相続弁護士 ドットコム

保田窪法律事務所

所在地
熊本県 熊本市中央区保田窪1-1-35 大田ビル301
受付時間
  • 平日可
  • 週末可
  • 祝祭日可
初回相談料
5,500
/
30分まで
(税込)
電話受付中
9:00-17:30
050-5284-1611

地元・熊本県で地域に密着した相続サポートを提供〜生前の対策から紛争解決まで柔軟に対応

田上 裕輝保田窪法律事務所

熊本県熊本市「保田窪法律事務所」の田上裕輝弁護士(熊本県弁護士会所属)に相続分野の取り組みについて話を聞きました。「相続は誰もが経験する可能性がありながら、学校では教えてくれない。だからこそ専門家のサポートが必要」と話す田上弁護士。相続問題を扱う際に心がけていることや弁護士に相談するメリットについて聞きました。

インタビュー

弁護士過疎地域での経験を経て地元で独立開業

事務所を設立した経緯を教えてください。

2011年に弁護士登録をした後、島根県の法律事務所に就職しました。当時、弁護士が少ない地域、いわゆる司法過疎地域に法律家を増やそうという活動が盛んに行われていました。私もその理念に強く共感し、島根県での就職を決めました。

その後、2014年に勤務していた事務所の閉鎖という転機を迎え、生まれ育った熊本に戻って事務所を開設することを決意しました。事務所を開設して10年以上経ちます。

事務所の理念を教えてください。

私が常に心がけているのは、依頼者に対して、法的手続きを進める上でのメリットやデメリットはもちろん、リスクについても丁寧に説明し、納得いただけるよう努めることです。

見通しが悪いと考えられる事案であっても、依頼者がリスクを十分に理解した上でその道を選択するのであれば、その意思決定を支持し、全力でサポートさせていただきます。

依頼者自身が納得のいく解決を見出すためのお手伝いをさせていただくことが、何よりも大事だと考えています。

誰もが経験する可能性がある問題だからサポートが必要

相続分野に注力されているのはどのような理由からですか。

相続というのは、誰もが一度は経験する可能性がありますが、実際に直面すると具体的な対処方法に戸惑うことが多いのが実情です。そのため、専門家のサポートが欠かせない分野だと考えています。

また、紛争性が高い相続案件は、感情的な対立に発展することが少なくありません。そのようなケースは、当事者だけでは解決が難しいことも多く、客観的な視点を持つ第三者の存在が重要です。そうしたことから、相続分野に力を入れて取り組んでいます。

どのような相談が寄せられますか。

最も多いのは、遺産分割をめぐるトラブルです。また、相続放棄の手続きや、遺言書の作成依頼も少なくありません。

相続放棄に関しては、「手続きが自分でできるか」「どのように進めたらよいか」といった具体的な方法の相談をいただくことが多いです。

遺産分割のトラブルでは、特に不動産が含まれるケースで紛争化しやすい傾向があります。預貯金であれば数字で明確に分割できますが、土地や建物となると単純にはいきません。特に田舎の方では、先祖代々受け継がれてきた土地への愛着や歴史的背景など、経済的価値だけでなく感情的価値が絡んでくるため、都市部に比べてより問題が複雑化する傾向があります。

また、生前贈与を巡るトラブルも多いです。典型的なのは、「長男は親の生前に多くの支援を受けていたのに、自分は何ももらっていない」など、兄弟間に差があるという不満から生じる紛争があります。

生前贈与を巡るトラブルの場合、どのような解決方法がありますか。

生前贈与(特別受益)が裁判で認められるケースは意外と少ないのが実情です。例えば、親が子どもに家を購入してあげた場合などは特別受益として認められることがありますが、大学の学費程度の支援であれば、特別受益とはみなされないことが多いのです。

特別受益についての明確な基準はありませんが、一般的には「日常的な扶養の範囲内であれば特別受益とはならない」とされています。大学の学費も特別受益と認められる可能性はゼロではありませんが、通常は親が子どもの学費を支払うことは扶養の一環と見なされます。

一方で、扶養義務のない大人に対して家を買い与えたり、結婚資金を援助したりする場合は特別受益とされる傾向があります。

こうした事情を考慮しながら、まずは依頼者に見通しを丁寧に説明し、理解していただくよう努めています。

状況によっては、家庭裁判所での調停を提案することもあります。裁判所が介入することで、依頼者と相手方の双方が納得できる解決策を導きやすくなります。

相続案件を扱う上で心がけていることはありますか。

相続案件では感情的な対立が生じやすいため、単に金銭面での解決を図るだけでなく、依頼者がどのような感情や背景を抱いているのかに配慮しながら進めることが重要だと考えています。そのため、まずはじっくりと話を聞いて、依頼者の抱える思いや、トラブルに至った経緯を汲み取ることを心がけています。

もちろん、依頼者の希望を完全に実現できるとは限りません。法律的な制約もあれば、相手方との関係もあります。しかし、「法律でこう決まっているから」という一方的な説明で終わらせるのではなく、依頼者の思いを最大限実現できる方法を共に探ることが大事だと考えています。

生前の対策から相続発生後の相談まで幅広く対応

相続問題を弁護士に相談するメリットにはどのようなことがありますか。

弁護士は、特に紛争が発生したときに対応する専門家であり、他の士業とは異なる法的な専門性を持っています。仮に紛争が発生した際に、法的手続きを含めた解決策を提供できるのは弁護士だけです。

さらに、紛争を事前に予防するための相談も得意としています。例えば、遺言書の作成を相談する際には、相続人が遺留分を請求する可能性や、請求を受けた相手がそれに応じられるかといったリスクを考慮しながらアドバイスを行います。

こうした視点からのサポートを通じて、相続問題に関する不安を軽減し、安心して準備を進められる点が、弁護士に相談する大きなメリットです。

相続分野における事務所の強みや特徴を教えてください。

当事務所では、相続に関する事前の対策から、実際に相続が発生した後の紛争まで、幅広く対応しています。相続には多様な問題が伴うため、単に発生した問題に対処するだけでなく、予防的なサポートにも力を入れており、将来の不安を解消できるよう努めています。

また、他の士業との強力なネットワークも当事務所の特徴です。例えば、税理士や司法書士といった専門家が必要な場合には、信頼できるパートナーをすぐにご紹介できます。特に税理士とは、当事務所と同じビル内にある税理士事務所と密に連携を取っているため、相続税などの相談にも迅速に対応が可能です。

相続案件のどのような点にやりがいを感じますか。

相続問題では「何から手をつけていいかわからない」という方が多くいらっしゃいます。そのため、専門家として実際に依頼者を支えることができ、助けになったと実感できる場面が多い点に大きなやりがいを感じます。依頼者の不安を解消し、具体的な解決策を提供することで、問題解決に貢献できるのは非常に嬉しいです。

最後に、相続問題で悩みを抱えている方へメッセージをお願いいたします。

「相続はまだ自分には関係ない」と考える方が多いと思います。しかし、ほとんどの方が人生の中で経験するものであり、いずれ訪れるものです。自分が亡くなった後、残されたご家族にどのように財産を相続させるかといった問題は、どなたにも関わりのあることです。だからこそ、相続をもっと身近な問題として捉えていただきたいと思っています。

また、相続の相談は必ずしもトラブルが起こってからするものではありません。「将来のためにどんな準備が必要か」「家族に負担をかけないためにはどうすればいいか」など、気になることがあれば事前に相談していただくことが大切です。

相続について少しでも不安があれば、まずは一度ご相談いただきたいです。仮に相談だけで終わったとしても、それで解決し「これで安心だ」と感じていただけるなら十分に意味があると思っています。お気軽にご相談ください。