枚方で地域に寄り添う法律サービスを。相続に力を入れる事務所が語る独自の強み
大阪府枚方市「弁護士法人ひこぼし法律事務所」の山本大士弁護士にインタビューを行いました。平日夜間・土日の相談にもできるだけ対応する、一人ひとりに合わせてコミュニケーション方法を変えるなど、依頼者ファーストの姿勢で問題解決に取り組む山本弁護士。事務所の理念や弁護士として大切にしていること、注力する相続の対応方針、事務所の強みなどを聞きました。(大阪弁護士会所属)
インタビュー
枚方に根ざした法律事務所。依頼者のニーズに応える充実のサポートを提供
枚方市に事務所を構えた理由を教えてください。
「地域の方々に身近な法律サービスを提供したい」という思いからです。以前は大阪市内の事務所で勤務していましたが、少し離れた地方都市に住む方々が相談に来るのは大変だなと感じていました。そこで、枚方市に事務所を開設することにしたのです。事務所名の「ひこぼし」には、枚方への想いを込めました。
実際今では、事務所に相談に来る方の7〜8割が枚方地域の近隣にお住まいの方々であり、地域の方々が近場で相談したいというニーズがあることを実感しています。また、平日の夜や土日に相談したいというニーズもあります。特に平日の夜遅くの相談希望は多いですね。そういった時間帯にもできるだけ対応できるよう、心がけています。
事務所の理念や大切にしていることは何ですか?
改めて言葉にするならば、「枚方に根を下ろし、地域の方に法的サービスを届けること」です。そのために、相談時間の幅を広げるなど、依頼者のさまざまなニーズに応えています。また丁寧なコミュニケーションも欠かせません。具体的には、事件の内容を丁寧に聴取すること、わかりやすく説明すること、そして定期的に報告することなどを心がけています。
また依頼者との最適なコミュニケーション方法は、人によって異なります。LINEや携帯電話を使うこともありますし、メールや書面で報告も行うこともありますね。大切なのは、依頼者一人ひとりに合わせたコミュニケーション方法を選ぶことです。
例えば、初めてお会いする方、弁護士とのコミュニケーションに慣れていない方には、何かあるたびに細かく連絡します。一方で、継続的に依頼いただいている方や、関係性が構築できている方には、ある程度お任せいただき、一区切りついたら連絡するという形を取ることもあります。
このように、人を見て適切な対応を変えられることも、特徴の一つです。経験を積むにつれて、依頼者がどのようなコミュニケーション方法を求めているのか、どの程度の報告頻度が適切か、見極められるようになりました。信頼関係を構築するうえで、適切なコミュニケーションは欠かせないと考えています。
依頼者に寄り添いながら最適な解決策を模索
相続という家族トラブルならではの対応の難しさはありますか?
たしかに相続トラブルは家族間の感情的な対立が大きくなりがちですが、他の分野とそれほど大きな違いはないと思います。どのような依頼においても、弁護士の仕事は、最適解を見つけたうえで淡々と法的手続きに沿って対応することです。
一方で、手続きは淡々と進めるものの、相続では感情的な部分を含め、丁寧に話を聞くことも欠かせません。なぜなら、その中に解決のヒントがあることが多いからです。
例えば、感情的になっている原因をよく聞いていくと、「生前に財産を分けてもらっていた相続人がいた」「親の介護をしていたのに、取り分が他の兄弟と同じなのは納得できない」などの事情がわかる場合もあります。このような話は、最適な解決策を検討するうえで大きく影響する可能性があるため、見落としてはなりません。
依頼者の話をよく聞いたうえで、どのような主張を組み立てていくかを考える必要があります。
相続トラブルの対応をするうえで、心がけていることはありますか?
相続では、話し合い(交渉)で解決を目指すのか、最初から法的手続き(調停や審判など)を利用するのか、その判断が重要です。ただし経験上は、話し合いをしてもうまくいかないケースが多いですね。相談に来た時点で、すでに相手と敵的関係になっていることも少なくありません。
そのような場合は、裁判所で中立的な立場の人を介して話をすることが相手のためにもなると考え、法的手続きを選択することが多いです。その方が、結果的に早く解決できることは多いですね。話し合いの場合は、お互いに譲れないところが出てくると、譲歩することが難しくなってしまいます。
しかし、法的手続きを活用すると、話し合いよりも時間や費用がかかるというデメリットはあります。それを考えると、早期解決という観点では、法的に見て100もらえる権利があったとしても80くらいで合意するのが良いケースもあるのは事実です。
ただ、交渉段階ではそのような譲歩が難しいのですよね。また、依頼者が少し譲歩した方が合意できる可能性があったとしても、最初から諦めるような選択肢を提示するのは違うと思っています。弁護士は依頼者の利益を最大化する存在ですから。バランスを見極めつつ、最適な解決方法を提示するのが弁護士の重要な役割だと考えています。
初回相談時に、特に注意していることがあれば教えてください。
相続関係図をその場で作成するようにしています。これは、解決の基礎となる前提条件を正確に把握するためです。相続分や遺留分の有無などに関わる重要な要素のため、絶対に間違いがないようにしています。
また、依頼者の希望をしっかりと聞くことも重視しています。早期解決を望むのか、それとも利益の最大化を望むのかは依頼者によって異なりますし、依頼者の希望によって最適解が変わるからです。
一方で、解決までの過程で希望が変わっていくこともあるので、その都度確認することが重要です。初回相談時の希望はもちろん、手続きが進むにつれて変化する依頼者の気持ちにも寄り添いながら、常に最適な解決方法を模索しています。
相続トラブル解決のために重要なこと
相続における事務所の強みを教えてください。
事務所の強みは、主に4つあります。
1つ目は、枚方で相談できることです。地域に密着した法律サービスを提供することで、近隣にお住まいの方々が気軽に相談できる環境を整えています。
2つ目は、共同受任できる体制が整っており、どのような依頼にも対応可能なことです。事務所内の弁護士同士での協力はもちろん、場合によっては他事務所の弁護士と協力してトラブル解決を目指せます。相続人の人数が多い、複雑な争点が多くある、場所的な要素で一事務所だけの対応が難しい…などの事情がある依頼にも、対応可能です。
3つ目は、他士業との連携を意識していることです。特に税理士との連携は重視しています。相続では税務的な側面も重要になってくるので、他士業と協力することで、より総合的なサービスを提供できると考えています。
そして4つ目は、できるだけ足を動かすようにしていることです。不動産がある場合はもちろん、相続人と話をする必要のある場面でも、できるだけ直接会いに行くようにしています。遠方であっても、神戸の西の方や三重県など、県を越えて足を運ぶことがあります。
時間をかけても会いに行く、足を運ぶ理由は何ですか?
なぜそこまでするかというと、相続の詳細を説明するときは、実際に会って説明した方が伝わりやすいからです。直接会えば、図を描きながら詳細に説明することもできますよね。特に、相続で関係者となる方々は70代以上の高齢者が多いので、オンラインで話すことが難しいこともあり、直接会って丁寧に説明することが重要だと考えています。
実際、足を運んで直接話をすることで、相手が主張を譲歩してくれることもあります。直接会わずに電話などで連絡を取っているだけだと主張が強くても、実際に会うと軟化することがあるのですよね。電話だと、つい気が大きくなってしまうのかもしれません。面と向かって話す機会を設けることで、合意できることは多いですね。
これらの強みを活かして、依頼者にとって最適な解決方法を見つけられるよう努めています。
一緒に解決の糸口を見つけませんか
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
まずは話をしに来ていただきたいです。当事務所では「弁護士と話すのは初めて」という方も多いため、堅苦しくならないよう、話しやすい環境作りを心がけています。自然体でありのままを話せるよう、丁寧に話を伺いますので、安心してご相談ください。
相続トラブルで長い間もやもやと悩み続けるのは、決して良いことではありません。話をすることで、少しでもその悩みが解消できればと思います。必ずや、次への一歩を踏み出せるはずです。