相続弁護士 ドットコム
間所法律事務所(広島県広島市)

間所法律事務所

所在地
広島県 広島市中区上幟町3-26 広島メイプルビル6階

弁護士登録から50年以上、広島市で多種多様な相続問題に取り組んできた経験と実績

間所 了間所法律事務所
弁護士登録から50年以上、広島市で多種多様な相続問題に取り組んできた経験と実績

広島県広島市「間所法律事務所」の間所了弁護士(広島弁護士会所属)に相続分野の取り組みについて話を聞きました。1969年の弁護士登録以降、半世紀以上に渡り弁護士活動を続けている間所弁護士は「弁護士は経験や知識だけでなく、洞察力が必要」と話します。相続問題を扱う際に心がけていることや事務所の特徴などを聞きました。

インタビュー

依頼者に対して差別や区別をしない

事務所を設立した経緯を教えてください。

開業は1969年(昭和44年)です。当時は弁護士になったらすぐに自分の事務所を構えることが一般的で、今のように既存の法律事務所に就職して、経験を積んでから独立するという慣習はありませんでした。

開業当初は、先輩弁護士の事務所の一角を借りて1年半ほど活動を続けました。その後、1970年に広島市内に自分の事務所を構えました。これまでに何度か事務所の場所は変わりましたが、一貫して広島市内で弁護士活動を続けています。

現在は私を含めて3名の弁護士が在籍しています。事務所設立以来、10名以上の弁護士がここで経験を積んで独立していきました。若手弁護士の育成の場としても、重要な役割を果たしてきたと自負しています。

事務所の理念を教えてください。

すべての依頼者に対して平等に向き合うことです。企業であっても個人であっても、資産の多寡や企業規模の大小に関係なく、同じ姿勢で接することを心がけています。また、学歴や障がいの有無などで差別することは一切ありません。

法律問題で悩まれている方は、誰しも不安を抱えています。だからこそ、依頼者一人ひとりの困りごとに真摯に向き合い、誠心誠意サポートすることを信条としてきました。この理念は、開業以来50年以上にわたって一貫して持ち続けているものであり、当事務所に入所するすべての弁護士たちに伝えてきたことです。

時代の変化によって紛争が増えてきた

相続分野に注力している理由はどのような点にありますか。

相続分野は、以前と比べて争いが増えている分野です。かつては、長男が家を継ぐという慣習が日本社会に根付いており、相続に関して争いになることは多くありませんでした。

しかし、時代とともに相続に対する考え方は大きく変化し、現在では相続人それぞれが平等な権利を持つという認識が社会に浸透しています。その結果、相続を巡る紛争が増え、事案も複雑になっています。

このような状況の中で、法律に則った公平かつ平等な財産分配を実現することが、弁護士の役割だと考えています。相続問題は家族関係にも大きな影響を及ぼす繊細な問題だからこそ、公正な解決に導くことを心がけて取り組んでいます。

どのような相談が寄せられますか。

非常にさまざまな相談が寄せられます。手続きに関するシンプルな相談もありますし、3年から4年という長期にわたって訴訟が続くような複雑な事案もあります。

なかでも特徴的なのは、何十年にもわたって相続手続きが放置されているケースです。このような案件は、まず司法書士に相談されることが多いのですが、複数世代にわたる相続となると、単なる登記手続きだけでなく、関係者間での交渉も必要となります。そのため、司法書士では対応が難しいとして、私たち弁護士に相談が回ってくることが少なくありません。

また、俗に「争族」と呼ばれる、相続人同士の深刻な対立も非常に多いです。例えば、「被相続人と同居していた相続人が、生前に財産を取り込んでいたのではないか」といった不信感から、争いが発生するケースがあります。

このような不信感を抱いた相続人は、兄弟姉妹間であっても徹底的に真相を解明したいと考え、激しい争いに発展することがあります。

相続案件を手がける上で心がけていることはありますか。

あらゆる手を尽くして真実を解明することです。特に、使途不明金が疑われる場合には、過去の資産の状況やお金の流れを詳細に調査し、証拠を集めていきます。どのように証拠を集めるかが非常に重要であり、技術と工夫を駆使して事実を明らかにすることが求められます。

また、弁護士が依頼者のために努力している姿勢を示すことも大切です。弁護士が真摯に取り組んでいなければ、依頼者は「もしかして相手方に協力しているのではないか」と不信を抱くこともあります。依頼者の話にしっかり耳を傾け、必要な調査を行い、惜しみなく努力を重ねる姿勢が重要です。

相続案件は、相手方との争いであると同時に、依頼者にも納得してもらう必要があるケースが多いです。依頼者に信頼していただけるよう、常に最善を尽くして取り組むことを心がけています。

相続問題を弁護士に相談するメリットにはどのようなことがありますか。

相続問題では、相続人同士の関係性からくる力関係が不平等を生むケースがあります。例えば、長男の意見に他の兄弟が逆らえないといった状況です。このような場合に、弁護士が介入することで、すべての相続人が本来の権利を守ることが可能になります。

弁護士は法的な視点から依頼者の権利を正当に主張し、公平な解決を目指します。こうして依頼者の権利が守られることで、相続に関する不満や不安が和らぎ、公平な結果に繋がるようサポートするのが弁護士の役割だと考えています。

弁護士としての知見だけでなく人間力が試される

これまでの活動で印象に残っている案件はありますか。

何代にも渡って相続手続きが行われず放置されていた土地の相続問題があります。山の中の土地ではありましたが、資産価値がないわけではなく、1坪あたり200〜300万円もの高額な評価がつく土地でした。依頼者はその土地に住んでいたのですが、自分の子どもの代になったときに相続問題で揉めないようにと、当事務所に相談に来たのでした。

この案件を複雑にしていた要因は主に2つありました。1つ目は、相続人関係の複雑さです。相続人の中にはすでに亡くなっている方もいれば、複数回の結婚歴があり、それぞれの婚姻関係で子どもがいるという方もいました。

2つ目は、相続人同士の関係が疎遠になっていたことです。中には行方がわからない相続人もいて、調査や交渉に多大な時間と労力を要しました。

粘り強く調査と交渉を重ねた結果、最終的には5年という長い期間をかけ、すべての相続人の合意を得て解決に至ることができました。手続きが完了したことで依頼者は安心し、「これで子どもたちにさらに複雑な問題を残さずに済む」と納得いただけました。

相続案件における事務所の強みや特徴を教えてください。

当事務所の強みは、私自身の豊富な経験と、それに基づくノウハウがあることです。複雑な案件に対しても、柔軟に対応できる体制を整えていますので、どのような問題であっても安心してご相談いただけると思います。

また、私は弁護士には知識や経験に加え、「感性」が必要だと考えています。この感性は、弁護士になってから培われるものではありません。幼少期から学生時代、そして社会人としての様々な経験を通じて養われるものです。

人はそれぞれ異なる性格や価値観を持っています。相続問題を適切に解決するためには、こうした個々の違いを深く理解する必要があります。弁護士としての経験に加え、私自身の人生経験が、相続問題において大いに活かされると考えています。

最後に、法律トラブルを抱える方へメッセージをお願いいたします。

一般の方が弁護士に相談するときにまず心配されるのは、「どれくらいの費用がかかるのか」ということだと思います。その点も含め、まずは気軽に相談してみてください。

実際に費用がどれくらいかかるのか、そして問題が費用をかけてまで解決すべき内容なのかを知るためにも、最初の相談が大切です。場合によっては、弁護士に依頼しなくても解決できることもあります。

また、弁護士事務所に足を運ぶこと自体に不安を感じて相談をためらう方もいらっしゃるかもしれませんが、どうぞ気負わずに気軽な気持ちでご相談いただきたいと思います。

私たちは依頼者の方々が安心して問題に向き合えるよう、誠意をもってサポートいたしますので、1人で悩まず、まずはご連絡ください。