依頼者の思いを汲み、相続の悩みに最適解を提供〜関係性にしこりを残さない、円満解決を目指します
東京都北区「赤羽総合法律事務所」の岩﨑陽弁護士に、事務所の理念や相続案件を手がける上での心構えなどを聞きました。丁寧な対話を通して、「依頼者が本当に望んでいることは何か?」を見極めることを大切にしているという岩﨑弁護士。調停委員を務めた経験も活かし、依頼者の意向に沿った解決を導くために尽力されています。相続について弁護士に相談・依頼するメリットなども詳しく聞きました。(東京弁護士会所属)
インタビュー
依頼者の思いを汲み取り、意思を尊重する
事務所設立の経緯を教えてください。
大学卒業後に損害保険会社で働く中で、しばしば弁護士と接する機会がありました。やがて法律に携わる仕事も面白そうだなと思うようになり、司法試験を受けて2009年に弁護士となりました。
その後は個人事務所にて2年ほど経験を積んだのち、独立して現在に至ります。元々私は相手と一対一で、じっくりと接するような仕事の方が向いている性格だと感じていたので、やりがいを感じながら業務に取り組んでいます。
相続問題の相談には、どのようなものがありますか?
争いになる前に「どの手続から着手すればいいのかわからない」ということで相談に来る方と、既に争いが起きており「相手と全然話にならなくて困った」と言って来る方、割合はおおむね半々です。
また、中には「他の相続人と話をしたくないので委任したい」という方もいます。元々関係が良くない場合もありますが、「今までずっと疎遠でほとんど交流がなかったために、相続の話をどう切り出していいのかわからない」という場合もあります。相手と直接連絡を取ることに抵抗があり、代わりに連絡してほしいという相談も寄せられます。
依頼者は赤羽近辺から来る方が多いです。最近は高齢化に伴い相続問題が多く発生していますが、元々、赤羽は法律事務所自体がさほど多い地域ではない上に、相続問題を取り扱っている事務所は限られています。地元の方のニーズに応えるために、力を入れて取り組んでいます。
事務所の理念や、大切にしていることを教えていただけますか。
依頼者の話をよく聞き、意思を尊重することを大切にしています。
「他の相続人に不公平な分配を求められているが、公平にしてほしい」「自分の取り分を増やしたい」「対立する相続人と話したくない」など、依頼者の思いはさまざまです。
中には、依頼者自身が、自分が本心では何を求めているのかをまだ整理できていない場合もあります。初回相談の時には「公平に分けてくれればいいです」という話で終わった場合でも、打ち合わせを重ねる中で、依頼者の意向が変わってくることも少なくないのです。
そのため、何回も話を聞いて、本当の希望はどこにあるのかを確認し、それをくみ取った上で解決方針を考えるようにしています。
経験を活かし、有利な条件での調停成立を目指す
弁護士に相談や依頼をすると、どのようなメリットがありますか?
交通事故などと違い、相続は家族など近しい人との間で起こる問題です。「この先も付き合いがあることを考えると、相続人同士の関係を悪化させたくない」と考える方は多いでしょう。しかし、当事者同士で直接話し合っていると、どうしてもギスギスすることがあります。一度ヒートアップしてしまうと、相続の手続自体は完了しても、お互いの間にしこりが残ってしまうことは少なくありません。
弁護士は、第三者として当事者の間に入り、家族の事情を踏まえてベストな解決策を提案します。弁護士が間に入ることで感情的な対立が落ち着き、法律のルールに基づいて建設的な話し合いができるようになることも多いです。弁護士のサポートを受けることで、停滞していた状況が前に進み、円満な解決が望めます。
また私に相談や依頼をいただく際のメリットとしては、2年間ほど家庭裁判所の遺産分割調停の調停委員をしていた経験が挙げられます。これは相続の案件を手がけるにあたって、ひとつの強みだと考えています。
相手が話し合いに応じない、あるいは話が平行線で進まないような場合に家庭裁判所に申し立てるのが、遺産分割調停です。私は実務経験から「こういうタイミングであれば調停委員はこのように解決しようと考えるだろうな」などと調停委員の思考を想像し、必要な資料を先回りして用意することなどができます。そういったことにより、依頼者に有利な条件での調停成立が目指せると考えています。
弁護士に相談せずに自分たちで相続問題を解決することは、大変でしょうか?
相続に関する法律のルールは複雑なので、今ある悩みや疑問について、ご自身で調べて正しく判断・対応するのはなかなか難しいと思います。弁護士に相談すれば、問題を解決するための方法を適切にアドバイスしてもらえます。ご自身で一から調べなくても、正しい情報提供が受けられるのは大きなメリットです。
例えば、生前の被相続人を施設に入れず、ご自身が一生懸命介護をしてきたとします。その分少し多めに遺産がほしいと思っているとしても、法律的に認められるのかわからなかったり、あるいはわかっていても他の相続人にうまく説明できなかったりして、思い通りにいかないこともあるでしょう。
このような場合に弁護士に相談することで、法律には、「寄与分」という、生前の被相続人に特別な貢献をした相続人の取り分を増やす仕組みがあることがわかります。介護の状況など具体的な事実を踏まえて、寄与分が認められるか、認められるとすればどのくらい取り分を増やせるか、といった見通しも立てられます。他の相続人に対してご自身で寄与分を主張することが難しい場合は、弁護士に依頼すれば、代理人として寄与分の主張・立証をしてもらうことも可能です。
悩んだタイミングで気軽に相談を
初回の相談はどのような流れで進みますか?
まず相続人が誰でどこに住んでいるのか、連絡は取っているのかといった、具体的な事実を聞き取るところから始めます。その上で遺産の内容や、依頼者はどういうことに悩んで相談に来たのか、どう解決したいと思っているのかを聞いていきます。事案の概要を把握した上で、今後の見通しを説明します。
もし可能であれば、貯金通帳や登記簿などの相続財産の内容がわかるものや、戸籍謄本などをお持ちいただけると話がスムーズです。ご用意が難しい場合は手ぶらで来ていただいても構いません。
初回の相談は60分間無料で対応しています。長い話になりそうであれば、相談内容をまとめたメモなどを用意してきていただけると、より良いでしょう。
相談のタイミングは早いほうがいいでしょうか?
早いに越したことはありません。法律のルールに基づかずに感情的な主張をぶつけ合い、対立が深まってしまうと、弁護士が入っても解決までに時間がかかる可能性があります。話し合いを始める前に相談していただき、法律を理解した上で話し合いや手続を進めることで、無用な争いを避けることができます。
相談が遅れると、手続きの期限が過ぎてしまうリスクがあります。例えば相続放棄には3ヶ月、遺留分の請求には1年という期限があります。期限を過ぎると手続きができず、ご自身に認められた権利を行使できなくなってしまいます。また、相続税を期限までに納税・申告できないと、延滞税などのペナルティが発生する可能性があります。
ですので、少しでも悩んだり、疑問に思ったりしたときは、あまり間を置かずにそのタイミングで相談していただきたいです。ただ、ご家族を亡くした直後はまだ気持ちの整理が付いていないことも考えられますので、例えば四十九日の法要などが一通り終わった後など、状況が落ち着いた段階で相談に来てもらえればと思います。
最後に、相続のトラブルを抱え弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
一口に「相続」と言っても悩みはさまざまです。相続人が誰で財産が何かわからない、そもそも何から始めればいいのかわからない、揉め事の解決方法がわからないなど、いろいろな悩みがあるでしょう。いずれの場合も、弁護士と話してアドバイスを受けることで、解決に一歩近づきます。1人で悩まずに、まずはお気軽にご相談ください。