高齢者問題の知見や経営コンサルタントの経験を活かして、相続分野において総合的なサポートを提供
新潟県新潟市「しなのがわ総合法律事務所」の高橋直己弁護士(新潟県弁護士会所属)に、相続分野の取り組みについて話を聞きました。経営コンサルタントとして活動していた経験や、高齢者問題の知見を活かしたサポートを提供しているという高橋弁護士。相続問題を扱う際に心がけていることや事務所の特徴などについて聞きました。
インタビュー
経営コンサルタントから弁護士に転身
事務所設立の経緯を教えてください。
弁護士になる前は、会計事務所系のコンサルティングファームで経営コンサルタントとして活動していました。ロースクール制度の導入を機に弁護士への転身を決意し、司法試験の勉強に取り組みました。
裁判官任官や東京の渉外事務所の内定もいただいていましたが、相談者から直接相談を受けて直接的に問題解決をサポートできること、特定の分野だけでなく幅広い分野を扱い問題解決をサポートできることなどから、司法修習先の新潟県で、弁護士登録し新潟市内の弁護士事務所に入所しました。
入所した事務所で幅広い分野に携わりながら経験を積み、2012年4月に独立して現在の事務所を開設しました。
事務所の理念を教えてください。
弁護士はプロフェッショナルなサービス業だという意識を持つことです。経営コンサルタント時代から一貫していることですが、プロフェッショナルサービスとして高い専門性に基づきクライアントに付加価値を提供し、その対価として報酬をいただくということを強く意識して仕事に臨むよう心掛けています。
また、目の前の問題を単に解決するだけでなく、クライアントのニーズや要望に応え、最良の結果を提供することが大切だと考えています。
依頼者のニーズや要望に合わせた解決策を提案
相続分野に注力している理由を教えてください。
新潟市の西区と西蒲区の高齢介護の顧問弁護士を務め、高齢者問題にも関わっています。高齢者の問題は相続とも密接に関わりがあるため、自然と相続の相談が増えました。
また、企業案件に積極的に取り組んでいるため、顧問先の企業などから会社の株式などが絡む相続に関する相談を受ける機会が増えました。
相続分野ではどのような相談が多いですか。
一般的な相続案件はもちろんですが、会社の株式や経営権に関わる相続案件や多数の不動産鑑定が必要な案件など、複雑な内容の相続案件の相談も多数いただいています。
経営権の譲渡や株式の売却が伴う場合には、経営コンサルタントとしての経験が活き、専門的なアドバイスを提供できることもあります。
相続案件を手がける上で心がけていることを教えてください。
事務所の理念と共通するのですが、依頼者に対して付加価値を提供することを常に考えています。依頼者のニーズや要望に合わせた解決策を提案し、最良の結果を追求しています。
また、依頼者の負担に配慮しています。相続案件に限りませんが、相手方の中には、依頼者の家に押しかけるなど不当な手段で直接交渉をして自分の要求を押し通そうとする人もいます。そのような事態が起こる可能性も考慮して、あらかじめ対応策を練るなど、依頼者が困ることがないように気をつけています。
会社法や税法に関する知識、高齢者問題の知識を活かしたサポートを提供
これまで携わった相続案件で印象に残ってる案件を教えてください。
兄弟による遺産分割で印象に残っている案件があります。
この案件では、相手方が被相続人の預金を無断で引き出していた疑いが浮上しました。相手方は否定していましたが、私は裁判所の手続きを通じて金融機関に照会をかけました。すると、使用された払戻請求書に相手の筆跡が残っていたのです。
この証拠が見つかったことで、相手の主張はすべて崩れました。数百万円以上の金額が引き出されていたことが明らかになり、その後の裁判は依頼者に有利な展開となりました。
近年、ATMを利用することが一般的ですが、高齢の方の場合は暗証番号を忘れる可能性があることや機械の操作が不慣れなために、窓口を利用するケースが多いです。特に地方においては都会に比べてATMの設置場所が少ないなどの理由から、その傾向が強いのではないかと思います。
これらの点を考慮して諦めずに証拠収集を行った結果、依頼者に良い結果をもたらすことができました。
相続分野における事務所の強みを教えてください。
相続分野の専門知識に加えて、経営コンサルタントとしての経験から様々な業種・業態の企業の経営、会計、税務等の知識と経験があります。これらを活かした総合的なサポートが可能です。
また、特別養護老人ホームや高齢介護の地域包括センターなどの顧問を務めている関係から、高齢者問題に関する専門知識を幅広く持っています。行政機関や介護福祉施設などと連携したサポートも提供可能です。
さらに、私の出身地が新潟ではなく、そのあたりのしがらみがないことが、逆に地域の方々に選ばれる理由となっている場合もあるようです。地縁のある弁護士だと、当事者と出身学校や知人関係などのつながりが存在する可能性があります。相続問題は親族間の感情のもつれや財産に関する話題であるため、逆に近しい人には相談しにくいと感じる方が多いようです。
最後に、相続問題を抱えている方へメッセージをお願いします。
悩みがあれば、どんなに小さなことでも構いませんので、気軽にご相談いただければと思います。相続に関する初回の相談は無料で行っておりますので、何かお困りのことがあれば、一度ご連絡ください。
弁護士に相談することで、新たな発見や思いもしなかった解決方法を知ることがあります。悩みを話すことで心の負担が軽くなることもあります。問題解決に向けて尽力いたしますので、1人で悩まずにご相談ください。