相続弁護士 ドットコム

松久保佐橋法律事務所

所在地
愛知県豊田市曙町1-18-1
初回相談料
3,300
/
30分まで
(税込)
電話受付中
9:00-18:00
050-5284-5366

相続争いが長引かないように、相続人同士に遺恨を残さず、互いが納得できる解決を目指す

松久保 公平松久保佐橋法律事務所

愛知県豊田市で「松久保佐橋法律事務所」を経営する松久保公平弁護士(愛知県弁護士会所属)に、相続案件に携わる上で心がけていることなどを伺いました。相続人同士の対立があっても、最終的には互いに納得し、譲り合える解決を目指していると語る松久保弁護士。相続について弁護士に相談・依頼するメリットについても詳しく聞きました。

インタビュー

地域に根ざし、世間話を交えながら、依頼者の話にじっくり耳を傾ける

事務所設立の経緯を教えてください。

弁護士になった頃から、いつかは独立したいという思いがありました。前の事務所で約6年間勤務し、弁護士としての経験を積む中で、独立する準備が整ったと感じたため、独立を決意しました。

事務所の理念や大切にしていることを教えてください。

地方の小規模な事務所なので、地域に根ざした活動を大切にしています。

そのため、他の弁護士があまり積極的に受けないような案件でも、なるべく対応するように心がけています。

依頼者の満足度を高めるために取り組んでいることを教えてください。

依頼者のお話をじっくりと伺うことを大切にしています。世間話を交えながら、リラックスした雰囲気でお話いただけるよう心がけています。

依頼者の話を聞く際には、まず法律の話は一旦置いておき、「どうしたいか」を中心に聞くことを重視しています。法律的な観点よりも、依頼者自身の希望や考えを引き出すことが大事だと思っています。

私の恩師がよく言っていたのですが、法律というのは時代に追いつかないことが多いです。現実に問題が発生してから、法律が改正されたり、裁判で解決されたりするまでには、何年もかかることがあります。

ですから、法律が常に正しいとは限りません。もちろん、法律に従うことは必要ですが、依頼者の感覚や意見も大切にするべきだと思っています。

そのため、こちらから法律的な答えを一方的に押し付けるのではなく、依頼者の話をしっかりと聞くようにしています。依頼者の感覚を尊重しつつ、「他の視点ではどんな考え方ができるでしょうか?」といった形で、依頼者と対話しながら話を進めることが多いです。

相続人間に遺恨を残さず、一度で終わらせる解決を目指す

相続案件に注力している理由を教えてください。

高齢化が進む現代社会では、相続問題は避けて通れない分野だと感じています。地域の弁護士として相続に関する相談を受ける機会が多く、知識や経験がないと適切な対応が難しい場面が多々あります。そのため、相続案件には積極的に取り組む必要があると考えています。

また、相続は単なる遺産の分配だけにとどまらず、さまざまな要素が絡み合っています。例えば、中小企業の経営問題が関わることもあり、一見シンプルな相続問題に見えても、実は複雑な背景を持つことが多いです。こうした多様な要素が関わる点にも関心を持っています。

相続について、よくある相談内容を教えてください。

遺産分割や相続放棄に関する相談が多いですね。成年後見に関する相談もよくあります。生前に成年被後見人だった方が亡くなると、相続の問題が発生します。

また、相続人の中に認知機能に問題がある方がいる場合、遺産分割協議を進めるために、その相続人の成年後見人を申し立てる必要があるケースもあります。

相続人の1人が行方不明で遺産分割ができないという相談もあります。戸籍や住民票を調べても所在がわからない場合には、不在者財産管理人を申し立て、その管理人が相続人の代理人として遺産分割を進めることになります。

また、相続が関わる他の分野の相談もあります。例えば、交通事故の相談では、被害者が亡くなった場合に相続の問題が絡んできます。

最近では、建物明渡しに関連した相続の相談も増えています。賃借人が亡くなり、相続人が見つからないために部屋の中に残された物を処分できないという相談がよくあります。

相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。

相続人同士に対立がある場合でも、最終的にはお互いが納得し、譲り合えるような解決を目指しています。勝ち負けにこだわらず、双方が気持ちよく終えられる形にすることを大切にしています。

また、大きな案件では税金の問題が重要になるため、税理士と必ず連携して進めるようにしています。

フットワーク軽く現地へ赴き、状況に応じて柔軟に対応

相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。

相続が揉めたときにどうなるかといった具体的なアドバイスができるのは、弁護士だけです。

例えば、相続税対策として有利な遺産の分け方であっても、法律的に揉める原因となる場合があります。具体的には、控除を受けるために配偶者や障害のある家族に多くの遺産を相続させる場合が考えられます。

このような分け方では、確かに税負担は軽減されますが、他の相続人の取り分が減る可能性があります。家族の仲がよければ問題なく調整できるかもしれませんが、もし関係が悪化した場合はどうなるかも考慮する必要があります。

こうした将来的なリスクに関するアドバイスができるのは、弁護士ならではだと思います。

早めに弁護士に相談した方がよい理由を教えてください。

早めの段階でできる最善の対策は、遺言を残しておくことです。遺言がしっかり残されていると、財産の分け方が明確になり、トラブルを防げることが多いです。

また、相続が始まってからは、相続税の申告期限である10か月というタイムリミットがあります。期限が迫ってから対処しようとしても間に合わないことがあるため、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

さらに、内容が不明な書類にサインしないように注意することも大切です。

相談のタイミングとしては、四十九日が終わった頃に一度ご相談に来ていただくのがよいと思います。

先生の事務所ならではの強みを教えてください。

地元の案件を中心に受けているので、必要があれば現地に伺うことも多いです。ご自宅の確認が必要な場合も、直接伺って対応することがあります。そういった意味で、地域に密着している点が当事務所の強みです。

また、小規模で運営しているため、柔軟に対応できるのも特徴です。大規模な事務所のように、金額が厳格に決まっているわけではなく、例えば遺産分割とは別の事件が発生した場合でも、費用がどんどん膨らむことがないように、案件の規模や内容に応じて費用面での調整も柔軟に行っています。

さらに、女性弁護士が在籍している点も特徴の一つです。女性弁護士をご希望の方には、ぜひご相談いただければと思います。

争いになる前の相談で、家族間の対立を防げる可能性もある

これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。

血の繋がっていない親の世話を長年していた子どもが、相続人に対して、今で言う「特別寄与料」を請求した案件が印象に残っています。

依頼者は父親の再婚相手である継母の世話を続け、亡くなるまで生活費などを負担していましたが、養子縁組をしていなかったため、継母の遺産を相続できず、実の娘である義理の姉が相続しました。

依頼者は、法律的には難しいと理解していましたが、義理の姉が取得した遺産の一部を「不当利得」として返還を求める訴訟を提起しました。少額ながらも義理の姉が支払う形で和解が成立し、依頼者も納得して案件を終えることができました。

法律的には難しい案件でしたが、依頼者の納得のいく結果を得られた案件として、印象に残っています。

相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

相続は家族の問題ですから、弁護士を頼らずに家庭内で解決できるのが一番だと思います。

とはいえ、どうしても譲れないことや解決が難しい問題が出てくることもあるかと思います。そのようなときに、少しでも解決の糸口を見つけるお手伝いができればと思います。

争いに発展する前の相談でも構いません。「法律的にはどうですか?」と気軽に質問していただき、その上で、家族で話し合いを進めることも大切です。法律の視点とご自身の感覚をすり合わせることで、家族間の対立を防げる可能性もあります。

まずはお気軽にご相談ください。