地域に根ざして30年。ベテランの経験と若手の柔軟さで相続トラブルの最適解を提案
埼玉県所沢市で「徳永法律事務所」を経営する徳永眞澄弁護士(埼玉弁護士会所属)に、遺産相続案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みなどを聞きました。検察官から弁護士に転身後、30年以上に渡り、所沢市に密着した活動を続ける徳永弁護士。事務所に所属する若手弁護士とともに多角的な視点でよりよい解決方法を探り、公平で円満な相続の実現をサポートします。
インタビュー
検察官から弁護士へ転身。30年以上所沢市で事務所を運営しています
これまでの経歴を教えてください。
出身は熊本で、早稲田大学法学部を卒業しました。司法試験合格後は、弁護士ではなく検察官として約7年働いていました。ただ、検察官は組織で動く仕事なので、もどかしい部分もあったんです。一方、弁護士は自分の責任のもと自由に物事を決められるところに魅力を感じ、1992年に弁護士に転身しました。
弁護士になってからは、埼玉県内の法律事務所で2年ほど勤務したのち、1994年に当事務所を開設しました。
長年弁護士は私一人だったのですが、現在は弁護士になった長男と二男とともに事務所を運営しています。
事務所として、どういったことを大切にされていますか。
依頼者の声を率直に聴いて、どうしたらよいか一緒に考えることです。
依頼者の声を聴くには、否定したり途中でさえぎったりせず、まずはじっと耳を傾けることが大事です。そうすることで依頼者が気持ちを整理できますし、本心に気づくことも多いです。
そのうえで考えうる選択肢とメリット・デメリットを説明し、依頼者に選んでいただくようにしています。私から「こうしたほうがよいです」「こうすべきです」と押し付けないように気をつけています。
先生がすごく依頼者に寄り添っていらっしゃる様子が伝わってきます。
そうですね。ただ、どの程度寄り添うかのバランスも大事です。寄り添いすぎてしまうと依頼者と一体化してしまって、弁護士まで感情的になったり視野が狭くなったりしかねません。依頼者の気持ちに寄り添い、共感することは欠かせませんが、一方で広い視野を持ち、プロとして解決へ導くことも忘れないように心がけています。
相続対策から事後のトラブル解決まで、相続の悩み全般に対応
相続についてよくある相談内容を教えてください。
遺産分割に関するご相談が多いです。たとえば父親が亡くなって、相続人として前妻の子と後妻の子がいて話し合いが難しい、親である被相続人の面倒を長年看てきた長男と実家を離れた二男の意見が対立している、誰が不動産を相続するか意見が対立しているなど、内容は様々です。
遺産分割の他、相続放棄の相談も多いですし、元気なうちに相続対策をしたいということで相談に来る方もいます。
相続対策と言うと、遺言書作成と税金対策を思い浮かべる方が多いと思いますが、家族信託や後見制度などもあります。それぞれメリット・デメリットがありますので、依頼者のご要望を踏まえて適切な方法を提案しています。
遺産分割について依頼した場合、どのように進んでいくのでしょうか。
遺産分割調停をするか、調停はせず話し合いで解決するか、主に2つの方法があります。どちらにするかは依頼者の希望にもよりますが、ある程度もめている場合は早めに調停を申し立てることが多いです。
というのも、私から他の相続人に話し合いをもちかけても、「敵側の弁護士」と見られてしまうわけですね。その状態で話し合っても決裂してしまうことが多々あり、そこから調停を申し立てると膨大な時間がかかります。経験上、早い段階で調停を申し立てたほうが結果的に早く終わる可能性が高いので、このような方針をとっています。
ベテランから若手まで3名の弁護士が所属し、最適な解決へ導きます
相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
依頼者の希望を実現できるよう最大限努力することはもちろんですが、公平という視点も大切にしています。
相続問題は親族間で生じるため、問題が解決した後も相手との関係は続きます。ですから過剰な要求や攻撃的な主張をすれば、相手との関係にヒビが入ってしまう可能性があります。仮にその場では依頼者の希望どおりになったとしても、長い目で見ればよい解決とは言えません。
そういった理由から、公平という視点は常に持っています。もちろん、相手が依頼者に対して不公平な要求をしている場合は、公平な解決のためにしっかり闘います。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
まず、弁護士が3名いることは強みです。複雑な案件や作業量が多い案件でもスピーディーに対応できますし、様々な視点から意見を出し合って、一番よい解決方法を考えることもできます。
また、私は弁護士として30年以上のキャリアがありますから、豊富な経験をもとに見通しを立てて解決方法を考えることができます。一方ほかの2名の弁護士は、最新の法改正や裁判例などに常にアンテナを張り、社会の様々な物事に対しても新しい視点を持っています。私が驚くような柔軟な解決方法を思いつくこともあり、事務所全体として非常によいバランスが取れていると思います。
また、30年以上所沢市で事務所を運営しておりますので、地元の税理士、司法書士、不動産業者などとのつながりもあり、必要に応じて連携したり、紹介したりすることもできます。
まずは、長年に渡る想いを全てお話ください
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
一番は、安心できることだと思います。今はインターネットで相続に関する情報を調べられますが、その情報が本当に正しいのか、自分のケースに当てはまるのかを判断するのは簡単ではありません。しかし弁護士に相談すれば、本人が置かれている状況を踏まえた正しいアドバイスを受けることができます。
また、話をすることで頭や気持ちの整理ができたり、不安や疑問が減ったりすることもメリットです。
早めに相談するメリットを教えてください。
たとえば遺産分割協議書にサインしてしまった後だと、まずやり直しはできません。そこまでいかなくても、話し合いをする中で認める必要がないことを認めてしまって不利な展開になったり、感情的な対立が激しくなったりすることも多いです。
そうなる前にご相談いただくことで、無用なトラブルを防止でき、問題解決のスピードも早まります。
初回相談までの流れを教えてください。
まずは電話かWebフォームから相談予約をお願いします。平日の相談が難しい場合は、土曜日の相談にも対応いたします。相談当日にお持ちいただきたいものも、予約時にお伝えします。
そのうえで予約当日に事務所までお越しいただき、担当弁護士が相談をうかがい、その場で今後の見通しなどをアドバイスします。
これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。
父親が亡くなって、長男、二男、三男が相続人というケースがありました。元々兄弟同士で話し合いをしていたのですが、その中で長男が、自分は家業を継いで無給で仕事をしてきたので、寄与分として遺産の4割をもらうと主張していたんです。寄与分というのは、遺産の維持・増加に特別の貢献をした人が、法定相続分以上に遺産を受け取れる権利です。ただ寄与分として4割渡すと、二男と三男はほとんど相続分がないわけですね。それはさすがに不公平だということで、二男と三男から私に依頼がありました。
最終的に遺産分割調停を申し立てて、4割という寄与分は過去の裁判例などから考えても到底認められないと主張しました。その結果、長男の寄与分は2割にとどまり、二男と三男もある程度の遺産を相続できました。依頼者としては、私に依頼した段階ではほとんど相続できないと思っていらっしゃったので、大変喜んでいただけたこともあり印象に残っています。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
長年に渡る色々な想いがあると思いますので、まずはその想いを全てお話ください。ご事情を踏まえて、お悩みを解決するための最もよい方法を提案します。ぜひお気軽にご相談ください。