相続弁護士 ドットコム
のぼりべつ法律事務所(北海道登別市)

弁護士法人のぼりべつ法律事務所

所在地
北海道登別市若山町4-40-3 メープル・ペット・ワン303

登別市で唯一の法律事務所。高齢化率の高い弁護士過疎地域で相続問題に取り組む

八木橋 俊輔弁護士法人のぼりべつ法律事務所
登別市で唯一の法律事務所。高齢化率の高い弁護士過疎地域で相続問題に取り組む

北海道登別市「のぼりべつ法律事務所」の八木橋俊輔弁護士(札幌弁護士会)に、事務所設立の経緯や相続分野での取り組みについて話を伺いました。登別市唯一の法律事務所として、長年にわたり地域の方々の相続相談に応えてきた八木橋弁護士。調停の活用や相続財産の発見サポートなど、相続トラブル解決における弁護士の役割について聞きました。

インタビュー

登別市で唯一の法律事務所

事務所設立の経緯を教えてください。

弁護士登録後、札幌市内の公設事務所に就職しました。弁護士過疎地域に弁護士を派遣することを目的とした事務所で、そこで2年ほど経験を積んだ後、2011年12月に登別市で事務所を開設しました。

登別市を選んだ理由は、当時、登別には常駐する弁護士が1人もいなかったからです。私自身も北海道の過疎地で生まれ育ったため、弁護士を志した当初から過疎地で働くことを希望していました。

弁護士はインフラのようなものだと思います。弁護士がいない地域では、地域の方々の権利救済が十分になされない可能性があります。都市部に住む方々と同じようなリーガルサービスを、過疎地にお住まいの方々にも届けたいと思い、この地での開業を決意しました。

2024年の2月から新たに弁護士1名を加え、現在は2人体制で地域の方々の相談に応えています。

事務所の理念を教えてください。

地方部の特性として、一人当たり弁護士人口が少なく相談件数が多いため、自ずと相談内容が多岐にわたることが挙げられます。一部非常に高度な専門分野を除いては遠方まで足を運ぶ必要がないよう、可能な限り当事務所で解決できるように日々研鑽を積んでいます。

また、単なる法的解決だけでなく、紛争に巻き込まれた依頼者の心のケアにも注力しています。法律問題は多くの場合、精神的な負担を伴います。法的サポートと同時に、依頼者の心の支えにもなりたいと考えています。

相続分野に注力しているのはどのような理由からですか。

相続でもめる背景には、金銭問題以外での家族間の感情面でのわだかまりが存在することがあります。しかし、実際に対応してみると、単なる思い違いや感情のすれ違いが原因というケースも少なくありません。ボタンの掛け違いのような些細な原因によって、家族がもめてしまうのはとてもつらいことです。

そのような状況で、客観的な視点から問題を整理し、円満な解決を目指すことに弁護士としての意義を感じています。

また、登別地域は高齢化率が非常に高く、相続に関する相談が増加しています。このような地域特性を踏まえ、相続分野に注力することで地域社会のニーズに応えています。

のぼりべつ法律事務所_相談室1

紛争解決に調停を活用するメリット

相続に関してはどのような相談が寄せられますか。

最近増えているのが相続放棄の相談です。地方では不動産の価値が都市部に比べて低いことが多く、売却が困難な場合があります。また、建物の老朽化により解体が必要なケースもあります。このようなときに、不動産の管理が負担になることから、相続放棄する人が増えています。

遺産分割の相談も多いです。特に多いのが、被相続人に子どもがいないケースです。この場合、兄弟姉妹が相続人になりますが、兄弟の中に既に亡くなっている方がいると、その子どもが相続人になります。

相続人の数が増えると、相続人同士の関係が複雑になり、連絡を取ることも困難になります。そのような場合に相談に来られる方が多いです。

また、寄与分や特別受益が認められるかといった問題も相談の対象としてよく挙がります。被相続人のサポートをしてきた相続人が、その貢献度を遺産分割に反映させてほしいと主張したり、これに対して他の相続人からは「一緒に生活をし支出を免れたのだから、それ自体がメリットだったはずだ」といった反論が出ることもあり、寄与分や特別受益に関して争いになることがあります。

紛争化しているケースでは、どのような方針で手続きを進めていくのですか。

紛争解決にはさまざまなアプローチがありますが、私は協議での解決にこだわらず臨機応変に調停手続の活用をするようにしています。

家族間の問題に裁判所を利用することに対して抵抗感を抱く方もいますが、調停はあくまでも話合いの場だと捉えています。確かに、手間や時間がかかるというデメリットはあります。しかし、それを上回るメリットがあります。

例えば、相続人が多数いる場合、個別に交渉を行うよりも、調停の場で一堂に会して話を進めた方がスムーズに進行することがあります。これは時間と労力の節約にもつながります。

また、最近の社会情勢を考慮すると、調停には別の利点もあります。振り込め詐欺などが増加していることから、見ず知らずの人から届く手紙やメール、電話などの連絡に対して多くの方は慎重になるでしょう。ご高齢の方であればなおのことです。

このような状況下では、弁護士からの手紙よりも、裁判所からの通知の方が信頼性が高いと受け取られる傾向があります。これは、相手方とのコミュニケーションを円滑に進める上で大きな助けになります。

もちろん、調停の申立てが常に最適な選択肢というわけではありません。調停を含むさまざまな解決手段を柔軟に検討し、各案件に最適なアプローチを選択しています。

相続案件を手がける上で心がけていることを教えてください。

依頼者の話をしっかりと聴くことです。相続問題の背景には、家族間の長い歴史が関係していることが多々あります。感情的な要素も大きく絡んでくるため、単純に法律を適用するだけで解決できるものではありません。そのため、依頼者の話に耳を傾け、問題の本質を理解することが重要です。

また、依頼者の立場だけでなく、相手方の立場や考えにも配慮するよう心がけています。もちろん、依頼者の利益を最優先に考えることは弁護士として当然のことですが、相手方の事情も考慮することで、より適切な解決策を見出すことが可能です。

財産額など、数字だけを追求するような解決策は避けるようにしています。というのも、そのような解決策は一時的には効果があるように見えても、長期的には新たな問題を引き起こす可能性があるからです。すべての当事者にとって適切で公平な解決策を見出すことが、依頼者にとって最適な解決策だと考えています。

のぼりべつ法律事務所_相談室2

弁護士に相談することで信頼性が高まる

相続問題を弁護士に相談するメリットにはどのようなことがありますか。

相続財産の発見をサポートできることです。被相続人がどのような財産を持っていたか分からないというケースは少なくありません。このような状況で、弁護士は専門的な知識と経験を活かして財産調査ができます。

例えば、年金受取口座を手がかりに銀行口座の取引履歴を確認し、そこから生命保険料の引き落としや株の配当金の入金など、他の財産の存在を示す手がかりを見つけ出すことができます。このプロセスを通じて、相続人が気づかなかった財産を発見することができるのです。

また、相続に関する各種手続きを円滑に進めることが可能です。被相続人の預金口座を解約する際には、全ての相続人から同意を得る必要があります。

相続人同士が日頃から連絡を取り合う関係にあれば良いのですが、そうでない場合、他の相続人から突然、印鑑を押してほしいと頼まれても、不安や懸念がつきまとうことでしょう。

そのようなときに、弁護士が間に入ることで、手続きの正当性や安全性に対する信頼が高まり、円滑に進めることが可能になります。

相続分野における事務所の強みや特徴を教えてください。

まず第一に、豊富な経験が挙げられます。私自身、弁護士登録から一貫して相続案件に携わってきました。この経験の蓄積は、複雑な相続問題を解決する上で大きな強みとなっています。さらに、事務職員も相続案件を扱う機会が多いことから手続きに精通しており、チームとして効率的かつスムーズに対応できます。

また、弁護士が2人体制になったことで、より迅速かつ柔軟な対応が可能になりました。この体制強化は、大きな利点だと考えています。

次に、私たちの事務所の特徴として機動性が挙げられます。高齢者や移動が困難な方のために、必要に応じて私たちがご自宅まで出向くことも可能です。このような柔軟な対応により、依頼者のニーズにお応えしています。

さらに、当事務所の立地や雰囲気も大きな特徴です。マンション内に事務所を構えているため、利用者は人目を気にする必要がありません。また、弁護士事務所らしくないアットホームな室内の雰囲気が緊張を和らげ、依頼者が話しやすい環境になっています。

最後に、相続トラブルを抱えている方へメッセージをお願いします。

相続は長年の家族関係や感情が絡み合う複雑な問題です。こうした悩みを1人で抱え込むのはとてもつらいものです。弁護士に相談することで、新たな視点や解決策が見つかるかもしれません。1人で悩み続けず、ぜひご相談ください。

私たちは、皆様の話を丁寧に伺い、問題の解決に向けて真摯に取り組んでいます。また、当事務所は初回の相談が30分無料です。些細なことでも構いませんので、悩みがあればどうぞお気軽にご連絡ください。