相談時間を十分に確保し、依頼者の状況を適切に把握して、一人ひとりに合った最適な解決策を提案
東京都新宿区で「高橋信行法律事務所」を経営する高橋信行弁護士(東京弁護士会所属)に、相続案件に携わる上で心がけていることなどを聞きました。依頼者の信頼を得るために、弁護士としてできることを迅速に実行するよう努めていると語る高橋弁護士。相続について弁護士に相談・依頼するメリットについても詳しく聞きました。
インタビュー
相談時間を十分に確保し、依頼者の状況を適切に把握
事務所設立の経緯を教えてください。
勤務弁護士として4年半ほど働いた後、独立して現在の事務所を設立しました。事務所の場所には、自宅と裁判所の両方へのアクセスが良い新宿を選びました。
事務所の理念や大切にしていることを教えてください。
依頼者の状況を正確に把握し、信頼関係を築くことを大切にしています。
具体的には、十分に時間を取って依頼者の話を聞くようにしています。相談時間は、できる限り希望に合わせるようにしています。
私が1人で事務所を運営しているのも、依頼者一人ひとりと向き合いたいという思いからです。依頼者の状況を正確に理解し、責任を持って対応できる案件だけを受任するよう心がけています。
また、話を聞くだけでなく、弁護士としてできることを着実に実行することで信頼を得るよう努めています。行動すべきときには迅速に対応することが、信頼につながると感じています。
例えば、書面作成においては、依頼者の意向を十分に汲み取り、丁寧に作成することを重視しています。依頼者が書面を読んで、「自分の言いたいことが反映されている」と感じられるような内容に仕上げることで、信頼を深められると考えています。
また、迅速さという面では、やるべきことはできるだけ早く対応することを心がけています。依頼者や相手方とこまめに連絡を取って密に報告するなど、間を置かずにやり取りを行うようにしています。
相続案件に注力している理由を教えてください。
一般民事事件を幅広く扱っているため、自然と相続に関する相談も多く寄せられます。
相続には難しい法律問題が多く、事案によって結論が異なることも少なくありません。
たとえば、特定の相続人が生前に被相続人の介護をしたり、家業を手伝ったりしていた場合、寄与分として遺産を多く受け取れる可能性があります。しかし、寄与分が認められる基準は明確ではなく、介護や手伝いの程度によっては寄与分が認められないこともあります。
こうした複雑な法的判断が必要とされる場面では、弁護士のサポートが大きな助けになると考えています。
相続について、よくある相談内容を教えてください。
相続に関する相談内容で多いものとして、まず遺産分割が挙げられます。次に遺言書の作成、続いて遺留分や相続放棄に関する相談がよく寄せられます。
遺産分割については、トラブルが生じて相談に来る方もいれば、「今後揉めそうなので」と予防的に相談に来る方も少なくありません。
特に多いのが、被相続人と同居していた相続人が遺産の内容を開示してくれないというケースです。こうした場合には、弁護士が介入することで、ほとんどの場合は開示に応じてもらえます。
親族に言いづらい思いを適切に代弁
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
まず、弁護士に相談することで、法律上の権利を実現するためのサポートが得られます。
例えば、他の相続人が被相続人から生前贈与を受け取っていた場合には、生前贈与の分を特別受益として遺産から差し引ける可能性があります。また、遺産である預金がほかの相続人に使われてしまっている場合には、使われた預金を取り戻せる可能性もあります。しかし、こうした権利を知らずに諦めてしまっている方も少なくありません。
さらに、親族と対立する場面では、遠慮して自分の主張を言いにくいこともあるかと思います。弁護士が代弁することで、依頼者の気持ちを適切に反映させながら、自分の利益を守ることができるのもメリットです。
一方で、無理な要求が通らないと理解できることも重要です。無理な要求に固執すると紛争が長引くなど、むしろ不利益が大きくなることもあります。弁護士を伴走者として、正しい方向に導いてもらえることも、弁護士に相談するメリットだと思います。
早めに弁護士に相談した方がよい理由を教えてください。
初期段階での言動が、後々の方向性に影響してしまうことがあります。例えば、相手に伝えた内容がこちらに不利になる場合もあり、そのまま不利な状況で進んでしまうことがあります。
こうした初期段階でのミスを防ぐためにも、早めに弁護士に相談することが大切です。
先生の事務所ならではの強みを教えてください。
夜遅くの相談も対応可能なので、忙しい方でも夜間に相談いただけます。
また、弁護士が私1人の事務所ですので、すべての案件を私自身がしっかり把握しており、依頼者一人ひとりに向き合える点も強みです。
1人で悩まず、気軽に相談を
これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。
相続人が30人ほどいたケースで、遺産分割協議を成立させた案件が印象に残っています。
依頼者は相続人の1人で、被相続人の兄弟でした。もともと兄弟の人数が多く、被相続人が亡くなってから時間が経っていたため、他の兄弟も亡くなり、その子どもたちに相続権が移ったことで相続人が30人に増えてしまいました。
まずは相続人に書面で挨拶をし、その後は全員に直接会いに行って話を進めました。依頼者は兄弟の中で最も被相続人の近くに住み、面倒もよく見ていたため、「遺産を少し多めに欲しい」と提案しましたが、特に争いにはならず、2〜3か月で協議が成立しました。
スムーズに解決できたのは、「会えるならすぐに会いに行く」と迅速に動き続けたことが大きかったと思います。また、包み隠さず、公平に話を進めたことも良い結果につながったと思います。
相続人が多い案件でもスピード解決でき、依頼者にとっても良い結果になったため、印象に残っています。
初回相談の流れを教えてください。
電話やメールで予約を取り、事務所に来ていただきます。
事前の準備は基本的に必要ありませんが、聞きたい内容に関係する資料、例えば相続関係図や遺産に関する書類などがあれば、持参していただくとスムーズです。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続の問題は家族との関係も絡むため、第三者に相談するには勇気がいるかもしれません。しかし、1人で悩み続ける必要はありません。
早めにご相談いただければ、解決への道筋も見つけやすくなります。敷居は高くありませんので、まずはお気軽に相談してみてください。