チーム一丸で相続問題に対応。経験×人脈×情熱 で包括的な解決を図ります
東京都の永田町駅近くで「宮之原法律事務所」を経営する宮之原陽一弁護士に、遺産相続案件を手掛ける上での心構えや解決に至るまでの着眼点などを聞きました。家庭裁判所の調停員としても経験豊富な宮之原弁護士。現在は税理士や司法書士との連携を強固に、包括的な解決を図っています。事務所設立の経緯や強みなどについても詳しく話していただきました。(第一東京弁護士会所属)
インタビュー
相続問題を包括的に分析して、問題点をクリアにする
事務所設立の経緯を教えてください。
弁護士登録から約20年、中規模の法律事務所に勤務していました。幅広い事案を扱っていく中で、相続問題に一層力を入れて取り組みたいと思うようになり、2013年に現在の事務所を設立しました。
相続には、相続税や譲渡税など税金の問題が常に関係します。登記手続きや金融機関とのやり取りなどもあり、このような煩雑な手続きが必要となる相続問題に対し、税理士や司法書士と連携を図り、スムーズな解決を図れるよう運営体制を整えました。
相続分野を解決する上での着眼点を教えてください。
依頼者によく話すのが、「相続人が3人いた場合、関係者は3人だけではなく相続税という4人目がいる」ということです。この4人目である相続税を整理することによって、問題がスムーズに解決することがあります。
相続財産に不動産がある場合にはその価値を算定しますが、不動産の評価にはいくつかの方法があります。評価額が違えば相続税も変わりますので、どの方法で不動産評価額を決めるかが重要になります。
1億円の遺産に対して、相続税が1000万円か300万円かでは、相続人が受け取る財産も大きく変わり、その差額がトラブルを解消するきっかけになることもあります。
また、矛先を相続税に向けることで、対立していた相続人が協力関係に変わることもありますので、相続問題において相続税に着目することは、とても意味のあることだと思っています。
司法書士や税理士との連携を強固に。高い専門性を活かしたスムーズな解決
事務所の強みを教えてください。
税理士、司法書士、弁護士がチームとして相続事案に取り組んでいます。相続分野に注力している専門家が集まっているため、単なる連携にとどまらない質の高いサービスを提供することが可能です。
専門家ならではの視点で問題を見ることによって、依頼者が望んでいた以上の結果につながることもあります。そのためにも、チーム内での情報共有を徹底し、知恵を出し合うよう努めています。
ワンストップで対応することは、依頼者の手間やコストを削減するメリットもあると思います。
家庭裁判所の調停員を務められていたそうですが。
調停員として多くの相続案件に関わった経験が、今の業務に活かされていると感じています。端的に言うと、相続案件の経験数が多いこと、また、最後の砦となる裁判所が重視するポイントの見極めができるということです。ポイントを見極め、流れや結果を推測することでスムーズな解決につなげています。
「問題を大きくしたくない」と、調停や訴訟に持ち込むことを躊躇する方もいますが、裁判所に公平な判断を下してもらうことでよい結果を得られるケースもあります。裁判所も行政サービスの一種ですから積極的に活用していいと思いますし、有効であると想定される場合には、早い段階で提案するようにしています。
相続ならではの難しさはありますか。
相続問題は感情が大きく関係し、金銭的な損得を超えてただただ感情的に合意できないというような、一筋縄でいかない事案が多々あります。
そのようなときには、調停委員の経験から得た、法律に基づいて第三者が判定することのメリットを伝え、依頼者に納得してもらえるよう尽力しています。
合理的でない感情的な問題を分散させたり蒸発させたりするのは容易ではありませんが、大切な過程だと心に留めています。
高い熱量で依頼者や相手方弁護士と対話する。思いをしっかり受け止めて対応を
仕事をする上で、大切にされていることを教えてください。
依頼者や相手方と顔を合わせて、しっかり話を聞くことです。コロナ禍で直接顔を合わせることが少なくなりましたが、可能な限り足を運び、顔を見て話すようにしています。
そして、問題を解決するにあたっては、「依頼者がこだわっている点は何か」「なぜこだわっているのか」を聞き取った上で、そのこだわりが相手に伝わるように代弁することに注力しています。
相続問題では、親や兄弟への思いなど、感情が問題解決のさまたげになっていることが多々あります。依頼者の思いを相手が受け入れるかは別として、その思いを弁護士が受け取って伝えることが、依頼者の納得や満足感を得るために、不可欠な工程だと思っています。
どのようなときに、やりがいを感じますか。
相続は近親者が亡くなったことにより発生する手続きですから、依頼者の多くは悲しみを抱えています。兄弟や親族と遺産でもめていれば、さらにつらい思いをされていることでしょう。そのようなもつれた関係に介入し、依頼者のつらい思いを少しでもやわらげることができたときに、充実感が得られます。
過去には、相続問題を解決することで絶縁状態の兄弟に再び交流が生まれたケースもありました。相続は関係者の感情や関係の修復にもつながる問題なだけに、無事に解決できたときは達成感も大きいです。
最後に、相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続により(遺言による場合を含む)不動産を取得した相続人は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました(相続登記の申請義務化、令和6年4月1日施行)。また、遺産分割協議の成立により、不動産を取得した相続人は、遺産分割協議が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記の申請をしなければならないこととされました(正当な理由なく申請をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがあります)。
相続問題が発生した場合、上記法改正も行われたことから、法律と税の観点で正しい知識を得ることが大切です。そのためにも、早い段階で専門家に相談することを勧めます。
当事者同士で話し合いをするだけでは、問題を煮詰めるだけです。解決しなければならない税法上の問題や法律上の仕組みなどをしっかりと理解することは、金銭的にも時間的にも大きなメリットにつながります。
実際に依頼するかどうかは、相談して話を聞いてから考えれば大丈夫ですので、まずはご相談ください。