2010年から天神で活動。それぞれの強みを持つ経験豊富な弁護士が相続問題を円満に解決
福岡県福岡市中央区にある「弁護士法人本江法律事務所」に所属する瀬戸山大雅弁護士(福岡県弁護士会所属)に、相続分野の取り組みについて聞きました。福岡市の中心部である天神に根ざし、日々寄せられる様々な困りごとの解決に取り組む同事務所。弁護士としての豊富なキャリアに加え、相続診断士や弁理士、公認会計士などの資格を持つ弁護士陣が、依頼者の気持ちに寄り添い、相続問題をベストな解決に導きます。
インタビュー
長期的な目線で、依頼者にとって最善の解決方法を提案
これまでの経歴を教えてください。
宮崎県出身で、2012年に公認会計士試験に合格、2016年に司法試験予備試験に合格、そして2017年に司法試験に合格して、2018年に弁護士になりました。
弁護士になってからは、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、大手監査法人の有限責任監査法人トーマツで勤務し、2024年に当事務所へ入所しました。
弁護士法人本江法律事務所は、どのような事務所ですか。
代表の本江嘉将弁護士が、2010年に福岡市の中心部である天神に開設し、2013年に法人化した法律事務所です。
私がこれまで勤めていた法律事務所と監査法人では、依頼者の大半が企業でした。もちろん法人との仕事にもやりがいを感じていましたが、個人のお困り事についても力になりたいという想いが強くなっていったんです。
宮崎出身ということもあり福岡市内の法律事務所に入りたいと思っていたところ、当事務所は長い歴史があり、個性豊かな弁護士が所属していて取り扱い分野も幅広いところに惹かれ、入所を決めました。
事務所として、どういったことを大切にしていますか。
筋の通っていないことはしない、間違ったことはしないということです。弁護士ですから、違法なことをしないのは当然です。それに加えて、たとえ適法であっても道義に反するようなことは決してしません。
また、長期的に見て、依頼者にとって最善の解決方法を考えることも大切にしています。案件が解決した後のことも見据えて、依頼者の希望通りに対応することがよいのか、別の選択肢の方がより幸せな未来につながるのかーー。依頼者と時間をかけて話し合い、方針を決めていきます。
依頼者とのコミュニケーションで心がけていることを教えてください。
淡々と対応するのではなく、依頼者の感情面に配慮することを心がけています。
企業相手の仕事は、感情よりも経済的な損得や合理性で判断することが多いです。一方、個人の場合は感情面も非常に大事です。弁護士やパラリーガル(弁護士業務を補助する事務職員)がメンタル心理カウンセラー資格を取得するなどして、依頼者の精神的な苦境に寄り添うようにしています。
遺産分割から遺言作成まで相続全般に対応
どのような想いで相続案件に取り組んでいらっしゃいますか。
親族間の問題ですから、できるだけ円満に解決したいと思っています。相続人同士で直接話し合うと、どうしても感情的になりがちです。その結果、決定的に関係が壊れてしまうこともあります。
しかし相続問題が解決した後も関係は続きますし、何かあったときに助け合える絆は残せることが理想だと思っています。ですから、もちろん言うべきことはしっかりと主張しますが、必要以上に攻撃的になったり不当な要求をしたりはせず、円満解決を目指しています。
相続についてよくある相談内容を教えてください。
遺産分割に関するご相談が多いです。たとえば、「他の相続人から遺産分割案を示されているが応じてよいのか」「他の相続人が法定相続分以上ほしいと主張して譲らない」「被相続人が遺してくれた不動産に住み続けたい」といったご相談です。
遺言書に関するご相談も承っています。遺言書を作りたいというご相談もありますし、被相続人が遺した遺言書に納得いかず、有効性を争いたいというケースもあります。
先生の事務所は天神の中心部にありますが、どういった方が相談に来られますか。
紹介を受けたという方もいらっしゃいますし、弁護士ドットコムやホームページをご覧いただいて相談に来られる方も多いです。
天神は交通の便がよいところなので、通勤途中に立ち寄りやすいということで選んでくださる方もいます。そしてなにより、長年続く事務所という信頼や実績を評価してくださる方が多いです。
3名の弁護士がそれぞれの強みを活かし、より良い解決を導く
相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
相続に関する法律が根本的に変わることは今のところありませんが、部分的な改正は行われていますし、日々新たな裁判例も出ています。今持っている知識だけで対応しようとせず、法的な論点や裁判例などを都度きちんと確認し、知識のアップデートを怠らないようにしています。
また専門的な話も多い分野なので、依頼者に説明するときはできるだけ専門用語は使わず、わかりやすい説明も心がけています。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
それぞれの強みを持つ、経験豊富な弁護士が所属しているところです。代表の本江弁護士は約20年の弁護士経験があり、メンタル心理カウンセラー、相続診断士などの資格も持っています。丸野弁護士は約10年の弁護士経験があり、弁理士資格も持っています。そして私は公認会計士の資格を持ち、大手法律事務所や大手監査法人での勤務経験があります。
相続では相続税を始めとする税金が関係することが多いです。本江弁護士や丸野弁護士の長年の経験に、私の税務に関する専門的知識を加えることで、依頼者にとってよりよい解決ができると考えています。
あなたに認められた権利や主張できることについて、丁寧にアドバイスします
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
法律上認められた権利などについて専門的なアドバイスを受けられることです。
多くの方は、相続に関する法律上のルールについて、あまりご存じないと思います。
たとえば相手に弁護士がついて遺産分割案を提案されたとき、自分に不利な内容になっていることに気づかず、「弁護士が言うのだからそういうものか」と思って応じてしまうこともあるでしょう。
また、特定の相続人が全て相続するという内容の遺言書があっても、最低限遺産を取得できる遺留分というものがあります。それを知らずに自分は全く相続できないと諦めてしまう方もいるかもしれません。
弁護士に相談することで、自分にどういう権利があり、相手方にどういうことを主張できるのかがわかります。知識がないために不利益を被るという事態を避けられるのは、弁護士に相談するメリットだと思います。
相談が遅れることによるデメリットを教えてください。
まず、相続の手続きの中には、遺留分侵害額請求(1年)や相続放棄(3ヶ月)など、法律上比較的短い期限が決まっているものがあります。相談が遅れて期限を過ぎてしまうと、本来できたはずのことができなくなるのは大きなデメリットです。
また、相続の手続きを後回しにしている間に相続人の誰かが他界してしまい、その配偶者や子どもにまで法定相続人の範囲が広がることもあります。そうなると協議が必要な人数が増えて、個人では手に負えない状況になることも考えられます。
これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものを教えてください。
相続人は兄弟3名で、三男の方からご依頼いただきました。依頼者の主張としては、兄2人は被相続人である母から事業資金の援助などを受けていて、残った遺産を均等にわけるのは不公平というものでした。ただ、援助を受けたことがわかる決定的な証拠がなく、兄自身も援助を否定していました。
調査を進める中で、母が日記をつけていたことがわかりました。しかもかなり具体的に、いつ、誰に、どういう理由でいくら渡したかが書いてあったのです。日記の内容が事実であると裏付ける証拠を集めて兄と交渉したところ、最終的には残った遺産は全て依頼者が相続するという解決ができました。
この交渉もかなり難しいもので、私が兄に直接会いに行き、こちらの主張に納得していただけるまで数時間にわたって話し合いました。日記という意外なものが解決のカギになったことや、相手方とじっくり話し合った結果、依頼者が望む解決につながったことなどから、印象に残っている案件です。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
弁護士に相談するのはハードルが高いと感じるかもしれませんが、少しでも気になることがあればお気軽にご相談ください。
明確に「この部分についてアドバイスがほしい」という場合もあれば、「そもそもなにが問題になっているかわからない」という場合もあるでしょう。どのようなことでも遠慮なく、一度お話を聞かせていただければと思います。まずは今の状況を整理し、解決に向けて何をすべきか一緒に考えていきましょう。