春日部に根ざした法律事務所。依頼者の本当の望みやこだわりを理解し、相続問題を納得の解決に導く
埼玉県春日部市で「水戸貴之法律事務所」を経営する水戸貴之弁護士(埼玉弁護士会)に、相続案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みを聞きました。100名以上の弁護士が所属する事務所を含め、複数の事務所での経験を経て2020年に事務所を開設。経済的な利益を追求するだけではなく、依頼者の想いにも寄り添い、満足度の高い解決を目指します。相続についてよくある相談や弁護士に相談するメリットも詳しく聞きました。
インタビュー
丁寧に話を聴き、想いを受け止めます
これまでの経歴を教えてください。
出身は神奈川県横浜市で、早稲田高等学校、早稲田大学商学部、千葉大学法科大学院(ロースクール)を卒業しました。2008年に弁護士になり、関東の個人事務所から大手事務所まで複数の法律事務所に勤務したあと、2020年に当事務所を開設しました。
事務所設立の経緯を教えてください。
都市部には弁護士がたくさんいますから、なにか困り事があればすぐに相談できます。ところが弁護士が少ない地域だと、弁護士によるサポートを受けづらく、その結果トラブルが大きくなったりするケースもあります。
そういった問題を解消し、どこにいても弁護士のサポートを受けられるようにと思い、弁護士が少ない地域で活動したいと思いました。春日部市を選んだのは、人口に対して弁護士の数が少ないことと、独立直前に埼玉県内の事務所に勤務していたご縁からです。
事務所として、どういったことを大切にされていますか。
依頼者の話をしっかり聴くことです。
もちろん、ただ黙って聴くのではありません。表面的なことだけでなく、依頼者が本当に望んでいることや、こだわっていること、わかってほしいと思っていることを知るために十分な時間をかけ、私からも適宜質問しながら話を聴きます。
しっかり聴くことを意識するようになったのは、どういった理由でしょうか。
15年以上の弁護士キャリアの中で、数多くの案件に関わってきました。その中には、弁護士から見ればよい結果になったのに、どうも依頼者の満足度が低い案件がありました。一方、結果としては依頼者の意向に添えなかったのに、「本当によくやってくださってありがとうございました」と感謝された案件もありました。
その違いを一概に言うことはできませんが、結果が出るまでの過程で、どれだけ依頼者の話を聴けたか、依頼者の立場から言えば、どれだけ私に想いを伝えられたかということが、最終的な満足度を左右するのではないかと思ったんです。
もともと傾聴の姿勢は大切にしていましたが、そう考えるようになってから、より丁寧なコミュニケーションを心がけるようになりました。
遺産分割のトラブルや手続きの代行など、相続の悩み全般にお応えします
相続案件に注力している理由を教えてください。
かつては、「長男が多く相続する」という慣習や親族間の暗黙のルールに従って、相続の手続きがおこなわれていた時代もありました。しかし、今は個人の権利意識が高まり、法律に沿った解決をしたいというニーズが高まっていると感じます。そのようなニーズにきちんと応えることこそ弁護士の役目だと考え、力を入れています。
相続について、どういったご相談が多いでしょうか。
遺産分割関係、遺言書作成、相続放棄など、様々なご相談が寄せられます。
遺産分割でいいますと、兄弟姉妹が亡くなって自分が相続人になったけれど、疎遠だったのでどういう遺産があるかわからないケースや、感情的な対立で話し合いが前に進まないケースなど問題点は様々です。
不動産が絡むご相談も多いです。評価額について意見が対立しているケースや、農地や雑種地などの処分に困っているケースなどがあります。
特にもめているわけではなくても、他の相続人が遠方に住んでいるなどの事情で個人で手続きを進めるのが難しく、弁護士に任せたいということで相談に来る方もいます。
経済的な利益だけではなく、依頼者の想いにも寄り添った解決を
相続案件を手がける上で心がけていることを教えてください。
相続は、法律的に突き詰めれば「遺産をどう分けるか」という金銭の問題です。ただ、現実はそう単純ではなく、長年にわたる親族間の確執、大切な家族を亡くした悲しみ、遺産分割が終わった後の親族関係など、様々な事情や想いが関係します。
ですから、ただ依頼者の取り分を増やせば弁護士の役割を果たせるかというと、そう単純な話ではありません。経済的な利益以外に、どのようなことが実現できれば依頼者の満足につながるのか。それを理解するために、話をしっかり聴くことを他の分野以上に意識して、依頼者の気持ちや希望に沿った対応を心がけています。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
まず、弁護士として15年以上の経験があり、相続についても様々なケースを解決してきました。そこで得られた知識やノウハウに基づいて見通しを立て、依頼者の意向も踏まえて、最適な解決策を提案することができると自負しています。
また、これまで複数の法律事務所に所属し、100人以上の弁護士と働いてきました。その中には、文章がうまい弁護士もいれば、交渉力がある弁護士、感じのよい電話対応をする弁護士、仕事が早い弁護士もいて、それぞれが独自の強みを持っていました。他の弁護士の仕事の仕方を垣間見て、よいところを吸収し、スキル向上に努めてきました。これまでの全ての経験が、弁護士として活動する上での財産になっています。
ネットの情報だけで判断せず、安心のためにも弁護士にご相談ください
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
法律的に正しい知識を得られる安心感は大きなメリットです。
最近はネットで法律知識を調べる方も多いと思います。ただ、間違った情報もありますし、そもそもなにを調べればよいかわからない場合もあるでしょう。さらに、ネットの情報は基本的に一般論がベースで、今自分が置かれている状況ですべきことや見通しを知ることは非常に難しいです。少しでも不安があれば、ネットの情報だけで判断せず、弁護士に相談すべきだと思っています。
相談は早いほうがよいでしょうか。
遺産を相続する前提であれば、基本的にはそんなに急ぐ必要はありません。特に、近い関係の方が亡くなったのであれば気持ちの整理もついていないでしょうし、早々にお金の話をするのも難しいでしょう。ですから、少し落ち着いてからご相談いただく形で問題ありません。
他方、被相続人に借金があったりして相続放棄するつもりであれば、法律上3ヶ月という期限が決まっているので急いだほうがよいです。また、遺産に手を付けてしまうと相続放棄できなくなる場合もあるので、早めに弁護士に相談し、適切な対応についてアドバイスを受けることをお勧めします。
これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。
親が亡くなって、法定相続人は依頼者とお兄さんのみというケースがありました。元々兄弟で話し合いをされていたのですが、お兄さんが話し合いを拒否して連絡が取れなくなってしまい、なんとかしてほしいということでご依頼いただきました。
依頼を受けて私からお兄さんへ手紙を送ったり電話をかけたりしましたが反応はなく、話し合いは難しい状況でした。そこで、依頼者と協議の上、遺産分割調停ではなく審判を申し立てたところ、お兄さんは裁判所からの連絡にも対応しなかったので、裁判所の審判という形で遺産分割が行われました。
裁判所は私の主張や証拠を前提に判断してくれたので、当初想定していたより有利な遺産分割となり、依頼者にも大変喜んでいただけました。
相続トラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続が発生して、ある程度の財産や負債があるときは、まずは一度弁護士に相談することをおすすめします。「別にもめているわけじゃない」「弁護士に相談するほどのことじゃない」と思うかもしれませんが、本当に今やろうとしていることが正しいのかという確認は重要です。場合によっては、相談したことで大きな問題に気づくことも十分ありえます。
相談だけでも、お気軽にお申し込みください。