依頼者の思いに寄り添い、納得できる解決へ。他士業と連携し相続のワンストップサービスを提供

東京都大田区で「弁護士法人稲葉セントラル法律事務所」を経営する稲葉治久弁護士(東京弁護士会所属)にインタビューを行いました。同事務所では、税理士や司法書士などが弁護士と同じフロアで業務を行い、お互いに連携して案件に取り組んでいます。相続の様々な問題にワンストップで対応できる体制が強みです。依頼者との細やかなコミュニケーションを大切に、納得の解決を目指します。
インタビュー
大田区で必要とされる法律事務所として
事務所設立後、支店展開するまでに至った経緯を教えてください。
2016年に開業して以来、おかげさまで順調に事業を拡大してきました。徐々に人手が必要になり、弁護士も事務員も増員を続けています。2024年11月現在は弁護士6名体制で、蒲田、自由が丘、盛岡に支店を構えています。
自由が丘支店は、目黒区や世田谷区の依頼者が多かったため、ニーズに合わせて開設しました。全国展開は考えていないのですが、提携している会計士との関係で、盛岡にも顧問先が増えたことから、依頼者の利便性を考えて盛岡支店を開設しました。
地域に根ざした活動にも力を入れているのですね。
紹介の連鎖で、弁護士同士や他士業とのつながりが広がりました。お互いに仕事を紹介し合えるくらい、信頼関係が築けています。もともと外に出て交流するのが好きなので、仕事でもプライベートでもいろいろな場に顔を出しており、徐々にネットワークが広がっていきました。
地域の不動産業者や議員の方とも付き合いがあります。相続関連でいえば、ゴミ屋敷の問題など行政を動かす必要があるケースについては、議員さんと連携して問題解決に取り組んでいます。
地域に根ざした活動を続けてきたことで、徐々に大田区の事務所として認知され、今は地域の皆さまから信頼してもらえるようになりました。法律だけでは解決できない問題でも、地域のネットワークを活用することで、より良い解決方法を見出せます。
事務所の理念は何ですか?
依頼者の声を聞くことです。どのような解決方法を望むかは人それぞれ異なります。依頼者の話をしっかりと聞いて、思いに寄り添うからこそ、最善の回答とベストな手続きを提案できると考えています。
連絡をマメに取ることも心がけています。依頼者の意思は状況によって変化することもあり、「早く解決したい」から「じっくり進めたい」に変わることもあります。そうした変化を敏感に感じ取るためにも、コミュニケーションを大切にしています。
他士業との連携で、相続問題をワンストップで解決
相続の相談にはどのような特徴や傾向がありますか?
相続開始後のトラブルに関することが中心です。一定数、生前対策のご相談もありますが、相続開始後に家族間で問題が生じてからの相談が多くを占めています。
相続では7割くらいのケースで相手方に代理人(弁護士)が付いていて、残りの3割は相手方と直接交渉することになります。直接交渉の場合は、相手の気持ちも汲みながら、うまく説明して解決に向けて進めていく必要があるため、対応が難しい部分もありますね。
解決までの期間は内容によって異なりますが、平均的には1年3〜4か月ほどかかります。早ければ1~3か月ほどで解決する場合もありますが、きちんと争う場合は1〜2年かかることも少なくありません。
他士業と連携したワンストップサービスについて教えてください。
私たちは税理士、司法書士、会計士、社労士と同じフロアで業務を行っています。当事務所に依頼していただければ、税務申告や登記も含めて、相続の手続きにワンストップで対応可能です。
相談の際、他士業のメンバーに同席してもらうこともあります。法律相談だけではなく税務相談も必要だとわかったら、必要に応じて、その場で他士業との相談日を設定することもあります。
もともと、今の場所に事務所を移転する際に、昔からつながりのあった他士業のメンバーで、「一緒にワンストップサービスを実現しよう」と話をしていました。連携する前提で、全員で入居を決めたのです。今も月に1回はメンバー全員が参加する会議を開き、各案件の進め方を相談しています。多角的な視点で検討できるので、依頼者にとってよりよい解決策が見出せることもあります。
事務所内外での丁寧なコミュニケーションを重視
相続対応で特に心がけていることは何ですか?
相続では、依頼者の納得感を特に重視しています。特に、裁判以外の解決方法では、本人が納得していなければ真の解決にはなりません。そのため、丁寧なコミュニケーションを心がけ、なるべく密に連絡を取り、話を聞くようにしています。
また、法律上、依頼者の意向を実現することが難しい場合は、その旨をはっきり伝えます。もちろん希望通りの解決ができればベストですが、叶わないこともあります。できること・できないことを整理し、その上で、依頼者にとって最善の結果につながるように誠心誠意対応しています。
コミュニケーションを円滑にするための工夫はありますか?
基本的に、来所可能な方とは、対面での打ち合わせを行うようにしています。そうすることで、認識のズレが少なくなるからです。
相続では高齢の依頼者が多いため、特に丁寧な対応を心がけています。後から打ち合わせの内容を思い出せるよう、書面やメールに話した内容を記録するのです。また、メールや電話だけでは意思疎通が難しい場合もあるため、やはり対面での打ち合わせが重要ですね。
事務所全体でのバックアップ体制を教えてください。
過去の経験から、コミュニケーション不足がクレームにつながりやすいことを学びました。そのため、事務所全体でコミュニケーションを取り、情報共有をしています。日頃の対応はもちろん、月に1回は全員で集まり、ご依頼の状況を確認し合っています。仮にコミュニケーション不足につながりそうな状況が発生したとしても、早めに気づいてフォローできる体制です。
また、弁護士だけではなく事務員にも担当制を取り入れており、担当事務員が各案件の進捗を全て把握しています。弁護士だけではなく事務員も依頼者と積極的にコミュニケーションを取り、関係が途切れないようにしています。
依頼者とのコミュニケーションはもちろんのこと、事務所内でもメンバー同士で密なコミュニケーションを取ることが、依頼者への良質なサービス提供につながっています。
依頼者からどのような評価をもらうことが多いですか?
「話をちゃんと聞いてくれる」という評価が多いです。こちらが一方的に法律論や判断を伝えるのではなく、まず話を聞いたうえで、判断を示すようにしているからだと思います。
ありがたいことに、事務員にもそれぞれファンがついています。弁護士ではなく担当事務員の名前を覚えて、案件解決後にお礼を伝えに来てくださる方もいます。「何かあったら今後も相談したい」という方や、知人を紹介してくださる方も多いです。
少しでも気持ちが楽になりますように
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
血を分けた家族や身内のことで争うのは本当につらいと思います。悩みを抱えているのであれば、ぜひ私たちのところへ来てください。
相談後、少しでも「気持ちが楽になった」「安心して帰れる」と感じてもらえれば幸いです。ご依頼いただければ、依頼者のために全力を尽くします。
これからも私たちは依頼者に寄り添い、納得のいく解決に向けて、誠心誠意取り組んでまいります。相続問題でお悩みの方は、一人で抱え込まず、まずはご相談ください。専門家として、最善の解決方法を共に考えていきたいと思います。