生まれ育った地元で開業し、地域の事情にも精通。依頼者の心に寄り添い、相続問題の解決をサポート
神奈川県横浜市都筑区で「都筑港北ニュータウン法律事務所」を経営する塚田雅久弁護士(神奈川県弁護士会所属)に、遺産相続案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みなどを聞きました。横浜市北部地域出身で、地元の皆様のお役に立ちたいという想いから事務所を開設したという塚田先生。「目に見えないもの」を大切にしているというお考えや心がけていることなども話していただきました。
インタビュー
依頼者の人生の一大事に伴走し、元気づける存在でありたい
これまでの経歴について教えてください。
横浜市北部地域出身で、中央大学法学部・中央大学法科大学院(ロースクール)を卒業して司法試験に合格しました。2016年に弁護士になり他の法律事務所で経験を積んだ後、2020年に当事務所を開設しました。
どういった想いで、事務所を開設されたのですか。
いずれは独立して自分の事務所を構えたいと思っていました。相続や離婚といった身近な法律トラブルを解決したいと思い弁護士になったこともあり、個人の方が相談しやすい事務所にしたいと考えたんです。そこで私の地元であり、多くの方がお住まいのこの地域に開設しようと決めました。
横浜市中心部には多くの法律事務所がありますが、都筑区からアクセスするとなると、近いとは言えません。ですから当事務所は、この地域にお住まいの方がすぐに相談できる身近な存在でありたいと思っています。
事務所として、どういったことを大切にしていますか。
多くの方にとって、弁護士に依頼するというのは一生に一度あるかないかの出来事です。弁護士はその一大事に伴走させていただく仕事なので、悩み、苦しみを抱えている依頼者を元気づけるためにも、気力、勇気、心、つながり、コミュニケーションなどの「目に見えないもの」を大切にしています。
そう思うようになった理由を教えてください。
今はインターネットやAIを使えば、法律に関する答えはある程度わかります。ですから弁護士に依頼するかどうか、どの弁護士に依頼するかというのは、弁護士の人柄や相性も含めて考えると思うんです。
私は、依頼者を元気づけられる弁護士でありたいと思い、このような理念を掲げました。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いは何ですか。
私は横浜市北部地域出身なので、この地域のことをよく知っています。不動産相場なども頭に入っていますし、話が早いというのは当事務所の強みです。
また相続では、不動産、税務、登記なども複雑に絡み合うことから、様々な専門家との連携が不可欠です。当事務所には信頼できるネットワークがありますので、必要に応じて私から専門家に相談したり、依頼者へ紹介したりすることもできます。
依頼者とのコミュニケーションで心がけていることを教えてください。
迅速かつ丁寧に対応することを心がけています。
依頼者は、自分が依頼した案件が今どうなっているのか、ちゃんと進んでいるのかといったことを不安に思われます。ですから、何か動きがあるたびにきちんと報告したり、今後の予定や見通しなどを適宜ご説明しています。私自身が誰かに頼みごとをするときも、報告がないと心配になりますから、そうならないように気をつけています。
また、事務的な連絡であればメールやLINEも使っていますが、大事な局面では電話や事務所にお越しいただいてしっかりお話するようにしています。
相続は弁護士としての力量を発揮できる分野。使い込みなど困難なケースの解決実績も
相続分野に注力している理由を教えてください。
相続は、今ある遺産を法定相続分で分ければよいという単純な話ではなく、問題点が多岐にわたることが多いですし、法律も難しい分野です。弁護士の専門的な知識や経験に基づく対応が必要といえます。
特に遺産が多いケースでは、弁護士によるサポートを受けるかどうかで受け取れる金額が大きく変わることも少なくありません。感情的な対立をどう収めるかも含め、弁護士としての力量を発揮できる分野なので力を入れています。
相続について、どういったご相談が多いですか。
遺産分割、遺言書作成、遺留分侵害額請求が多いですが、相続全般についてご相談いただいています。
遺産分割では、どのような場合に問題が大きくなるのですか。
ケースバイケースですが、不動産や株式など、ある程度高額な遺産がある場合、介護に尽力したことを評価してほしいといった寄与分に関する主張がある問題、被相続人と同居していた相続人が遺産を使い込んだ疑いがある場合などが多いです。
使い込みを証明することは簡単ではありませんが、裁判で数百万円を取り戻した実績もありますので、諦めずにご相談ください。
遺言書は、どういったタイミングで作る方が多いですか。
まだお若く元気なうちから作る方もいらっしゃいますし、病気などをきっかけに作る方、年齢を重ねて「そろそろ書いておいた方がいいかな…」と思ったタイミングで相談に来る方もいらっしゃいます。
遺言書の内容が決まっていない場合や、作るかどうか迷っている場合でも、一緒に考えながら進めますのでご安心ください。
複雑で迅速な対応が求められる案件でも、依頼者の意向に沿って最大限努力します
遺産分割の依頼を受けた場合、どのように進めていかれるのでしょうか。
ケースバイケースですが、まずは私が依頼者の代理人として、他の相続人と交渉してみることが多いです。交渉での解決が難しそうであれば、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。ただ、裁判所を使うことに抵抗を感じる方もいらっしゃいますので、依頼者としっかり話しながら方針を決めていきます。
他の相続人と話すときも、法律的なことをきちんと説明したり、感情的な対立をほぐしていったりして、できる限りスムーズに解決できるように意識しています。本人同士だと険悪になってしまう場合でも、弁護士から話すことで前進するケースも多いです。
これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。
どの案件も印象に残っていますが、特に覚えているものがあります。この案件では、依頼者の叔母が他界されて、子どもがいなかったので、兄弟姉妹つまり依頼者の親が法定相続人になるはずでした。ところが依頼者の親はすでに他界していたので、代襲相続で依頼者が相続人となり、もう一人の相続人は別の叔母でした。
ただ、依頼者は、相続人となった叔母と全く面識がない上、不動産の売却など様々な処理が必要でした。しかも相続税の申告期限である10ヶ月までに全て終わらせたいというご要望で、依頼を受けた時点で、申告期限まで半年ほどしか残されていなかったのです。
そこで、依頼を受けてすぐに遺産に関する様々な資料を集め、私から叔母へ連絡や説明を行い、不動産を売却し、税理士を紹介して相続税申告を行うといった一連の手続きをスピーディーに行いました。その結果、申告期限に間に合い、依頼者から非常に感謝されたことが印象に残っています。
相続は人生における大きな出来事。だからこそ、弁護士にご相談ください
相続について弁護士に依頼するメリットを教えてください。
相続は、相続人同士で話し合うと感情的になりやすいです。ですから、なかなか法律的な理屈に沿った話し合いがしづらいのが特徴です。そこで弁護士に依頼することで、冷静な話し合いがしやすくなるのはメリットです。
早めに相談するメリットと、相談が遅れることによるデメリットを教えてください。
遺留分侵害額請求や相続放棄などは、法律上、手続きの期限が比較的短く定められており、これを過ぎると権利がなくなります。そうならないように、早めにご相談いただくほうがよいです。
また、弁護士を通さずに直接他の相続人と話し合ったことによって、お互いの感情が昂って揉めてしまう可能性があります。相続は、親族という近しい関係の人との間で生じるからこそ、感情的対立が起きやすいのです。
依頼するかどうかは別にして、まずは話し合う前に弁護士にご相談いただき、基本的な知識や進め方などを知るだけでもスムーズに進むことが多いです。実際に依頼していただければ、間に入って、当事者の利害を調整しながら、早期解決につながるようサポートいたします。
相続について悩み、弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続は、法律的な問題が多岐にわたりますし、複雑です。金額も大きいですし、皆様の人生においても大きなことだと思います。ですから1人で悩まず、ぜひ弁護士にご相談ください。きっとよい解決策が見つかるかと思います。