相続弁護士 ドットコム

久本法律事務所

所在地
香川県 高松市中央町11-12 日成高松ビル301
受付時間
  • 平日可
初回相談料
5,500
/
30分まで
(税込)

相続トラブルを回避するための「予防」に注力。家庭裁判所勤務の知見を活かしたアドバイスを提供

久本 裕之久本法律事務所
相続トラブルを回避するための「予防」に注力。家庭裁判所勤務の知見を活かしたアドバイスを提供

香川県高松市にある「久本法律事務所」の久本裕之弁護士(香川県弁護士会所属)に、相続分野の取り組みについて話を聞きました。弁護士になる前は裁判所の書記官・事務官を務めていた久本弁護士。裁判所で数多くの案件を見てきたその知見を活かして、トラブルを未然に防ぐための活動や紛争の円満解決に力を入れています。

インタビュー

裁判所勤務を経て弁護士の道に

事務所設立の経緯を教えてください。

大学卒業後、約20年間裁判所で書記官・事務官として勤務していました。その経験を活かし、より広い範囲で人々の役に立ちたいと思い、弁護士になることを決意しました。
裁判所での長年の経験は私の強みですが、弁護士の仕事とは異なる面も多くあります。そこで、弁護士登録後は、まず高松市内の法律事務所に入所し、約3年間勤務しました。この期間は、弁護士としての実務やしきたりを学ぶ貴重な時間となりました。
そして2023年4月、これまでの経験と学びを基盤に独立して、久本法律事務所を開設しました。独立してからは、自身の責任でクライアントのために最善を尽くすことができる環境に満足しています。
経験と知識を最大限に活かし、依頼者の皆様に寄り添いながら、法的な問題解決に全力を尽くしています。

事務所の理念や特徴を教えてください。

私の事務所では、特に予防法務に力を入れています。裁判所での勤務経験や弁護士として様々な案件を扱う中で、「もっと早い段階で対策を講じていれば」と思うことが多々ありました。この経験から、問題が大きくなる前に適切な対策を講じることの重要性を強く感じています。
どの分野でも言えることですが、行動を起こす前に相談していただくことで、より多くの選択肢が生まれ、問題解決も容易になります。相続分野でいえば、遺言書の作成が典型的な予防法務の一例です。将来の紛争リスクを避けるためにも、事前の準備をしっかりしておくことが非常に重要です。
私は裁判所勤務時から弁護士登録後も含め数多くの紛争を目の当たりにしてきました。その経験から、「もめてからでは遅い」という思いを強く持っています。ですから、予防法務や紛争を未然に防ぐための対応に特に力を入れています。

相続分野に注力しようと思われたのはなぜですか。

裁判所の中でも特に家庭裁判所での勤務が長く、遺産分割調停など数多くの相続案件に携わってきました。その知見が活かせることが大きな理由です。
また、弁護士会の高齢者委員会に所属していることから、高齢者問題に関わる機会が多数あります。例えば、身寄りのない方が亡くなった後の空き家問題があります。それだけでなく、家以外の財産をどうするかという問題もあります。
このような活動を通じて、高齢化が進む現代社会において、相続問題がますます重要になっていることを実感しています。

長期的視点で捉えた解決策の提案が重要

相続に関してはどのような相談が寄せられますか。

私のもとに寄せられる相談は、大きく2つのパターンに分かれます。

1つは、相続が発生した後のトラブルに関する相談です。例えば、遺産分割で揉めているケースなどがあります。これらは既に問題が顕在化しているケースで、迅速かつ適切な対応が求められます。

もう1つは、相続発生前の予防的な相談です。私は行政などが実施している無料法律相談にも参加していますが、そこでは遺言書、贈与はじめとした、生前対策の相談が多く寄せられます。将来の相続トラブルを未然に防ぐため、事前に対策を講じたいという方々からの相談です。

相続に関する問題や不安は、非常に多いのではないかと感じています。しかし、行政の無料相談や、インターネットで調べて満足してしまい、弁護士事務所に相談するまでは至らないケースが多いのではないでしょうか。

おそらく、費用面での懸念や、「敷居が高い」という弁護士への先入観、「そこまで深刻な問題ではない」という判断が、弁護士への相談を躊躇させる要因になっているのでしょう。

相続案件を手がける上で心がけていることはありますか。

長期的な視点で問題を捉え、解決策を提案することです。「とりあえず財産を分ける」といった短絡的な対応ではなく、5年後、10年後の状況も見据えた対策が必要だと考えています。

依頼者の方々には、「今後の状況変化も踏まえて考えましょう」とお伝えしています。なぜなら、短期的な解決策が、後々になって新たな問題を引き起こす可能性があるからです。

具体例として、共有財産の問題があります。例えば、事業を営んでいた父親が亡くなり、母親と子どもらが共有財産を引き継ぐケースです。

一見、円満に解決したように見えますが、数年後に大きな問題に発展する可能性があります。子どものうちの一人が家業を継ぎたくないと考えるようになったり、子どもらの間で事業の方向性について意見が分かれたりすることで、共有財産を巡って深刻なトラブルに発展するケースが少なくありません。

法律の専門家として、このような将来的なリスクを事前に考慮し、解決策を提案することが重要だと考えています。

法律トラブルを弁護士に相談するメリットにはどのようなことがありますか。

多くの方は、自分の主張が正しいと信じて行動を起こします。しかし、その主張が法律的に正当なものかどうかを判断するのは、実は非常に難しいのです。

弁護士に相談することで、自分の主張が法律的要件に則っているかどうか、そしてそれを証明するための適切な証拠があるかどうかを確認できます。これは非常に重要なポイントです。なぜなら、いくら自分が正しいと思っていても、法的要件を満たさない、あるいは適切な証拠がない場合、裁判所で認められない可能性が高いからです。

同様に、相手方の主張が法的に妥当なものかを判断するのも、法律の専門知識がない方にとっては非常に難しいことです。

第三者の目、特に訴訟や調停に慣れた弁護士の視点を活用することが、最適な解決につながります。

「先を見据えて事前に準備をしておくこと」が重要

相続案件における事務所の強みや特徴を教えてください。

裁判所に長く勤めていた経験から「裁判所からどう見えるか」という視点を持てることが、大きな強みです。

弁護士は通常、依頼者である一方当事者の意見しか直接聞くことができません。しかし、裁判所で多くの案件に携わった経験により、相手方の主張を想定しながら、「裁判所はおそらくこのように判断するだろう」という見通しを立てることができます。

これにより、現実的で正確な見通しを立て、依頼者にとってより効果的な戦略立案が可能になります。

相続案件を扱っていて難しさを感じることはありますか。

相続案件の難しさは、家族間の感情が複雑に絡み合う点です。一般的な民事事件とは異なり、過去から現在までの家族関係や感情が影響するため、その歴史や感情を解きほぐしながら対応する必要があります。

このような複雑な感情の絡み合いを理解するために、私が最も重視しているのは、依頼者の話をじっくりと聞くことです。表面的な主張だけでなく、その背景にある感情や経緯を丁寧に聞き取ることで、問題の本質に迫り、最適な解決を目指します。

相続は当事者にとって非常にストレスがかかる問題です。そのような問題を無事に解決して依頼者からかけられる感謝の言葉が私にとって何よりもの喜びであり、やりがいとなっています。

相続分野における今後の展望や方針についてお聞かせください。

紛争解決は当然のこととして、紛争を回避するための生前の対策に重点を置きたいと考えています。

生前の準備では、依頼者に「自分がどうしたいか」を考えてもらうことが大切だと思っています。その上で、遺言書作成や後見人、生前贈与など、希望に応じた最適な提案を行います。

弁護士事務所に相談に来る方の多くは、すでに問題が発生している場合が多いため、生前のアドバイスをする機会が限られています。しかし、セミナーや行政の無料相談を通じて、事前の準備の大切さを広めていきたいと思います。

最後に、相続問題を抱えている方へメッセージをお願いします。

まずお伝えしたいのは「先を見据えて事前に準備をしておくこと」の重要性です。相続問題は、発生してから対処するのではなく、事前にしっかりと準備しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

遺言書の作成や生前贈与など、早めに対応しておくことで、将来の問題を最小限に抑えることができます。自分の希望を明確にし、その希望に基づいた最適な対策を講じることが、円滑な相続を実現する鍵となります。

裁判所での勤務経験と弁護士としての知見を活かし、皆様の問題解決をサポートいたします。相続トラブルで悩んでいる方、自分の権利を守りたい方、適切な対応方法が分からない方は、どうぞお気軽にご相談ください。