生前対策から事業承継、不動産の相続までお任せを 中小企業診断士の資格も活かし、総合サポート

東京都新宿区の「市ヶ谷板橋法律事務所」を経営する板橋晃平弁護士(東京弁護士会)に、相続でよくある相談や弁護士に相談するメリットなどについて聞きました。目先の利益だけではなく、長期的な視点からアドバイスしているという板橋弁護士。中小企業診断士やFPの資格などを活かし、紛争解決にとどまらないサポートを提供しています。
インタビュー
わかりやすく、誠実・丁寧・迅速に対応します
「市ヶ谷板橋法律事務所」はどのような事務所ですか。
2024年1月、東京都新宿区市ヶ谷に「市ヶ谷板橋法律事務所」を開業しました。以前は港区にある大規模な法律事務所に所属しており、そこで5年間ほど経験を積んだあと、独立を決めました。
市ヶ谷は交通の便が良いので、通勤の途中などにも来やすい場所かと思います。「自宅や職場の近くの法律事務所は逆に行きづらい」と感じる方にも、ぜひお越しいただきたいと考えています。
事務所の理念を教えてください。
ご依頼者のお気持ちに寄り添った親身なサービスを提供することを大事にしています。相続についての知識など専門性はもちろんのこと、わかりやすく、誠実・丁寧・迅速な対応を心がけています。
弁護士が用いる法律用語の中には耳慣れない言葉もあります。一度聞いただけでは分からないこともあるかと思いますので、文書に残すことでご依頼者がいつでも読み返せるようにしています。
中小企業診断士やファイナンシャルプランナーの資格も活かした提案
相続案件に注力している理由を教えてください。
相続は「争族」と言われることもありますが、亡くなった方としては、家族が揉めることを望んではいないと思います。そのため、争いをできるだけ防ぐこと、また、争いが起こったとしてもその不仲をできるだけ軽減させることが大切だと考えています。
どうすれば家族が円満に相続を迎えられるのか。相続についての専門性をもっと高めていきたいと考えています。
相続についてどのような相談が寄せられますか。
相続発生後ですと遺言無効、遺留分、遺産分割(調停や審判)のご相談が多いです。
遺産の中で、金融資産が少なく不動産が多い場合には、その評価や分け方が問題になりやすいです。ただ、一番重要なのはその遺産を取得することが、最もご依頼者の利益になるのかということです。
例えば、不動産を取得せずに、売却して皆で売却金を分ける方法もあります。今後、自分になにかあった時に、親族を頼らなければいけない場面も出てくるかもしれません。相続で親族と揉めに揉めてしまった場合には、それもできなくなってしまいます。
遺産分割の場面では、どうしても何をどのくらい欲しいかという目先のことを考えがちなのですが、長期的な視点からその選択がプラスになるのかについてアドバイスします。そうした姿勢があってこそ、相続に関するプロと言えるのではないかと考えています。
生前対策についての相談もありますか。
将来揉めないための遺言書の作成についても、多数ご相談をいただいています。不動産などたくさんの相続財産がある方や事業承継を考えている方が、お子さんと一緒に相談に来られることもあります。
私は中小企業診断士やファイナンシャルプランナーの資格も取得していますので、亡くなるまでにどの程度自分の手元にお金を残すのか、誰に事業承継すればいいのか、などのご相談も受けることがあります。
最近の相談の特徴や傾向があれば教えてください。
最近は少子化・核家族化が進んでいて、相続人が兄弟姉妹しかいない方もいらっしゃいます。兄弟姉妹の遺産を分割しないままですと、未登記の不動産が自分の子どもたちにも影響していくことになります。そうした事態を防ぐために、早く手続きを進めて欲しいというご依頼がよく寄せられます。
相続人がご高齢で、全国各地に散らばっていると話合いをまとめるのも大変ですので、私の方に一任いただくこともよくあります。
将来のリスクを見越して対応できるのは弁護士だけ
相続案件を手掛ける上で、心がけていることを教えてください。
資料の分かりやすさや見やすさは意識しています。弁護士は口で説明することが多いのですが、ご依頼者にとってその方法が最もわかりやすいとは限りません。時には図を使って分かりやすくしたり、遺産分割の表を作るなどして、ご依頼者にあった方法で丁寧にご説明することを心がけています。
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
相続手続きを扱う専門家は多数いますが、紛争になった場合、対応できるのは弁護士のみです。また、生前対策においても、将来の紛争を予防することを見越して対応ができます。常に紛争を踏まえた適切な対応をとることができるのは、他の士業の専門家では提供できない、圧倒的なメリットだと思います。
例えば、遺言書にしても、あとから遺言書自体の有効性が争われることがあります。そのため、遺言無効訴訟を起こされても勝てるように、証拠を残しながら訴訟を見越して作成する。これも弁護士だけができることです。
また、ご依頼者にとっては、遺産分割協議で親族と直接やり取りするストレスから解放されるということも大きいですし、他の相続人が言っていることが正しいのかどうかを専門家の知見から判断できることもメリットだと思います。
今はネットにもさまざまな情報が載っていますが、相続案件を扱う上での重要なノウハウは実務を経験している弁護士しか持っていません。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
これまで相続案件は相談も含めると100件以上扱ってきましたので、幅広い知識やノウハウがあります。不動産案件も多く扱っていますので、不動産の手続きや遺産分割後の換価分割(売却代金の分割)まで含めた対応が可能です。
また、さまざまな士業の先生との繋がりがありますので、ワンストップでの対応ができます。株価の算定なら公認会計士、相続税の申告なら税理士、不動産の評価で争う場合には不動産鑑定士、登記が必要な場合には司法書士など、必要に応じて連携をします。
私は中小企業診断士やファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士の資格も取得しているので、税金のことや取得した遺産の活かし方、不動産の売却方法、売却のコツ、なども幅広くご提案させていただきます。
気になることがあれば遠慮せずにご相談を
これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。
亡くなる1週間ほど前に公正証書遺言を作成した案件です。
遺言者は末期がんの方で、妹さんから依頼がありました。ただ、その時は年末で公証役場も基本的には営業していない期間でした。しかし、知り合いの公証人に出張してもらえるようなんとかお願いして、遺言書を作成することができました。
ご本人とはじめてお会いしたときには元気だったのですが、何日か後に体調が悪化してしまい、1日でも早く作成しなければいけない状態での遺言書作成でした。通常であれば作成までに1か月ほどがかかりますが、この時は2週間かからず作れたことで、なんとか間に合わせることができ、ご依頼者からも大変喜ばれました。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
弁護士の役割は紛争を解決することですが、車に例えると、エアバッグや自動ブレーキシステムのようなものだと思っています。相続対策をしっかりしてリスクを未然に防ぐことが大事ですし、それをしておけば、相続発生後の紛争も最小限に抑えることができます。
みなさんの相続の理想を叶えるために、喜怒哀楽を分かち合いながら一緒に解決していきたいと思っています。風邪を引いたらお医者さんにかかるように、少しでも気になることがあれば遠慮せずにご相談いただければと思います。