30年以上のキャリアで培った知見が強み。個別の事情に応じた柔軟な対応で、公平な相続を実現
東京都港区にある「碑総合法律事務所」の大野康博弁護士(東京弁護士会所属)に、注力する相続分野について聞きました。弁護士として、そして調停委員としても長年の経験があり、豊富な知見を活かして遺言無効や使い込みなどの案件にも取り組む大野弁護士。依頼者の話をよく聞き、個別の状況を踏まえて柔軟な解決策を提示したいと話します。相続について弁護士に相談するメリットや事務所の強みなども聞きました。
インタビュー
全ての案件に全力で対応。丁寧な説明・報告も大切にしています
どのような事務所ですか。
1993年に弁護士登録し、2006年に設立しました。当事務所の理念は、どのような案件に対しても決して手を抜かず、全力を尽くすことです。常に期待を超える対応を心がけて、依頼者との信頼関係を築き、最善の結果を出すことが私の使命だと考えています。
そのために、必要な調査や準備を惜しみません。相続の場合、不動産が絡むケースは遠方であってもなるべく現地に行き、どのような土地、建物なのかを自分の目で見て確認するようにしています。現場に行って初めて、問題解決の道筋が見えることも少なくありません。
依頼者の満足度を高めるために、どのようなことをおこなっていますか。
事件の争点や解決に向けた進め方について、丁寧に説明することです。口頭で伝えるだけではなくメモも作成し、依頼者が後から見返せるようにしています。受任後は、案件の進捗状況や調停の結果などを報告書にまとめて共有し、現在の状況を正確に理解してもらえるように努めています。
遺言無効など複雑な案件も解決してきました
相続案件に注力している理由を教えてください。
2002年から家庭裁判所の調停委員を務めていて、その中で得た知見を活かせることが大きいです。現在も継続し、これまでに20年以上の経験があります。調停委員は裁判所によって選任され、弁護士や医師などの専門職が就くことが多いです。公平中立な立場で当事者双方の話を聞き、妥当な解決策を提案したり、ときには説得を試みたりして、紛争の解決をはかります。
調停委員は自分で案件を選べず、裁判所からの依頼を受けて対応します。20年以上にわたって様々なケースを経験したことで、見通しの精度が上がり、解決の引き出しも増えました。これまで蓄積した知見に基づき、依頼者に対して、今後予想される展開や適切な解決方法を提示することが可能です。
相続についてよくある相談内容を教えてください。
よくある相談の一つが、遺産分割をめぐるトラブルです。たとえば、相続発生後に被相続人の口座を確認したところ想定よりも残額が少なく、「一緒に住んでいた相続人が勝手に引き出したのでは」という疑いが生じて、弁護士に調査を依頼するケースです。
遺言無効についての相談もあります。たとえば、認知症を患っていた家族が亡くなった後に遺言書が見つかり、「書かれた内容通りに遺産を分けていいのか?」と疑問が生じるケースです。内容に不審な点があり、「誰かに無理やり書かされたのでは」と疑って相談に来る方もいます。
遺言無効の相談を受けた場合、どのように対応するのですか。
遺言が無効であると相続人間で合意できれば、法定相続分に基づいて遺産を分けることになります。話し合いで合意できなければ調停を申し立てて、それでも決着がつかなければ遺言無効確認の訴訟を起こして、裁判所に、遺言が有効か無効か、判断を求めます。
裁判で無効が認められるハードルは高く、特に公正証書遺言の場合は難しいケースが多いです。ただ、可能性がないわけではありません。
実際に私が手がけたケースでは、認知症で施設に入っていた母親の公正証書遺言について、裁判で無効が認められた事案があります。相続人は兄と妹で、遺言には、兄に全ての遺産を相続させる旨が記載されていました。内容を不審に思った妹から「母がこんな遺言を書くはずがない」と相談を受けて受任し、遺言無効確認の訴訟を提起しました。
医師のカルテなどの資料を集めて、遺言作成時の母親の認知症の症状を分析し、遺言作成能力がなかったことを主張・立証しました。また、母親は生前、兄にのみ財産を渡すことについて明確な意思表示をしておらず、そのような遺言を残す動機が不明であることなども踏まえて、裁判官に対し、遺言が無効であることを説得的に説明しました。
最終的には、遺言が作られた当時、母親に遺言作成能力がなかったとして、遺言が無効であるとの判決が下りました。遺産は法定相続分のルールに従い、兄と妹で2分の1ずつ分ける形になりました。
遺言を書いた人が認知症であれば、遺言は無効になるのですか。
必ずしもそうではありません。認知症の程度や、遺言が本人の意思に基づいて書かれたものかどうかなどの事情によって結論は変わります。
裁判で遺言無効を争うには、客観的な資料を収集・分析し、適切な法的主張を展開することが重要です。個人での対応が難しい問題ですので、弁護士のサポートを受けることをお勧めします。
不利益を被ることを防ぐために、早めにご相談ください
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
個別具体的な事情に応じたアドバイスを受けられることです。インターネットや書籍で得られる情報は一般論であることが多く、ご自身のケースにそのまま当てはめてよいとは限りません。弁護士に相談すれば、遺産の内容や相続人の関係性といった個別の事情を踏まえて、意向を実現するためにどうすればよいかを具体的にアドバイスしてもらえます。
また、相談だけではなく依頼もすれば、相続の手続きや相手方との交渉を任せられます。相続の手続きの中には、法律の知識が必要なものや、財産調査など手間も時間もかかるものがあります。個人で進めることが大変な手続きも、弁護士であれば正確かつ効率的に進めることができます。
さらに、相続人同士でトラブルになっている場合も、弁護士が間に入ることで感情的な対立を和らげ、公平な解決をはかることが可能です。
早めに相談するメリットを教えてください。
早めに相談するメリットは、遺産の使い込みなどの問題を未然に防げることです。使い込みでよくあるのが、親と同居して預金を管理している相続人が勝手にお金を引き出し、自分のために使ってしまった、というケースです。
家族による使い込みを防ぐためには、任意後見制度や信託を利用し、信頼できる第三者に財産管理を託すという方法があります。親が認知症などで判断能力が低下している場合は、成年後見の申し立てを行い、裁判所が選任した後見人に財産管理を任せることができます。早めに弁護士に相談し、適切な対策についてアドバイスを受けることで、使い込みのリスクが抑えられます。依頼をすれば、申し立てなどの手続きも弁護士に任せることが可能です。
また、遺産分割の話し合いを始める前に相談することで、相続に関する正しい法律知識や、スムーズに話し合いを進めるためのポイントを知ることもできます。特に、相続人同士の仲がよくなかったり、主張が激しい人がいたりすると、遺産の分け方について意見が食い違う可能性があります。トラブルを回避し円滑に手続きを進めるためには、あらかじめ弁護士に相談することをお勧めします。
相談が遅れることによるデメリットを教えてください。
すでに問題が発生してしまった後では、弁護士に相談したとしても、対処が難しい場合があります。たとえば、他の相続人から遺産分割協議書にサインを求められて応じてしまった場合、後から撤回するのは至難の業です。サインする前に弁護士に相談すれば、内容を十分に検討し、ご自身にとって不利な内容かどうか、サインしても問題ないか、といった点についてアドバイスを受けられます。
少しでも疑念がある場合は、ご自身の判断で行動を起こす前に、一度弁護士にご相談ください。
セカンドオピニオンも受け付けています
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
1993年に弁護士登録して以来、弁護士として、そして調停委員として、様々な相続案件に取り組んできました。その中で培った知見を問題解決に活かせることが強みです。法律を形式的に当てはめるのではなく、依頼者が置かれた状況や当事者の関係などを踏まえて柔軟に対応し、公平な解決をはかります。
当事務所ではセカンドオピニオンとして相談を受けることも多いです。他の事務所で断られた方から相談を受けて受任したり、前の弁護士がうまく進められなかった案件を引き継いだりすることもあります。
私自身、誰がやっても同じように対応できるケースではなく、複雑で、他の弁護士が諦めてしまうような案件に取り組むことにやりがいを感じます。問題解決の糸口を一緒に探していければと思いますので、一度ご相談ください。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続に関して、「おかしいな」と感じることがあれば、早めに弁護士に相談することをお勧めします。早めに相談することで、問題が大きくなる前に適切な対応ができます。第三者目線によるアドバイスを受けることで、問題解決の道筋が見えてくるかもしれません。一人で抱えず、気軽にお問い合わせいただければと思います。