しますと、1つは、「先輩弁護士の仕事のやり方をそのままやろうとしない」ということです。先輩弁護士は、何年も弁護士として仕事をした上で今のやり方に辿り着いたわけなので、先輩弁護士のやり方を学ぶのは当然ですが、自分は自分なりに誠実にやりなさいということだと理解しています。
もう1つは、どれだけ経験を積んでも研鑽を怠らないということです。勤務していた事務所の所長弁護士はベテランの先生でしたが、常に新しい分野や法改正などの勉強をしていました。その姿を見て、自分も研鑽を怠ってはいけないと学ばせていただきました。
現在の事務所の理念や大切にしていることを教えてください。
社会人になってから今まで、誠実に仕事をすることをモットーにしています。
そのために、依頼者が納得できるサービスを提供し、トラブルの相手やその代理人弁護士、裁判官などとやり取りする際も節度をもって対応するといったことを実践しています。
納得いくまでとことん話し、お金では解決できない部分まで親身にサポート
どういった想いから、相続分野に注力しているのですか。
当事務所は、皆様の身近なお困り事を取り扱っています。そして相続は誰にでも起こりうる問題ですから、しっかり力を入れたいという想いです。これまでたくさんの相続案件を解決してきましたし、解決までに何年もかかるような難しい案件も多数経験していますので、大抵のケースには対応可能です。
依頼者とのコミュニケーションで心がけていることを教えてください。
納得してもらえるまでとことん話し合い、お金では解決できない部分も含めて親身にサポートすることを心がけています。
相手が何を考えているのか、自分が何を要求したらよいのか、弁護士や裁判所がなにをしてくれるのかなど、依頼者にとってはわからないことだらけです。ですからまずは、不安や疑問に思っていることを聴くことから始めています。
調停や裁判になれば法律用語や法律的な主張・反論が飛び交いますが、依頼者にその内容や裁判所の考えなどをわかりやすく説明していくと、次第に納得のいく方向性が見えてくるんです。そういったことを丁寧に行うことが、依頼者の満足度を高めることに繋がると思っています。
生前対策から相続発生後の揉め事まで、相続トラブル全般に対応
相続に関して、どういったご相談が多いですか。
遺産分割に関するご相談が多いです。たとえば調停の申立書が届いてどうすればよいかといったご相談や、相続人同士でもめているのでなんとかしてほしいといったご相談です。
遺言書を作成したいというご相談も多いです。遺言書の内容や目的がはっきりしている方もいらっしゃいますが、そもそも作ろうかどうか悩んでいる方も少なくありません。そういった場合は、作るかどうか、作るとすればどういう内容にするかということも含めてアドバイスさせていただきます。
遺産分割では、どういったことでもめやすいのですか。
もともと相続人同士の関係がよくなかったりして、感情の対立が原因でもめることが多いです。また遺産がたくさんある場合や、遺産の使い込みが疑われるような場合ももめやすいです。もちろん実際に使い込んでいる場合もありますが、被相続人の生活費や医療費にもある程度のお金が必要ですから、使い込みだと証明することは簡単ではありません。
相続案件を手がける上で心がけていることを教えてください。
まずは、何が問題になっているのか、しっかり話を聴いて把握することです。そこを把握せずに進めてしまうと、依頼者がこだわっている部分などがわからず、納得してもらえる解決に導くことはできません。
依頼者のご希望としては、もちろん1円でも多ければ多いほどよいと考える方が多いです。ただ、相手のある話ですから、いくら手に入るかはケースバイケースです。とはいえ依頼者なりに想定している金額というのはあるので、できるだけその金額に近づけることも当然ですが心がけています。
相続案件を手がける上で、強みだと感じる部分はどういったところですか。
私は、香川県弁護士会の高齢者障がい者委員会の副委員長、四国弁護士会連合会の障がい者委員会の委員長、日弁連障がい者委員会の委員などを務めているので、高齢者と関わることが多いんです。成年後見人の業務に多く取り組んでいます。そのため、高齢者に関する悩みや福祉行政などについて詳しいことは強みです。
また、弁護士としての経験年数も長くなり、色んな経験を積んだことで、今後どうなっていくかという見通しも立てやすくなりました。もちろん全て見通せる弁護士はいませんが、ある程度具体的なイメージはできます。それはやはり経験によるところが大きいですね。
蓄積した知識や経験を活かし、依頼者との信頼関係を築きながら解決に向かって進めていくことを大切にしています。
費用が心配な方もお気軽にご相談ください
早い段階で弁護士に相談するメリットと、相談が遅れてしまうデメリットを教えてください。
早くご相談いただければ、アドバイスを受けるだけで悩みごとが解決することもあります。逆に、相談せず自分で対応すると、なかなか解決せずに長期化したり、不利な方向に進んでしまうこともあります。そうならないように、できるだけ早く相談して、弁護士の意見を聞くことをお勧めします。
今まで、もっと早く相談してもらえればよかったのにと思ったことはありますか。
あります。たとえば、ご自身で調停を申し立てたものの、結局話がつかず不成立になって相談に来られた方もいらっしゃいました。もっと早くご相談いただいていれば、私が調停に対応して話し合いがうまく進んだかもしれないと思ったケースです。
ご自身で対応すると、資料の集め方や主張の展開の仕方など、わからないことが多く出てくると思います。適切な資料を準備し、主張すべきことをきちんと主張してご自身の利益を守るためにも、やはり弁護士に相談されたほうがよいです。
初回の相談はどのような流れで進むのですか。
まずはどういう遺産があるか、どういう相続人がいるか、話し合いの状況はどうかといったことを聞き取った上で、今後の方針について考えていくというのが基本的な流れです。
金銭的な余裕がない場合でも相談や依頼はできますか。
もちろんです。法テラスという公的機関の制度を使うことで、無料で法律相談を受けていただけます。また、ご依頼いただく場合も、法テラスが弁護士費用を立て替えてくれる制度もあります。いずれも一定の条件がありますが、条件を満たす方は結構多いです。利用を考えている方は、まず一度ご連絡いただければと思います。
法テラスを使わない場合も、依頼者の状況や事案に応じて費用は柔軟に対応しますので、ご安心ください。
相続について悩み、弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
親族間のトラブルを誰かに相談すること自体を恥ずかしいと思ったり、弁護士に依頼してまで闘うことに抵抗がある方は少なくないと思います。ですから、事を荒立てずに相手の言うとおりにしようと思う方もいらっしゃるでしょう。ただ、釈然とせずモヤモヤしているのであれば、一度弁護士に相談してみませんか。
相談したからといって、必ずしも依頼する必要はありません。まずは法律的にどういう主張ができるのか、相手の言っていることが正しいのかということを知って、そのうえでどうするか決めていただければよいのです。モヤモヤしたまま進めるのと、きちんと納得できる形で進めるのとでは、全く違いますよ。
弁護士と初めて接する方でも相談しやすいように、親身に対応いたします。身構えず、お気軽にお電話いただければと思います。