35年超のキャリアで培った知見を駆使。丁寧な対話を通して複雑な状況を解きほぐし、納得の解決へ
埼玉県さいたま市で「菊地総合法律事務所」を経営する大塚嘉一弁護士に、相続案件を手がける上での心構えや事務所の強みなどを聞きました。問題の本質を理解するためには、依頼者の話にじっくり耳を傾けることが不可欠と話す大塚弁護士。丁寧なコミュニケーションで複雑な状況を解きほぐし、依頼者が納得できる解決を導きます。(埼玉弁護士会所属)
インタビュー
丁寧でわかりやすい説明がモットー。先行き不明な状況をクリアに
事務所設立の経緯を教えてください。
菊地総合法律事務所は、1966年に故・菊地博泰弁護士によって埼玉県さいたま市に設立されました。以来、埼玉県や東京都内だけでなく、全国各地で個人資産の問題から企業法務まで、幅広い分野の案件に取り組んできました。現在は私がその伝統を引き継ぎ、事務所を運営しています。
当事務所のロゴはひまわりをイメージしています。ひまわりは弁護士バッジにも使われていて、自由と正義の象徴です。真摯に依頼者に向き合い、一人ひとりの意向を実現するために誠心誠意サポートしたいという想いを込めて、このシンボルをロゴに取り入れました。
依頼者の満足度を高めるために、どのようなことをおこなっていますか。
依頼者の満足度を高めるためには「丁寧な説明」が欠かせません。依頼者の多くは法律に詳しくないため、先行きが不明で不安を感じます。そのため、まず最初に行うことは、依頼者の置かれている状況を整理して、わかりやすく説明することです。そのうえで、どのような法的解決が望めるのかを説明します。
依頼者が納得する解決を目指すためには、理解してもらうことが大切です。問題の背景をできるだけ掘り下げて、わかりやすく説明することが、依頼者の満足度につながると考えています。
会社経営が絡む複雑な相続案件にも対応
相続に注力している理由を教えてください。
相続に注力するようになったのは、弁護士になってすぐに大きな相続案件を任されたことがきっかけです。新人の頃、いきなり大規模の案件を担当することになり、相続や税金について必死に勉強しました。その経験を通じて、相続問題の奥深さや依頼者にとっての重要性を実感しました。
相続は家族の問題や感情が絡むことも多く、弁護士として依頼者に寄り添い、不安を解消することが大切だと強く感じました。それ以来、相続分野に力を入れ、依頼者の信頼に応えるために尽力しています。
相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
解決のための具体的な選択肢を示し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく説明して、依頼者が納得いく形で決断できるようにしています。
問題の全体像や、解決するためにどのような方法があるのかを十分に理解している方は少ないです。私は経営者の方から相続について相談を受けることが多いのですが、事業承継に関する問題に直面した際には、株式買取請求や事業承継、M&Aなど、複数の解決策が考えられます。できるだけ多くの選択肢を依頼者に提示し、「限られた方法しか残されていない」というような思い込みを払拭するよう心がけています。
相続問題は親族間で生じるため、当事者同士が感情的に対立しやすいという特徴があります。同族会社の株式や経営権が絡むとさらに複雑です。問題を解決するにあたっては、状況を整理し、当事者それぞれの立場や利害関係を明確にすることが重要といえます。
例えば、相続人の一部に株式と代表権を一致させ、別の相続人に代償金を与えるなど、依頼者の希望に沿った解決策を提案しています。利害対立が明らかになることで、関係者の主張が整理され、解決の方向性が見えてきます。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
他の専門家と密に連携し、依頼者に幅広いサポートができる点です。税理士や司法書士、行政書士、さらには社会保険労務士など、各分野の専門家と協力しながら対応しています。
特に相続案件では、税金や資産管理が重要な課題になることが多いため、税理士と連携して税務的な観点からも的確なアドバイスを提供できるのが当事務所の特徴です。相続に関するどのような悩みにもワンストップで対応できる体制が整っていることが、依頼者にとって大きなメリットだと考えています。
また、私自身の幅広い経験と知識も、相続案件の解決において役立っています。刑事事件や税務訴訟など、相続以外の分野で培った経験が、複雑な相続問題に対して新たな視点や解決策を提供する助けとなります。相続はその人の人生の総仕上げであり、様々な要素が関わってくる問題です。幅広い知識を活かして、最善の解決に導けるよう尽力しています。
弁護士に相談し、正確なアドバイスを得ることが安心につながる
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
インターネットや書籍では一般的な情報しか得られません。弁護士に相談すれば、個別の事情を踏まえて、その問題を解決するために最適な方法を提示してもらうことができます。今ある悩みを解決するための道筋が分かれば、安心して相続に向き合えるでしょう。
相談のタイミングは早ければ早いほど良いです。早い段階で相談すれば、問題が大きくなる前に適切な対処ができ、スムーズな解決につながることが期待できます。また、多くの選択肢の中から解決の道筋を選ぶことができ、依頼者の希望に沿った結果につながる可能性が高いことも、早めに相談するメリットです。
逆に、相談が遅れると、できることが限られてしまいます。相続の手続きの中には相続放棄や遺留分侵害額請求など、期限が決まっているものがあります。期限を過ぎると権利がなくなり、借金を引き継ぐことになったり、本来受け取れるべき遺産が受け取れなくなったりするなど、依頼者にとって不利益が生じる可能性があります。
実際に、「もっと早く相談していればよかった」と後悔する方は少なくありません。少しでも悩みや不安があれば、相談だけでも構いませんので気軽にお越しください。ご事情を伺って、今後の見通しを説明させていただきます。
どのような話も丁寧に聞き、問題の本質を探る
初回の相談ではどのような対応をしているのでしょうか。
じっくり話を聞くことを大切にしています。依頼者の中には、感情が先立ち思いをぶつけたい方や、複雑な事案を抱えている方がいます。感情的になって話が脱線することもあれば、しっかりと理論立てて話す方もいます。
大切なのは、感情的な部分や複雑な事情の中で、何が本当に重要かを見極めることです。
時には本題と関係のない話が出てくることもありますが、それも全て聞いた上で、必要な情報を抽出していくことが重要です。依頼者が考える重要な点が実は核心ではないこともあります。まずはよく話を聞いて全体像を把握した上で、重要なポイントとそうでないことを整理し、解決のために必要な対応を進めていきます。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続問題でお悩みの方は、気軽に弁護士に相談してみてください。多くの方は、自分の抱えている問題がどこにあるのか、何が重要なのかを把握できていないことが多いです。解決策についても「これしかない」と思い込んでしまうことがありますが、実際には多くの選択肢が存在します。
弁護士に相談することで、問題が整理され、複数の解決策を見出せる可能性が高いです。1人で抱えていてもなかなか状況は良くなりません。弁護士の専門的なアドバイスを受けることで、解決に向けて前進できます。ぜひ、勇気を出してお問い合わせいただければと思います。