最初から正直に話し、最後まで責任を持つ。依頼者ファーストの対応で相続問題を納得の解決へ
福岡県北九州市で「垣内法律事務所」を経営する垣内洋祐弁護士にインタビューを行いました。依頼者の利益を第一に考え、確かな見通しの提示や誠実な対応を心がけているという垣内弁護士。「依頼してよかった」と満足してもらえる結果を出すという理念のもと、依頼者が希望する解決の実現に向けて全力で対応されています。注力する相続分野について、よくある相談内容や事務所の強みを聞きました。(福岡県弁護士会所属)
インタビュー
依頼者の満足を第一に考える事務所
事務所設立の経緯を教えてください。
私は北九州市出身で、高校も地元の明治学園高等学校を卒業しました。その後上京しましたが、弁護士登録後は福岡に戻り、平成24年に地元で独立しました。
地域に密着した活動を続けて10年以上が経ちました。今後も、地元の方々に信頼してもらえる事務所であり続けられるよう、全ての案件に誠実に取り組んでいきます。
弁護士としてのモットーを教えてください。
「依頼してよかった」と満足していただける結果を出すことです。社会的使命感などという綺麗事ではなく、ご縁があった方、私を頼ってくれる方の力になりたい、それだけです。頼ってもらった以上、「弁護士に頼んでも頼まなくても同じだった」などという結果は絶対に避けたいと考えています。
もちろん弁護士もお医者さんや歯医者さんと同じ「人」ですから、相性の良し悪しはあると思います。中には特定の分野で権威ある専門医(弁護士)が必要な難しい手術(事件依頼)もありますが、日常的な悩みや相談なら話しやすい先生(弁護士)のほうがよいこともあるでしょう。相性が合い、依頼したいと思ってもらえたなら、あとは全力を尽くすのみです。
依頼者の満足度を高めるために、具体的にどのような取り組みをしていますか?
最初にお会いした段階で、弁護士に依頼する場合のメリットとデメリットを明確にお伝えします。解決方法とそれにかかる時間、手間、費用についても、しっかりとご説明します。また、依頼される方にもそうでない方にも、「まず何をすべきか」という具体的なアドバイスを提示するようにしています。
プロフェッショナルとして対応しているからこそ、依頼者のために一番良い方向へ進むよう、時には厳しいことも言います。また、できもしないことを約束したり、安請け合いしたりすることもありません。依頼者にとってよいこともそうでないことも明確に説明します。その上で、「弁護士に依頼するほうが得策だな」と納得された場合のみ、依頼していただくようにしています。
なぜなら、弁護士費用は決して安くないからです。弁護士に依頼するには数十万円単位のお金がかかり、それは依頼者にとって大きな買い物です。私も10万円の買い物をするときは高いと感じます。だからこそ、依頼者のためにならないことはしたくないのです。
相続における確かな実績と経験
相続について、どのような相談が多く寄せられますか。
もっとも多いのは、分け方について話し合いがまとまらないケースです。まとまらない原因としては、不動産をどうするかなどで意見が一致しない場合、一部の相続人が通帳などを管理していて遺産がどれだけあるか隠している場合、生前に金銭援助を受けるなどしていた相続人の取り分を減らしてほしい場合(特別受益)、逆に親の介護などをしていた分多めに財産がほしい場合(寄与分)、長男が全部相続するといった古い考え方の人がいて言うことを聞かない場合、など様々です。
それ以前に、連絡の取れない親族がいたり、兄弟仲が険悪で冷静に話ができないなどの理由から、そもそも話し合いすらできないというご相談もあります。そのような場合、まずは弁護士が相続人を探して連絡を取るところから始めることになります。
財産の使い込みに関するご相談も多いです。たとえば、認知症の親の通帳を管理していた兄が親の年金を自分のために使っている疑いがある、といったケースです。そのようなケースでは、遺産分割の話し合いでは解決できず、返還請求の訴訟(裁判)が必要になることもあります。
また、1人に全て相続させるなどの不公平な遺言についてのご相談もあります。そのようなケースでは、その遺言が有効かをまず検討し、たとえ有効でも最低限の遺産を取り返せないか(遺留分)を検討することになります。
以上のような相続が始まったあとの相談に比べると、生前対策に関する相談はまだまだ少ないのが現状です。ただ、トラブル防止のためには、やはり遺言を作っていただくのが理想的です。そのため、相続以外の相談で来られた方にも、ご本人の年齢や状況によっては、「相続対策を考えてみませんか」とお伝えしています。
相続の対応で心がけていることを教えてください。
できること・できないこと、そして今後の見通しを、最初にはっきり伝えることです。これまでの経験から、見通しを間違えると依頼者の不満が溜まってしまうと感じています。そのため、かかる時間やお金、主張が認められる可能性について、できる限り丁寧に説明するようにしています。
また相続は、話し合いで解決できない場合、裁判所の手続きである調停や審判に進みます。その手続きは調停委員や裁判官の立ち会いのもとで行われますが、調停委員や裁判官によって進め方には個性があります。
ときおり「自分が裁判所に行って本当のことを言えば、分かってくれるはず」と思っている方がいますが、裁判手続きはそんなに甘くはありません。自分の主張を認めてもらうには、言いたいことを上手く整理して伝え、相手や裁判所を説得する必要があります。
そのため、長年の経験を活かして、相手や裁判所の反応から向こうがどのように考えているかを分析、推理し、それに対して効果的な説得をすることを心がけています。
相続分野ならではの難しさはありますか?
まず、ご相談に様々なケースがあると言ったように、一口に相続といっても、様々な法律上の問題が出てきます。そのため、それらの法律を理解していることは当然として、個々の相談から、今回は何が問題となって何が必要になるかを正確に把握することが大事になってきます。
そのうえ相続の場面では、家族によって、相続人同士の関係性もそれぞれの個性も大きく異なります。そのため当事者が感情的になってしまうことも多く、理詰めで法律を当てはめるだけで解決するとは限らないところも難しい点です。
また相続事件では、感情的なもつれに加えて、そもそも当事者の数が多くなりやすいため、1人でも分からず屋がいると話がまとまらず、長期化しやすいという難点もあります。
一人事務所だからこそ、最後まで責任を持って対応
事務所の強みを教えてください。
一人事務所だからこそ、最初から最後まで責任を持って対応できることが最大の強みです。また相談予約の際にも、事務局が機械的に受付けるのではなく、来所いただく前に弁護士が電話で少し事情をお聞きして、ご自身ですぐにできる対応についてアドバイスすることもあります。
最初にお伝えしたとおり、高額な報酬をいただく以上、依頼者に損をさせるような仕事を無責任に引き受けることはしません。
依頼者の利益を第一に考えるからこそ、最初に良いことも悪いことも全て説明し、デメリットも包み隠さずお伝えします。
また当事務所の特徴として、反社会的勢力やクレーマー等による不当要求対策に力を入れてきました。そのため、相続人の中に暴力的な人物など話し合いの難しい人物が含まれる場合でも、適切な対応が可能です。
大手事務所との違いはどのような点にありますか?
弁護士が依頼者に対して最後まで責任を持てることが、個人事務所のよさだと考えています。
大手事務所では複数の弁護士がいることでマンパワーを活かせる面もありますが、どの弁護士が責任担当者かはっきりしない、担当弁護士が最後まで交代せず関わってくれるとは限らないなどのデメリットもあると思います。
個人事務所はマンパワーでは劣るかもしれませんが、私自身が最後まで責任を持って対応することが、依頼者のためになると信じています。
もちろん、依頼者の好みもありますので、ご自身に合う弁護士を選択していただければと思います。
地域密着型の事務所としての強みを教えてください。
税理士、司法書士、不動産屋など、地域の専門家との連携体制が整っています。長年の信頼関係の中で、必要に応じて相談できる関係を築いてきました。また私自身も、弁護士資格に加えて中小企業診断士の資格も取得しており、さらにネットワークを広げていきたいと考えています。
まずは一度、弁護士の話を聞いてみませんか
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
まずは一度、相談に来てください。
いろいろ悩んで、ご自身である程度話を進めてから相談に来られる方もいますが、「もっと早く相談してくれればよかったのに…」と思うことが多々あります。
最初の対応を誤った結果、「今から相手にそれを言っても、手遅れです」といった事態にもなりかねません。
相続について少しでも不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。手続きを自分で進めたい方も、事前に弁護士に相談してアドバイスを受けることで、方向性を誤らずに済みます。
相談して損をすることは決してありませんので、相続問題でお悩みの方は、気軽にお問い合わせいただければと思います。