茨木あさひ法律事務所

地元関西で法律事務所を開設

事務所設立の経緯を教えてください。

私は元々関西の出身ですが、ロースクール卒業後に、興味があった東京で弁護士の経験を積みたいと思い、司法修習で東京へ行き、弁護士登録も東京で行いました。

東京の法律事務所で経験を積んだ後、地元に戻って法的サービスを提供したいという思いが強くなり、大学時代を過ごしたこの地で事務所を設立しました。

事務所の理念や大切にしていることを教えてください。

事務所の理念として、大きく2つ掲げています。

1つ目は「依頼者最優先主義」です。依頼者が実現したいことを常に考えながら職務を遂行するという姿勢を大切にしています。

例えば、「早く解決したい」と思う方もいれば、「時間がかかってもいいから納得のいく解決をしたい」と考える方もいます。その希望によって解決方法や交渉の進め方が大きく変わります。依頼者の思いに寄り添った解決ができるよう、丁寧に進めています。

2つ目は、結果だけでなく、プロセスにもこだわることです。弁護士が100人いれば、進め方や対応の仕方も100通りあります。だからこそ、結果に至るプロセスにおいても依頼者に満足していただけるよう、丁寧で納得感のある法的サービスを提供することを理念として掲げています。

豊富な経験を活かして相続問題に注力

相続案件に注力している理由を教えてください。

以前勤務していた法律事務所は、高齢者の多い地域にあったため、相続案件を多く扱っていました。その経験を活かして、相続に力を入れています。

相続は他の分野の案件と比べて、当事者の感情的対立が激しく、解決が難しい事案も少なくありません。ですが、そのような難しい問題を乗り越えて解決に至ったときには、依頼者に喜んでいただけることが多い分野でもあります。依頼者と一緒に喜びを分かち合える場面が多いことが、この分野に取り組む大きなやりがいの一つです。

相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。

依頼者とのコミュニケーションを大切にしています。特に、交渉の進捗や自分が進めている業務の状況をこまめに報告することを心がけています。

弁護士に依頼したからといって、すべてを任せきりにするのではなく、「結局これは自分自身の問題なんだ」という意識を持つことが大切だと考えています。こまめに状況を報告することで、依頼者が自分ごととして事件に向き合い、最終的に依頼者の満足にもつながるケースが多いと感じています。

また、遺産分割協議においては、交渉力が重要です。相手の立場にも配慮しつつ、納得してもらえるような資料や説明を提供するよう心がけています。

相手方の中には、弁護士を「敵」と感じる方もいますが、そこから、いかに相手方とも信頼関係を築いていけるかが大事です。最終的には相手方に、「あなたがそう言うのなら」とこちらの提案を受け入れてもらえる関係になることを目指して、対話をしています。

相続について弁護士に依頼するメリットを教えてください。

相続問題はお金に関わる部分が多いので、弁護士に依頼することで経済的に大きな利益を得られる可能性がある点は、大きなメリットです。

また、弁護士は相続に関する知識・経験が豊富ですし、多くの文献や判例も調査しながら案件を進めるため、依頼者の意向を法的な主張として最大限に反映することができます。その結果、依頼者が納得できる解決に繋がりやすい点もメリットです。

不動産が遺産に含まれる場合には、どのように分割するかで揉めたり、評価額をめぐってトラブルになったりする場合があります。弁護士に依頼すれば、個別の事情を踏まえて、適切な分割方法や評価額を提案してもらえます。

さらに、相手と揉めている場合、顔を合わせたり話をすること自体がストレスになることがあります。弁護士を通じて交渉を進めることで、そのような精神的な負担を軽減できるのも大きなメリットです。

早めに弁護士に相談した方がよい理由を教えてください。

遺産分割協議などの場合、早めに弁護士に相談することで、不利な状況を作り出してしまうリスクを回避できます。

交渉は何度もやり取りを重ねて合意に至るものです。その過程では、こちらの提示した条件を基に相手が譲歩し、さらに次の条件を話し合うといった積み重ねが進んでいきます。

法律の専門知識がないと、その積み重ねが自分にとって有利か不利かを正確に判断するのは難しくなります。結果として、途中で弁護士に相談した場合でも、すでに形成された状況を覆せないことがあるのです。

早い段階で弁護士に相談することで、不利な状況を未然に防ぎ、より有利な条件で交渉を進められる可能性が高まります。

遺産の多い案件でも依頼しやすいよう着手金を固定料金に

先生の事務所ならではの強みを教えてください。

交渉力には自信があります。以前の事務所でも相続案件を多く経験し、その中には相手方との粘り強いやりとりが必要な案件もあり、交渉力が磨かれました。経験を最大限に活かして、依頼者にとって利益のある結果を出せるよう活動しています。「遺産分割協議を有利に進めたい」「納得いく形で解決したい」と思われている方は、ぜひ当事務所にご依頼ください。きっと力になれると思います。

もう一つの強みは、弁護士費用が明確でわかりやすい点です。

当事務所では遺産分割の着手金を固定料金にしています。協議の場合は20万円、調停の場合は30万円と明確に設定しており、遺産の額に関わらず一定です。この料金体系により、依頼者に安心してご依頼いただける環境を整えています。

これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。

ある遺産分割に関する案件が印象に残っています。

依頼者は、生まれてからずっとお母さんと二人暮らしをしてきた方でした。お母さんが亡くなり相続手続きを進めるために戸籍を調べたところ、実はお母さんには別に2人の子ども、つまり依頼者にとっての兄がいることが判明しました。このことに驚いた依頼者から相談を受けました。

お母さんの遺産は約7000万円ほどありましたが、遺言書はなく、法定相続分通りだと3人の子どもで等分することになります。この場合、依頼者が受け取れるのは3分の1、約2300万円でした。しかし依頼者としては、「65年間母と二人三脚で暮らしてきたし、晩年は介護も一手に担い、付きっきりで世話をしたのに、遺産が3等分になるのは納得できない」という強い思いがありました。

そこで、依頼者の希望を踏まえて、兄2人と交渉を行いました。まずは手紙を送り、その後、電話でも状況を説明しました。依頼者がお母さんとどのように暮らし、どんな思いで介護をしてきたかを真摯に説明した上で、兄それぞれに500万円を支払う代わりに、残りの遺産を依頼者が全て取得する形にさせてほしいと提案しました。

また、この提案を受け入れることで兄が得られるメリット、例えば「早期解決」や「すぐに金銭を受け取れること」も具体的に示しました。最終的に兄は2人とも提案を快諾してくれました。

依頼者は法定相続分の2300万円ではなく、提案通りの6000万円を取得することができました。さらに、遺産分割協議書を取り交わす際には、依頼者の希望で兄弟3人が初めて顔を合わせ、お礼を述べる場を設けることも実現しました。交渉期間はわずか1か月ほどでした。

遺産の取得額が大きく、スピーディかつ円満に解決できた案件として印象に残っています。

相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

相続の問題は、適切に対処しないと大きな損失につながる可能性があります。弁護士からアドバイスを受けるだけでも、納得のいかない解決や不利な結果を避ける助けになるはずです。

相続について悩んでいたり、不安を感じたり、少しでも気になることがある場合は、早めに弁護士に相談し、適切な解決への道筋を見つけましょう。一人で抱え込まず、ぜひ気軽にご相談ください。