依頼者の思いを受け止めて二人三脚でゴールに向かう。納得の解決を目指し、柔軟に丁寧にサポート
神奈川県厚木市「AYU総合法律事務所」の石原大悟弁護士に、相続分野への取り組みについて聞きました。依頼者のパートナーとして、二人三脚で問題解決に取り組む石原弁護士。密なコミュニケーションを通して依頼者の思いを把握し、意向に沿った結果を目指して親身なサポートを提供します。「相談することで大きな損失を防げることも。近所のお兄ちゃんと話す感覚で気軽にお越しください」と呼びかけます。(神奈川県弁護士会)
インタビュー
依頼者と対等な立場でともに進む
事務所設立の経緯を教えてください。
同じ中学校出身で司法修習同期の弁護士と、以前から「将来は一緒に事務所を立ち上げよう」と話していました。弁護士としてのキャリアが10年近くになった頃、お互いのタイミングが合い、2021年に地元である厚木で事務所を設立しました。
事務所の理念を教えてください。
事務所の理念は、A:Answer(答えを示す)、Y:Yell(応援する)、U:Unite(団結して取り組む)です。依頼者の悩みに対して明確な答えを示し、問題解決を目指して一緒に取り組みたいと考えています。
私は、依頼者と対等な立場でともに進むという姿勢を大切にしています。弁護士だからといって、私が一方的に意見を言ったり、方針を押し付けたりすることはありません。
また、依頼者の中には、「弁護士に全て任せたい」というスタンスの方もいますが、私としては、できるだけご本人の意向を聞かせてほしいと思っています。依頼者の思いをしっかりと受け止めて、お互いの認識を擦り合わせながら二人三脚で取り組むからこそ、真に納得していただける結果を導けるからです。
ストレスなく相続の手続きを進められるようサポート
相続についてよくある相談内容を教えてください。
相続放棄に関する相談を多く受けています。特に、被相続人と疎遠で財産の内容がわからず、「内容がよく分からない財産を引き継ぐのは抵抗がある」「借金を背負うリスクを避けたい」といった理由で放棄を選ぶ方が多い印象です。
遺産分割調停の相談も多いです。「自分たちで話し合いをしたがうまくいかず、調停を申し立てたいのでサポートしてほしい」「相手方から調停を起こされた」などの理由で相談に来られます。
相続放棄を弁護士に依頼するメリットは何ですか。
相続放棄の申し立てには期限があり、相続開始を知ったときから3か月以内に行わなければなりません。手続きは自分でもできますが、期限内に戸籍謄本などの必要書類を集めて、申述書を作成し…という作業を面倒に感じる方もいるでしょう。不備があると相続放棄が認められず、借金を引き継ぐなどの不利益を被る可能性もあります。
弁護士に依頼すれば、相続放棄に必要なプロセスを全て任せられるので、書類の収集や提出などを自分でする必要はありません。無駄な手間や時間を省けることや、期限内にミスなく手続きを進めてもらえる安心感を得られることは、弁護士に依頼するメリットだと思います。
また、「相続を知ったのは最近だけど、故人が亡くなったのは何か月も(何年も)前」というような少々難しいケースでも、弁護士に依頼することで手続がスムーズになることが多いです。
遺産分割調停の依頼をするメリットは何でしょうか。
調停に自分が出席しなくても、弁護士が代理で対応してくれることです。
特に、仕事や家庭の都合で平日に時間を取るのが難しい方にとっては、時間的なメリットが大きいでしょう。調停は基本的に平日の日中に行われるのですが、なかなか仕事を休めない方もいると思います。また、例えば厚木に住んでいる方の場合、調停は小田原にある裁判所でおこなうことが多いですが、厚木から小田原まで行くのに片道1時間、調停に2時間かかるとなると、1日4〜5時間は奪われることになります。
調停の期日は月に1回程度ですが、それが半年、1年…と続く場合、だんだんと負担に感じるようになる方も多いと思います。弁護士に依頼すれば、依頼者自身が調停に臨む必要がなくなり、時間的な負担を大幅に減らすことができます。
もう一つのメリットは、専門的な交渉力と判断力による利益の最大化が期待できることです。例えば、遺産1000万円を巡る調停で、調停委員から「依頼者に600万円、相手方に400万円」という案が示された場合、これが事案の特徴と照らして妥当な提案なのかどうかの判断が重要です。
調停委員の提案が、必ずしも依頼者の利益を最大化する内容であるとは限りません。弁護士は、その後の審判に進んだ場合の結果も見据えながら、調停案を受け入れるべきか否か、依頼者にとって有利な判断を下せます。
肩肘張らず、気軽にお問い合わせください
相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
依頼者とのコミュニケーションを大切にしています。相続のように当事者の感情的対立が激しい問題において、弁護士には、法的なサポートの提供だけではなく、カウンセラーに近い役割も求められると思います。
依頼者が私に伝えたいと思っていることであれば、問題解決と直接関係があるかどうかにかかわらず、しっかり伺います。思いの丈を話す中で、依頼者自身の気持ちが整理でき、不安や相手方への怒りが落ち着いたり、今後自分がどうしたいのかが見えてきたりする場合も少なくありません。法律の説明に終始してしまい、人と人とのコミュニケーションがおろそかにならないよう気をつけています。
また、依頼者の意向を継続的に確認することも心がけています。依頼者が最初に望んでいたことが、時間の経過と共に変わることはよくあるからです。例えば、最初は「絶対に500万円受け取りたい。そのためなら裁判も辞さない」と言っていた方も、調停が1年、2年と続くうちに「これ以上争うのは辛い。多少もらえる金額が少なくなっても、早く終われる方がいい」と、金額よりもスピード解決を優先する方向に気持ちが変わることもあります。その逆のケースもよくあります。
人間誰しも、途中で気持ちが揺らぐのは当たり前ですから、最初に決めた方針に縛られる必要はないと思っています。依頼者には「今はこういう方針で進めていますが、気が変わったときは遠慮なく言ってください」と伝えて、柔軟に対応しています。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
私は肩こり持ちなのですが、整体に行くと30分で3000円くらいかかります。当事務所の初回相談料はそれよりも安く、30分1000円です。依頼していただく場合はある程度の費用がかかりますが、相談だけであればあまり大きな負担にはならないと思うので、いつでも気軽にお問い合わせください。肩肘を張る必要は全くなく、「近所のお兄ちゃんと話をする」くらいの感覚でちょうどいいです。
相談を受けていて、「もっと早く来てくれていたら…」と思うのが、遺産分割協議書にサインしてしまったケースです。「よく見たら自分に不利な内容だった」「言われるがままにサインしてしまったが、撤回したい」ーー。気持ちはよくわかるのですが、サインしてしまった以上、弁護士が入っても、なかったことにするのは難しいと言わざるを得ません。
大きな損をする前に、少額の相談費用を払って弁護士に相談することで、結果的に数十万円、数百万円の損失を防げるかもしれません。少しでも疑問や不安がある方は、ご自身の判断で行動する前に、一度、専門家によるアドバイスを受けていただければと思います。