しおかぜ法律事務所

「依頼者の方に安心感を与えたい」

まず、事務所設立の経緯についてお聞かせください。

僕は司法修習生の頃から独立志向が強くて、既存の法律事務所に就職するのではなく、即独立という形で事務所を設立しました。理由はいくつかあるんですが、そのうちの一つに、「依頼者へのサービスをもっと良くすること」という理由がありました。

報酬設定や、サービス内容など、依頼者にとってより良いサービスにしようと思っても、所属している事務所のルールをはみ出すことはできません。それなら、すぐに事務所のルールに反映できるようにするために、自分でやってみた方がいいのでは、と思ったわけです。

今でも、この「柔軟性」という部分は、事務所運営にあたって大事にしています。柔軟すぎるせいか、たまに「弁護士っぽくないね」と言われてしまいます。

事務所の場所を千葉市に選ばれた理由は何でしょうか？

千葉市は千葉県の中心にあるので、県全体をカバーするには適していると考えました。もともと、弁護士が少ない地域の方たちのサポートもしたいと考えていたので、第一の拠点として、どこへでも動きやすい中心部を選んだ次第です。

事務所名の「しおかぜ」にはどのような意味が込められているのでしょうか？

僕の地元が海沿いだったのと、僕の名前が「海（かい）」なので、「海」を連想させる名前がいいなと思いました。また、我々の仕事はあくまで、依頼者をサポートすることです。なので、依頼者の人生の追い風になれるようなイメージで「しおかぜ」という名前を選びました。

事務所の理念や大切にしていることはどのようなものでしょうか？

話しやすい雰囲気は大事にしています。人生で弁護士と関わったことがない人も多いわけですよね。初めてご相談にいらしたとき、みなさん、やっぱり表情が硬いんです。だからそういった部分を和らげていくことも大切だと考えています。

法律相談に来ていただく方は、アドバイスが欲しいのではなく、「安心」が欲しいのだと思っています。最終的なゴールは解決ではありますが、スタートの時点でも、その安心というのを感じていただければ嬉しいです。

人生というのは、その人ごとにあるわけで、当然、その人が主人公です。依頼者にとって弁護士は、脇役にすぎません。せっかく脇役として登場する以上、名脇役でありたいと思っています。依頼者の人生に、僕が登場することで、依頼者の人生が少しでもいいものになってほしい。そう思って、今の仕事をしています。

相続問題に限った話ではないですが、相続問題は法律的な側面だけでなく、感情面でも複雑な問題です。問題が発生したとき、いろんな感情が湧き起こってきます。だからこそ、依頼者の気持ちにも寄り添いながら、解決策を見つけていくことが大切だと考えています。

不動産が関わる相続案件を強みに

相続分野における弁護士としての強みはどのようなところにありますか？

弊社では、不動産に関するご相談も多く受けています。不動産が存在する相続案件では、その処分方法や評価方法について争いになるケースも多く、複雑になりがちです。不動産案件を多く取り扱っているからこそ、提案できる幅も広がっていると考えています。

特に、千葉県の沿岸部では、親世代が亡くなった後に空き家となるケースが多く、不動産の処分を考えなくてはいけないケースが多いです。そういった不動産の処理も含めて、遺産分割を考えていく必要があります。

不動産会社をはじめ、不動産に関連する業務を行っている専門家のつながりも多いです。なので、遺産分割そのものだけではなく、その周辺問題に対しても、依頼者のご意向に沿ったご提案ができると思っています。

これまでに取り扱った相続案件の中で、特に印象に残っている事例をお聞かせいただけますか？

お子さんとお父さんの後妻さんが対立する構図の案件でした。もともと仲が良くなかったのですが、それに加えて後妻さんに遺産の使い込みの疑いもありました。ご本人たちではどうしようもできない状況で、そもそもこれ以上話したくないというところまで来ていて、そこでお子さんからご依頼いただきました。

最終的には依頼者の納得できる形で解決できました。残された遺産も存在したので、それは別途同時並行で分割を進めさせていただきました。

後妻の方の使い込みについても対応されたのですね。

そうです。それも踏まえて遺産分割を行いました。基本的にはこちら側でもらうことになりましたが、不動産の売却もご希望されていたので、それもセットで進めました。

結構な金額を日常的に、という状況でしたので、細かいところの証明は結構大変でした。話したくない人と話さなければならないという状況でしたので、ご相談を受けているときも依頼者が精神的に大変だったという印象が強かったですね。

そのような複雑な案件を解決するために、どのようなアプローチをされていますか？

まず、依頼者の話をよく聞くことから始めます。法律的な問題だけでなく、感情面での悩みや家族関係の複雑さなども含めて、全体像を把握するようにしています。ただでさえ不慣れな法律問題に加え、いろんな感情もあるわけで、依頼者の頭は大渋滞の状態です。なので、最初にやるのは、交通整理を行い、その大渋滞を解消することです。

その上で、法的に可能な選択肢を提示しつつ、依頼者の気持ちにも配慮した解決策を一緒に考えていきます。

時には、依頼者の要望が法的に難しい場合もありますが、そういった場合でも「できない」と即座に否定するのではなく、どうすれば近い形で実現できるかを考えます。場合にもよりますが、依頼者の考えるゴールよりも、僕が提案するゴールの方が、依頼者にとってメリットが大きいこともあったりします。

また、事件の対応を通して言えることですが、感情的にならず冷静に対応することを心がけています。弁護士が感情的にならない、というのは結構大事なことです。感情的になってしまうと、依頼者だけでなく、弁護士の脳内も大渋滞してしまうので。

交渉で解決できるのが一番ではありますが、交渉での解決に固執しないようにもしています。特に、感情的な対立が激しい場合は、早めに調停や裁判に持ち込むことで、結果として早期の解決が可能になることもあります。

「千葉県内の様々な地域の方々のニーズに応えられるように」

相続について弁護士に相談するメリットはどのようなところにありますか？

専門家の視点で問題を整理し、解決の道筋を立てられることです。相続問題は感情が絡みやすく、当事者だけでは冷静な判断が難しいことがあります。弁護士が間に入ることで、より円滑な解決につなげることができます。ただ、僕が思う最大のメリットは、精神的な負担を軽減できることと、時間を有効活用できることかなと思います。

まず話をできるというところが大きいですね。相続の問題は、ご家族の中でも共有しづらい場合があります。なかなか相談できない、解決方法が見つからないと悩んでしまうことが多いんです。悩んでいる状態が続くと、だんだん笑顔が少なくなってきます。そうすると、その方の身近な大切な方も笑顔が減っていきます。

そういった悩みを全部弁護士に投げてもらうことで、依頼者の方の心の負担が軽くなっていくと考えています。やはり、悩みはちゃんと外に出さないといけないなと、この仕事を通して思いました。

また、弁護士は法律の専門家ですから、複雑な相続の手続きや法的な問題について適切なアドバイスができます。例えば、遺産分割の方法や、不動産の処分方法などについて、専門的な知識を活かしたサポートができます。

今は、インターネットでいろいろな情報を手にいれることができます。でも、やはり自分で調べるとなると、時間もかかってしまいますし、本当にあっているのか、その答え合わせもできないです。なので、早期に弁護士に相談いただくことで、その時間を、もっと別のことに使うことができます。

今後の展望について教えて下さい。

事務所の拡大を考えています。千葉県には多くの法律事務所がありますが、割合的には都市部に集中しています。そのため、より多くの方々のご相談に応じられるよう、法律事務所が少ない地域や、そもそも法律事務所がない地域へ、支店展開を視野に入れています。

また、相続問題に関する情報発信にも力を入れていきたいと考えています。今は、インスタグラムでの発信がメインにはなっていますが、今後は情報発信の幅も広げていく予定です。

相続は誰もが直面する可能性のある問題です。しかし、まだまだ「弁護士に相談する」ということに、ハードルが高いと感じている方も多いのではないでしょうか。そのハードルを少しでも下げ、より多くの方に適切なサポートを受けていただけるよう、努力を続けていきたいと思います。

相続問題で悩んでいる方々へのメッセージをお願いいたします。

相続問題で悩んでいる方へ。まず、一人で抱え込まないでください。あなたから笑顔がなくなると、あなたの大切な方の笑顔もなくなってしまいます。なので、「まだ問題になっていない」「些細なことかもしれない」と思っても、早い段階での相談をおすすめします。

早めの対応が後々のトラブル防止につながります。例えば、遺産分割の話し合いを始める前に一度弁護士に相談することで、スムーズな解決につながることがあります。

相続に関する不安や疑問、どんな小さなことでも構いません。ぜひ一度ご相談ください。私たちは、あなたの気持ちに寄り添いながら、笑って前へ進める追い風になりたいと思っています。