相続弁護士 ドットコム

岡田法律事務所

所在地
大分県 大分市城崎町2-1-5 城崎司法ビル6階603

遺言作成から紛争解決、登記、税務まで相続の悩みに広く対応。他士業とも連携し、納得の解決を導く

岡田 壮平岡田法律事務所

大分県大分市で「岡田法律事務所」を経営する岡田壮平弁護士(大分県弁護士会所属)に、相続案件を手がける上での心構えや事務所の強みを聞きました。依頼者が納得できる解決を実現するために、丁寧に話を聞くことや、なぜそうなるのかの根拠を示すことを大切にしている岡田弁護士。「解決への道筋が具体的にイメージできれば、不安が軽くなる」と話し、一人で悶々と悩むよりまず相談に来てほしいと呼びかけます。

インタビュー

時間をかけて丁寧に話を聞きます

事務所について教えてください。

2008年に弁護士になり、大分県で司法修習を受けて県内の事務所に入所しました。2019年に独立して現在の事務所を開設しました。

事務所として大切にしているのは、依頼者に納得していただける解決を探ることです。そのために、話をじっくり聞いて、何を望んで相談に来られたのかを正確に理解するように努めています。

相談の時間は基本的に1時間取っています。若手の頃によく、弁護士会や法テラスで法律相談を受けていたのですが、ほとんどが30分枠でした。30分で依頼者の話を聞いてアドバイスもするとなると、ちょっと短いんですよね。もう少し長めに時間を取る方が、依頼者の話をじっくり聞けて、かつアドバイスの時間も十分に確保できると考えたので、1時間に設定しています。

遺産分割の相談多数。遺言作成もお任せください

相続についてよくある相談を教えてください。

一番多いのは遺産分割に関することです。よくあるのは、家族が亡くなり、相続人同士で遺産の分け方を話し合ったけれどまとまらないという相談です。

もともと相続人同士の関係性がよくなく、話し合いを始める前に相談に来る方もいます。「こういう問題が起きそうだが、回避するためにできることはあるか」「なるべく揉めずに話し合うにはどうすればよいか」といった、事前にできることに関する相談です。

相続人同士でトラブルになる可能性がある場合は、あらかじめ弁護士のアドバイスを受けることをお勧めします。適切な進め方を把握した上で相続の手続きに着手することで、無用なトラブルを防止できます。

揉める原因として多いのは何でしょうか。

一つは遺産の評価の問題です。特に、遺産に不動産がある場合、評価方法が複数あり、どの方法で評価するかによって評価額が変わります。固定資産税で見るのか、路線価で見るのか、お金をかけてでも不動産鑑定をするのかというふうに、評価の仕方をめぐって相続人同士で揉めることがよくあります。

一番正確に評価できるのは不動産鑑定ですが、それなりにお金がかかります。不動産以外の預貯金や株なども含めた遺産の総額から考えて、費用を支払って鑑定することが依頼者の利益になるかはケースバイケースです。全体における費用対効果を考慮して、適切な評価方法をご提案します。私の経験上、費用の問題があるので、鑑定まではしないケースがほとんどです。

他に問題になりやすいのは、使途不明金がある場合です。典型的なのは、被相続人の口座からお金が引き出された形跡があるが、誰が何のために引き出したのかがわからないケースです。被相続人と同居して財産管理を行っていた相続人に対して、「自分のために使い込んだのではないか」と疑いの目が向けられることがよくあります。

使途不明金について相談を受けた場合は、銀行の取引履歴を数年分取り寄せて、出金の額や出金した人を精査し、被相続人の生活状況からして不自然な出金がないかをチェックしていきます。併せて、「誰がどのように被相続人の財産を管理していたか」「被相続人の判断能力がどの程度だったか」「被相続人が施設や病院に入っていたか、自宅で生活していたか」といったことも調べます。

たとえば、被相続人が重度の認知症で判断能力がかなり低下していたのに、高額な出金の履歴があったとすると、同居していた相続人による使い込みの疑いが出てきます。お金の流れとともに、被相続人を取り巻く状況も入念に調査して、使い込みが事実かどうかを探っていきます。

遺言書作成の相談もありますか。

はい。相続発生後に相続人同士で揉めることを防ぐには、やはり、遺言を書いておくことが重要です。

特に、会社を経営している方はぜひ遺言を書いていただきたいです。遺言がない場合、ご自身が亡くなった後に、「誰が会社を引き継ぐか」「会社の株をどうするか」といったことで家族が揉める可能性があります。

遺言は自分でも作れますが、書き方に不備があって無効になったり、遺留分をカバーできていないためにかえってトラブルの原因になったりするケースもあります。法的な要件をクリアして、内容面でも紛争予防につながる遺言書を作るために、弁護士のアドバイスを受けることをお勧めします。

根拠を丁寧に説明し、納得の解決を目指します

相続の案件を手がける上で心がけていることを教えてください。

不動産の評価額や財産の分け方について、なぜそうなるのか根拠を丁寧に説明することです。当事務所の理念である、依頼者に納得していただける解決を実現するために欠かせないことだと考えています。

また、依頼者が望んでいることのうち、法律上、実現できないことがあればその旨をきちんと伝えます。その際も、なぜできないのか根拠を示した上で、「A案は難しいですが、B、C案はどうでしょう」というふうに、今後の方向性を依頼者と一緒に考えていきます。

相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。

相談に来ていただくことで、解決の方向性や事前に取りうる手段をご提案できます。どうしたらいいのかわからず、漠然とした不安を抱えている状態からは抜け出せると思います。

相談だけで解決するケースもありますが、感情的な対立が激しく、当事者間で話し合うことが難しい場合は、弁護士に依頼するメリットがあります。当事者の間に入って、法律のルールに基づき、建設的な話し合いができるようにサポートします。相手方から一方的な内容の分割案を提示されたとしても、法律的な根拠を示して反論し、依頼者の権利を守ります。

単純に法定相続分で分けるのではなく、寄与分や特別受益のような問題が絡んでくる場合も、弁護士に依頼することをお勧めします。法律上の要件を満たすのかどうか、満たしているとしたら金額はいくらぐらいと評価すべきか、といったことを当事者で判断するのは難しく、弁護士のサポートが必要だと思います。

弁護士にはいつ相談すべきでしょうか。

ベストなのは相続が発生する前です。遺言書を作っておけば、取り分などをめぐって相続人同士でトラブルになることを防止できます。同居の家族による生前の使い込みが心配であれば、後見人をつけて預貯金を管理してもらうことで、財産の流出を防げます。

すでに相続が発生している場合は、「何かおかしい」「これでいいのかな」と思ったらすぐに相談していただきたいです。相談のタイミングが早いほど取りうる手段が多く、複数の手段を組み合わせることもできます。逆に、時間が経つほど手段が少なくなる可能性があり、依頼者が希望する形での解決が難しくなるかもしれません。

使い込み問題のように、関係者の記憶や証拠が解決のポイントになるケースは特に、早めの相談をお勧めします。時間の経過とともに記憶は薄れていきますし、取引履歴を遡って取得できる期間にも限りがあります。解決に必要な情報が少なくなるほど解決が難しくなるので、早い段階で一度ご相談ください。

解決の道筋を示し、不安を軽くします

事務所ならではの強みや他の事務所との違いを教えてください。

弁護士として15年以上活動し、様々な相続案件を手がけてきました。積み重ねてきた知見を活かして問題解決に取り組めることは一つの強みです。

また、弁護士以外の専門職とのネットワークも築いています。懇意にしている司法書士の先生や税理士の先生と協力して、登記や相続税の手続きにも対応可能です。皆さん、フットワーク軽く、スピーディーに対応してくださいます。相続に関するどのようなお悩みも、安心して当事務所にお任せください。

印象に残っている案件はありますか。

相続人の数が多い案件は大変ですが、そのぶん印象に残ります。

明治時代から名義が変わっていない土地の問題を依頼されたときは、相続人を確定するだけで半年くらいかかりました。戸籍を取っては読み解いて、さらに別の戸籍を取り寄せて…という作業を繰り返して、最終的な相続人の数は20人以上にのぼりました。確定した上で連絡を取ったのですが、中には外国に住んでいる方もいて、日本にいるご兄弟を通じて連絡していただいたりしました。

解決するまでには時間がかかりましたが、依頼者にとても感謝されて嬉しかったですね。ここまで相続人が増えると個人では対応しきれないので、弁護士のサポートを受ける意義は大きいと思います。

相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

どうすればよいかわからず、1人で悶々と悩んでいる時間は辛いものです。相談していただければ、一定の解決の道筋をお示しできます。解決のためにすべきことが具体的にイメージできれば、今よりも不安が軽くなるでしょう。ご自身だけで抱え込まず、お気軽にご相談ください。