仙南に根差した身近な法律事務所。一人ひとりの悩みに寄り添い、相続問題を早期解決へ
宮城県柴田郡大河原町「弁護士法人菅原・佐々木法律事務所仙南事務所」の田中俊男弁護士(仙台弁護士会所属)に、遺産相続案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みなどを聞きました。相談のハードルをできる限り下げ、身近な存在でありたいと話す田中弁護士。「1人で抱えていたことを打ち明けるだけでも気が楽になる」と呼びかけ、相続で悩む方々を親身にサポートします。
インタビュー
傾聴を大切に、どんな悩みも受け止めます
これまでの経歴を教えてください。
大学卒業まで埼玉県大宮市(現さいたま市)で過ごし、東北学院大学法科大学院への進学を機に宮城県に参りました。その後、2015年に弁護士になり当事務所に入所しました。
当事務所は現在、私が所属している仙南事務所以外に、古川事務所、仙台事務所があります。私が入所したときは古川事務所のみだったので、古川事務所で数年経験を積み、2017年に仙南事務所の所長に就任しました。
事務所として、どういったことを大切にされていますか。
身近な存在であることを大切にしています。弁護士が非常に少ない仙南や古川に事務所を構えているのもそのためです。
というのも、宮城県内の弁護士の多くが仙台市内に事務所を構えています。大河原から仙台市内の事務所まで相談に行くのは、その気になればそれほど遠くありません。ただ、小さなお子さんがいたり、ご高齢の方や持病をお持ちの方には、簡単なことではありません。
そもそも弁護士に相談すること自体に敷居の高さを感じる方が多いので、物理的な距離が離れてしまうと相談を諦めてしまう可能性は十分に考えられます。だからこそ、家や職場の近くに法律事務所がある意義はとても大きいと思っています。
「そもそも弁護士に何を相談してよいかわからない」という方もいらっしゃるのでしょうか。
そうですね。ですから当事務所では、どのような相談でも初回相談は無料にしています。これも、悩んでいる方にとって身近な存在でありたいという想いからです。無料にすることで、「自分の悩みは弁護士に相談することなんだろうか」「相談料を無駄にしたくない」といったハードルをなくし、気軽にご相談いただきたいと思っています。
依頼者とのコミュニケーションで心がけていることを教えてください。
初めて弁護士に相談・依頼する方も多いです。ですから、まずはしっかりお話を聴くことと、できるだけ専門用語は使わず、わからないことは何度でも説明することを心がけています。
私自身は割とフランクに話すタイプで、いかにも弁護士という感じの雰囲気ではないと思っています。「話しやすい」と言っていただくことも多いですね。
相続問題を解決に導く道しるべに
相続分野に注力している理由を教えてください。
相続は誰もが経験しうるものです。ところが相続に関する法律的な知識を持っている方は多くありません。その結果、自分が持っている権利に気づかなかったり、いつの間にか不利な遺産分割をさせられる可能性もあります。
また、相続人同士の仲が悪い場合や、相続人の中に疎遠な人や会ったこともない人がいる場合などは、話し合いをすること自体が難しいでしょう。
そこで当事務所が、相続問題を解決へ導く道しるべになれたらと思って力を入れています。
相続についてよくある相談内容を教えてください。
親や配偶者が他界して、なにから手を付ければよいのかわからないというご相談が多いです。また、相続人同士で話し合ったけれど前に進まない、亡くなった方と同居していた相続人が遺産を使い込んだ疑いがあるというご相談も寄せられます。
不動産に関する相談も多いです。特に、農地や山林は売却が難しく、かといって全く管理しないわけにもいかないので、処分に困って相談に来られる方が多いですね。
ほかにも、「不公平な遺言に納得できないため何か方法はないか」「亡くなった人の借金が発覚したので相続放棄を検討している」「遺言を作成したい」など、相続全般についての相談が寄せられます。
遺産分割協議の依頼を受けた場合、どのように進めていかれるのでしょうか。
まずは、遺産分割協議の進め方について十分に説明した上で、依頼者の方の意向を確認しますが、依頼者の方に強いこだわりがなければ、遺産分割調停の申立てを提案します。
理由としては、調停外での示談交渉という形で他の相続人の方々に文書等で連絡をしても、思うように回答していただけないケースは少なくありませんし、連絡が取れたとしても、相続人全員で合意に至らなければ、結局は調停の申立てを検討せざるを得ないためです。
また、調停であれば、中立的な調停委員が協議に参加するため、双方にとって納得のいく解決が期待できます。
弁護士に依頼せず自分で調停に臨む方もいますが、弁護士に依頼するメリットを教えてください。
一つは、申し立ての手間が省けることです。調停申立書を作って、被相続人の出生から死亡までの戸籍や登記簿など遺産に関する資料を集めて提出するのは、不慣れな方だとかなり大変です。
また、調停では専門的な話も出てきますので、法律知識がないと、調停委員に自分の主張を正確に伝えたり、相手の主張に反論したり、的確な証拠を提出するのは難しいと思います。弁護士に依頼すれば、調停に同席し、依頼者に有利な証拠を提出したり、調停委員や相手方を説得したりするなどして、調停が有利に進むようサポートを受けられます。
3つの支店が連携し、よりよい解決をはかる
相続問題を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
親族間の争いなので、相続問題が解決した後も一定の関係が続きます。弁護士として、依頼者の利益を実現するために尽力することは当然ですが、他の相続人に対する配慮も忘れずに対応するようにしています。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いを教えてください。
県内に3つの支店を構えている事務所は、2024年現在、宮城県内では当事務所だけだと思います。他の支店の弁護士とも連携を取り、他の弁護士の知識や経験を借りられますし、互いに意見やアイディアを出し合い、よりよい解決を目指せることが強みです。女性弁護士がいる支店もあるので、「女性弁護士に相談したい」と希望される方には可能な限り対応しています。
私自身の強みでいいますと、弁護士として約10年のキャリアを重ね、大半を仙南で過ごして様々な相談・依頼に対応してきました。その結果、幅広い分野に対応し、解決する力が磨かれたと思います。
弁護士と話すだけで肩の荷が下ります。早めに、気軽にご相談ください
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
一つは、相続に関する法律や制度を正確に理解できることです。もちろんインターネットでもある程度の情報は手に入りますが、自分のケースに当てはめるとどうなるのか、実務的にはどうなのかということは、やはり実際に弁護士に相談してこそわかることです。
また、話をすることで状況や気持ちの整理ができて、気が楽になる方も多いです。
相談は早いほうがいいのでしょうか。
そうですね。これまで受けた相談の中にも、相続放棄の期限である3ヶ月を過ぎてしまっていたケース、すでに相続人同士で合意書を交わしてしまっていたケースもありましたので、早めにご相談いただくに越したことはありません。
早めに相談することで、未然に防げるトラブル、小さなうちに解決できるトラブルはたくさんあります。無駄な時間や労力、費用をかけないために、疑問や不安を感じたら弁護士に相談し、今後の指針についてアドバイスを受けることをお勧めします。
相続トラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続は誰もが経験しうることで、お金も感情もかかわってくる問題です。弁護士に相談することで解決の糸口が見つかることは多いですし、相談した結果「相談するほどのことでもなかった」とわかるだけでも肩の荷が下りるはずです。
当事務所では相続対策にも力を入れています。相続発生後にトラブルになるケースの多くは、遺言が残されていません。「子どもたちが仲良く分けてくれるだろう」と楽観視して、何も対策を講じずにいるのはリスキーです。相続人の関係性や財産の内容を踏まえて、適切な遺言書作成をサポートしますので、ぜひ一度ご相談ください。