とにかく依頼者一人ひとりに丁寧に対応する 重視している3つの方針とは
日本橋茅場町に事務所を構える佐藤良弁護士(ブルーバード法律事務所)に、事務所の理念として重視している3つの方針について伺いました。弁護士の仕事は、相続手続きを円滑に進めることはもちろんのこと、相続紛争が発生した場合の親族間の信頼関係を修復することも大事とのこと。弁護士に相続の相談をするメリットやタイミングについても教えていただきました。(東京弁護士会所属)
インタビュー
幸せは身近なところにある。その想いを持って依頼者一人ひとりと向き合う
事務所設立の経緯を教えてください。
弁護士登録をしてから14年間、東京・新宿にある法律事務所で働いていました。いずれは独立し、自分の事務所を持ちたいと考えておりました。そして、2020年についに事務所を開設することになり、日本橋茅場町にオフィスを構えることにしました。
日本橋茅場町を選んだ理由は、依頼者の方にとってアクセスしやすく、また裁判所が近いため、効率的に業務をこなせると思ったためです。
事務所の名前については、個人名を付ける方が多いのですが、私の場合、「佐藤」という名前がありきたりなため、何か良い案がないかと色々考えました。そんな中、童話の「幸せの青い鳥」から発想を得て、ブルーバード法律事務所と名付けました。この名前は、「幸せを探しに来てください。ひょっとすると身近な所にあるかもしれません」という意味合いを込めています。
事務所の理念や大切にしていることを教えてください。
当事務所では、依頼者の状況に合わせた解決策を提供するため、以下の3つの方針を重視しています。
まずは、依頼者ファーストであることです。本人の希望を聞いた上で解決策を明確にし、そのための具体的な手段を提案していきます。結論ありきで依頼者の希望を無視した提案を押し付けるようなことはしません。
次に、平易な言葉で説明することです。初めて法的問題に直面する人でも理解しやすいよう、法律の専門用語を多様することは避け、できるだけ簡潔で明確な言葉を使うようにしています。
最後に、費用を明確にすることです。当事務所では、初回の相談料を60分まで無料とし、依頼者とじっくりと話をする時間を確保しています。また、依頼者には費用に関する説明を事前に行い、明確に理解してもらうようにしています。
今後の見通しを説明し、必要な対策や解決策を示す
相続に注力されている理由は何ですか。
相続の分野では、感情的な対立が多く、身内の問題なので誰かに相談しづらいといった特徴があります。そのため、納得できない遺産分割であっても受け入れてしまったり、泣き寝入りしてしまう方も少なくありません。そうした方々を一人でも減らしたいと思い、相続分野に注力するようになりました。
相続の案件を手がける際に心がけていることはありますか。
結論を急がず、じっくり話を聞くことです。
依頼者から話を聞けば、これまでの経験や法的な知識を踏まえて、比較的早い段階で結論の見通しは立ちます。しかし、法的な解決を急ぐだけでは、依頼者の気持ちを置いてけぼりにして、本当に依頼者が納得する解決には結びつかないこともあります。
まずは依頼者の話をしっかりと聞き、思いや希望を丁寧に汲み取り、その上で最善の解決法を提案するよう心がけています。
相続問題について弁護士に相談するメリットは何ですか。
法律に基づいた見通しのアドバイスを得られることだと思います。感情的な対立が激しくなりがちな相続問題ですが、弁護士が間に入ることで冷静な話し合いができ、法的に妥当な相続を実現できる可能性が高まります。
ただし、相談のタイミングはできる限り早い段階が望ましいです。相続問題は、当事者間で解決しようと試みるものの、話し合いがまとまらず、どうしようもなくなってから相談に来る方が多いのですが、その段階では取れる手段が限られていることがあります。
相談するタイミングとしては、遺言書の作成が最も早く、紛争防止にもつながります。
遺言書の存在そのものが紛争のきっかけになるケースもあります。その場合には何に注意すれば良いのでしょうか。
遺言書の作成に際しても、弁護士のアドバイスを受けることが望ましいです。例えば、遺言書の形式に不備があった場合は無効のリスクがありますし、や形式に不備はなくても、財産の分け方が特定の相続人の遺留分を侵害するような内容だと、かえって紛争が発生するきっかけになることがあります。そのため、遺言書を作成する際には、弁護士に相談して、遺言書の形式や内容についてアドバイスを受けることが重要だと考えています。
紛争後の信頼関係づくりには弁護士の力が不可欠
相続分野で先生の強みは何ですか。
弁護士登録から10年以上にわたり相続分野に携わってきました。
相続に関わる法律問題においては、相続の発生前から解決に至るまでの全ての流れに一通り関与しており、将来の見通しも含めて総合的にアドバイスを提供できるのが私の強みです。
相続分野に携わる先生のやりがいをお聞かせください。
親族間の紛争を解決することで信頼関係を修復し、将来の関係を築くことです。親族間の紛争が解決したとしても、親族の関係はなくなりません。その後も含めて、信頼関係の修復を図っていく必要があります。弁護士として、その機会に携われることがやりがいです。
事務所としての展望をお聞かせいただけますか。
引き続き、依頼者一人ひとりに丁寧に対応する、としか考えていないです。相談に来た方に合わせた解決策に導けるように日々研鑽を重ねるとともに、一緒に悩み考えながら解決への道筋を検討していく。その繰り返しだと思っています。
最後に、相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
少しでも気になったらご相談ください。弁護士に相談するというのは、依然としてハードルが高いかもしれませんが、「どうしてこんなことで相談に来たのか」と思うことは絶対にありません。
むしろ、紛争になる前に相談に来てもらった方が、トラブルを未然に防げますし、有意義なアドバイスができます。わずかな火種でも悩まずにお越しいただきたいです。