対話を重ねて依頼者のこだわりを見極め、成就に導く。つきあかりのように解決までの道を照らします
山梨県甲府市中央で「つきあかり法律事務所」を経営する中川泰徳弁護士(山梨県弁護士会所属)に、遺産相続案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みなどを聞きました。依頼者の本当の要望や目的を見つけて成就させるために、コミュニケーションに重きを置く中川弁護士。「早く暗闇から抜け出し、自分らしい人生を歩んでほしい」という思いで、依頼者の問題解決をサポートしています。
インタビュー
明けない夜はありません。解決までの道を照らし、ガイドとしてともに歩みます
これまでの経歴を教えてください。
石川県出身で、中央大学法学部と立命館大学法科大学院(ロースクール)を卒業しました。2010年に弁護士になり、甲府市内の法律事務所に所属した後、2018年に当事務所を設立しました。元々独立志向があり、自分の考えや想いに沿って事務所を運営したいと思っていたことが独立した大きな理由です。
事務所の理念を教えてください。
「夜明けまでの道を照らす」を理念にしています。「つきあかり法律事務所」という事務所名も、「つきあかりのように、夜が明けるまで道を照らしてともに歩んでいく」という私の弁護士観を表現したものです。
トラブルや不安を抱えた状態は、真っ暗な夜の闇にいるようなものです。しかし明けない夜はないように、そのトラブルや不安も必ず解決するときが来ます。
ただ、それが法律に関することであれば、一人で解決することが難しいことも多いでしょう。そこで私が弁護士としてサポートに入り、法律的な面から、問題解決のお手伝いができればと思っています。つきあかりのように解決までの道を照らし、依頼者とともに歩むガイドのような存在でありたいです。
どのような思いでこの理念を掲げたのですか。
主役は依頼者で、私はあくまでもサポート役です。夜が明けるまで、つまりトラブルや不安が解決するまでお手伝いして、そこからまた自分らしい人生を歩んでほしい。そのような思いがつきあかりのイメージと重なり、理念に掲げました。
理念を実現するために、仕事をする上で心がけていることを教えてください。
依頼者の本当の要望や目的をはっきりさせることを心がけています。たとえば遺産分割でいうと、自宅不動産を取得することは必須なのか、過去の不平等まで是正して厳密に公平な結果にこだわるのか、厳密さは犠牲にしてでも早く解放されたいのか、自分の頑張りや感情を相手に認めてほしいのか、それとも他にあるのかーー。丁寧に話を聞いて、依頼者がどうしたいのかを探っていくイメージです。
要望や目的次第で方針も大きく変わりますし、依頼者が一番こだわっている部分を成就させてこそ真の満足・納得につながると思うので、打ち合わせには時間をかけています。
本当の要望や目的をはっきりさせるために、どういった工夫をされていますか。
まず大事なことは、「この人になら本音を言って大丈夫」と信頼していただくことです。たとえば、もし特定の相続人に対して積年の恨みがあるというなら、それを素直に認めてさらけ出していただきたいです。そのためにしっかり話を聴き、場合によっては二度、三度と打ち合わせをする中で、徐々に本音を話してもらえるように信頼関係を築いていきます。
また、自分でも本当の要望や目的がどこにあるのかわからない方もいらっしゃいます。そういう場合は、私から色々質問したりコミュニケーションを重ねたりする中でクリアにしていきます。
できるだけリラックスしてお話いただけるように、環境づくりも重視しています。法律事務所と聞くと重苦しいイメージを持つ方も多いです。当事務所では、事務所のホームページやロゴ、内装、家具選びまでこだわり、やさしく寄り添うような雰囲気を感じられるようにしました。
一度きりの人生を自分らしくデザインしてほしい
相続分野に注力している理由を教えてください。
相続には大きく分けて二種類ありまして、一つは自分が他界するときに備えて事前に行うもの、もう一つは親や配偶者などが他界して、相続人が遺産分割をして財産を相続するものです。
当事務所では事前に行うものにも力を入れています。一度きりの人生ですから、自分らしい人生をデザインしてほしいと思うからです。
認知機能が衰えたときや他界したときに自分の財産をどうするか決めるために、遺言書作成や民事信託(家族信託)など様々な方法があります。どの方法がよいのか、実際どうやって進めていくかについては専門的な知識が必要です。そこで私が弁護士としてサポートさせていただきます。
相続人が遺産分割をして相続する場合についても、多くの相談が寄せられます。当事者間で話がまとまらずトラブルになっているケースも少なくありません。できるだけ早く円満に解決することで暗闇から抜け出し、自分らしい人生を歩んでほしいという想いでサポートしています。
相続についてよくある相談内容を教えてください。
遺産分割や遺言書作成のほか、「長男に全財産を相続させる旨の遺言が見つかった。自分は1円も相続できないのか」(遺留分)、「被相続人に借金があり、相続したくない」(相続放棄)など、相続全般についてご相談いただいています。
遺産分割に関しては、被相続人が他界されてから数年経って相談に来られる方もいらっしゃいます。また、自分が全ての財産を相続すると主張する相続人がいて話し合いができなかったり、感情的な対立があって話し合いが進まないケースも多いです。
山林、畑、市場価値が低い土地・家屋などの処分に困って相談に来られるケースもあります。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
2010年に弁護士になり、当初から相続分野を扱っています。これまで多くの案件を解決してきましたので、見通しの正確さや、様々な解決方法を提案できることは強みです。
遺産分割は、調停で話し合いがつかなければ、審判という手続に移行して裁判所が分割方法を決めます。審判まで進むことは一般的に少ないですが、私は審判もそれなりの数を経験しています。最終的にどうなるかというシナリオを予測した上で戦略を立てて、依頼者に有利な結果を導けるよう対応を進めていきます。
また税理士、司法書士、不動産業者など相続案件に必要な外部専門家とも、チームとして連携しています。税務や登記などの手続きも、当事務所が窓口となって一括で対応可能です。
相談が遅れると、選択肢が少なくなったり、証拠を集められなくなったりすることも
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
自分では気づかなったことに気づけることです。見落としていた問題点がわかったり、存在を知らなかった遺産を発見できることもあります。
また、今後どういう展開になるか予測できて、先が見えることもメリットです。この先どうなるかわからないという状態は誰でも不安ですから、弁護士に相談してこれからの展開がわかることで、気が楽になることも多いと思います。
早めに相談するメリットと、相談が遅れることによるデメリットを教えてください。
早めに相談することで、選択肢の幅が広がります。反対に相談が遅れると、選択肢が狭まってしまうことが多いです。たとえば相続人同士で話し合ってなんらかの合意をすると、後から考えが変わったとしても、そう簡単にやり直すことはできません。
また、時間が経てば経つほど証拠となる資料がなくなることもあります。たとえばある相続人が遺産を使い込んだ疑いがある場合は銀行の入出金履歴を遡って調査をしますが、多くの金融機関では記録の保管期間を10年としています。遡れる期間には限界があるので、なるべく長い期間の履歴を調査するためにも、早めの相談をお勧めします。
期限が過ぎた後に相続放棄できたケースも。諦めずにご相談ください
これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。
色々ありますが、一つは相続放棄の案件です。相続放棄は原則として被相続人が他界してから3ヶ月という期間制限があるのですが、3ヶ月経過後に債権者から請求がきて困っているという相談は少なくありません。
依頼者としてはもう相続放棄はできないと思っていたけれど、そもそも債務の存在を知らなかったということで相続放棄できたケースもあります。そういった場合は、債務を払わなければいけないと思っていた状況から、一切払わなくてよいという結果になるので、とても喜んでいただけます。
遺産分割でいいますと、被相続人を介護してきたことが考慮されたり、使い込まれた遺産を取り戻せたりした結果、遺産を多くもらえて感謝されることは多いです。ただそれは、単に金額的なものだけでなく、依頼者の本当の要望や目的が叶ったとか、トラブルや長年のわだかまりが解消されたという安心や喜びからくるものだと思います。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
人それぞれ、こだわっている部分は違います。当事務所では、そのこだわりをクリアにして、様々な想いをデザインするお手伝いができると思っています。
長い人生の中で、困り事やトラブルに出会う可能性は誰にでもあります。そのときに当事務所にご相談いただき、解決のお手伝いができれば嬉しいです。いつでも相談にいらしてください。