依頼者が望むゴールを目指し、交渉力で相続トラブルを迅速に解決「相続を争続にしないために」
大阪府大阪市北区「野口&パートナーズ法律事務所」の近藤秀一弁護士に、相続案件に取り組む上での心構えや事務所の強みを聞きました。「迅速かつ親身な対応」を大切にし、依頼者の感情面にも配慮しながら問題解決にあたる近藤弁護士。相続における弁護士の役割や印象に残る案件、相続で悩む方々へのアドバイスなども話していただきました。(大阪弁護士会所属)
インタビュー
依頼者の課題を解決するため、具体的なアドバイスを提供
これまでのキャリアについて教えてください。
2010年に弁護士資格を取得し、法律事務所でキャリアをスタートさせました。2014年から1年ほど、東証1部上場のメーカーで企業内弁護士として勤務し、その後、現在の事務所に入所して今も企業法務を中心に活動しています。
企業内弁護士を経験したのは、ビジネスの現場に身を置くことによって、企業内で生じる法律問題により深く関われると思ったからです。この経験を通じて、企業法務の問題を実務的に捉える力が磨かれ、ビジネス全体を俯瞰する包括的な視点が養われました。
事務所として、企業法務とともに力を入れているのが相続です。代表の野口大弁護士は相続に関する書籍を執筆しており、解決実績も豊富です。事務所には個人・法人の双方から、相続に関する悩みが寄せられます。
特に中小企業にとっては事業承継の対策が重要な課題で、経営者から多数の相談が寄せられます。顧問業務とも切り離せない分野であり、私自身も、相続案件に力を入れて取り組んでいます。
依頼者の満足度を高めるために、どのようなことをおこなっていますか。
迅速かつ親身な対応を大切にしています。企業内弁護士としての経験から、スピードが信頼の基盤であることを学びました。迅速な対応を心がけつつ、依頼者一人ひとりに寄り添う姿勢を大切にしています。
また、当事務所はコンサルティング型のアプローチを採用しており、依頼者の課題解決を最優先に考えています。
たとえば、企業の担当者から「問題がある社員を解雇できますか」と相談を受けた場合に、「法律上、解雇はハードルが高いので難しいです」と答えるだけでは課題解決になりません。
解雇が難しいなら、退職してもらう方向でアプローチできないかと検討します。その上で、「注意指導書を渡して、退職勧奨を行うという方法があります。後から裁判を起こされないようにするために、こういうことに注意して進めてください」というように具体的なアドバイスを提示することを大切にしています。
このようなアドバイスは、依頼していただくかどうかにかかわらず伝えています。せっかく相談に来ていただいたのですから、「法律的にできるか・できないか」ということ以上の情報を提供したいと思っています。もちろん、企業法務だけではなく相続問題についても、依頼者の課題解決に役立つ具体的なアドバイスを提示しています。
経済的利益、家族関係の修復…依頼者の希望を尊重し、相続問題のゴールを設定
相続についてよくある相談内容を教えてください。
最も多いのは、遺産分割や遺留分侵害額請求、相続放棄に関する相談です。特に、相続人同士の話し合いがまとまらず、最終的に弁護士に相談に来られる方が多いです。また、遺言書の作成依頼も承っています。
相続問題は感情が絡み合い、複雑になることが多いため、弁護士に早めに相談し、適切な証拠や記録を集めながら進めることが重要です。
相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
依頼者の感情や状況にしっかりと寄り添うことです。相続は、単なる法律問題ではなく、家族間の複雑な感情や関係が深く絡むことが多いため、依頼者の希望を丁寧に聞き取り、ゴールを明確に設定することが重要です。
初回相談の段階で、依頼者にできる限り正確な見通しをお伝えし、ポジティブな面だけでなく、裁判に進んだ場合のリスクも含めて説明するよう心がけています。こうすることで、依頼者が後々「想定と違った」という不満を抱かないように配慮しています。
依頼者によっては、経済的利益を最優先する方もいれば、家族関係を修復したいと望む方もいます。そのため、解決策を選ぶ際には、依頼者の意思に基づき、どの方針が最も適しているかを一緒に相談しながら進めていきます。法律の基準と依頼者の希望が一致しない場合もありますが、その際には法律の枠組みを丁寧に説明し、納得いただける形で対応を進めています。
相続は家族問題としても捉えられるため、依頼者の感情に配慮し、家族関係を円満に解決する方法を優先することもあります。逆に、すでに関係が断絶している場合には、経済的利益を最大化する方法に重点を置くなど、状況に応じた柔軟な対応が必要です。依頼者が最も望む結果を目指し、問題解決に取り組んでいます。
多分野の専門家との連携も可能 複雑な問題もスムーズに
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
強みは、依頼者に寄り添い、わかりやすく丁寧にサポートする姿勢です。法律の専門用語はできるだけ使わず、相談に来られた方が安心して話せる雰囲気作りを大切にしています。
複雑な問題も、解決までの道筋をわかりやすく説明し、その場で具体的なアドバイスをお伝えします。初回の段階でしっかりと見通しをお伝えし、良い点もリスクも正直に説明し、依頼者が納得した上で進められるように心がけています。
また、必要に応じて、不動産や税務などの専門家と連携し、ワンストップで対応できる体制を整えています。代表弁護士は相続問題に関する書籍も執筆しており、豊富な経験と実績がありますので、難しい案件でも最適な解決策を提案できる自信があります。
家族間のトラブルや経営者の相続問題など、デリケートな状況にも配慮しながら、依頼者が最も満足できる結果を目指してサポートします。気軽に相談できる弁護士として、問題解決に向けて全力でお手伝いいたします。
これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。
相続に関する使い込みの案件が特に印象に残っています。依頼者である兄が、弟がすべての遺産を使い込んでいるのではないかと疑い、相談に来られました。このケースでは、最初の段階で証拠がほとんどなく、弟も使い込みを一貫して否定していました。さらに、兄弟間の関係は10年以上も断絶しており、交渉にあたっては非常にデリケートな対応が必要でした。
まずは金融機関から取引履歴を取り寄せて調べたところ、現金の頻繁な出金が確認できました。弟がそのお金を受け取っている可能性が高いと考え、交渉を開始しました。相手方を感情的にさせないように穏やかな態度で接し、協力的な姿勢を強調しました。書面を作成する際も、攻撃的な表現を避けた柔らかい言葉遣いを心がけ、相手方の警戒心を和らげることを重視しました。
最終的には、弟が母親から生前贈与を受けていたことを認め、双方が納得のいく形で遺産を公平に分割できました。この案件では、証拠の収集とともに、感情に配慮した交渉が成功の鍵となりました。裁判に持ち込まず交渉による早期解決を実現できたことで、依頼者が大変喜んでくださり、今でも印象に残っている案件です。
早期に相談することで、問題解決が有利に進む
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
なるべく早めに弁護士に相談することで、問題解決を迅速に進めるための対策を講じやすくなります。特に、相続財産の使い込みが疑われる場合や、感情的な対立が生じる可能性がある状況では、証拠を確保するための早めの対応が重要です。相手がまだ弁護士に依頼していないなど準備が整っていない段階であれば、有力な証拠を得やすく、問題解決を有利に進めやすいです。
相手に対して、「遺産を使い込んだだろう」などと直接疑いを伝えると、相手が感情的になって冷静に話ができなくなってしまうリスクがあります。ご自身で行動を起こす前に弁護士に相談し、誰から・いつ・どのように話を切り出すか、といったことについて対策を練ることで、適切なアプローチが可能になります。
相続を「争族」にしないために、状況がこじれてしまう前にご相談ください。法的手段によって解決に向かう道筋を示し、スムーズに問題を収められるようサポートします。
初回の相談ではどのような対応をしているのでしょうか。
まず依頼者の状況や希望を詳しく伺い、不安や悩みを理解します。その上で、手続きや今後の進め方をわかりやすく説明します。
専門用語を避け、シンプルでわかりやすい言葉を使って問題の全体像や選択肢を整理し、依頼者が次のステップに進める道筋を明確にすることを目標としています。また、法律的なアドバイスを提供するだけでなく、依頼者の感情に寄り添って不安を軽くすることも重視しています。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続について、「揉めそうだな」「自分で手続きを進めるのは大変だな」などと不安に思ったら、早めに弁護士に相談することをおすすめします。問題が大きくなる前に適切な対策を取ることができ、スムーズな解決につながることが多いです。
弁護士への相談は敷居が高いと思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。リラックスして相談できる環境を整えてお待ちしていますので、安心してお越しください。また、当事務所では、相続案件では着手金なしや完全成功報酬型での対応も可能です。費用面が不安な方もぜひ一度ご相談いただければと思います。
実際に、「もっと早く相談しておけばよかった」との声をいただくことも少なくありません。弁護士が介入することで、問題の全体像が見えて法的な解決策が明確になり、気持ちも楽になるはずです。どうか一人で悩まず、気軽に相談にいらしてください。