関西出身、SEを経て弁護士に。身近な街の法律事務所として「会話」を強みに相続の不安に寄り添う
今回は、大阪府守口市で働く酒元博之弁護士(守口法律事務所)にインタビュー。酒元弁護士はシステムエンジニアとして10年間勤めた経験を活かし、会話重視の対応に力を入れています。本編では具体的に、法律相談での心構えや事務所の理念、相続の対応方針や事務所としての強みなどを聞きました。(大阪弁護士会所属)
インタビュー
誰でも相談しやすい事務所を目指して
守口市のショッピングセンターに事務所を開設するまでの経緯を教えてください。
もともとはシステムエンジニアとして10年間勤務していました。震災を機に一念発起して弁護士を目指し、今に至ります。独立することにしたきっかけは、同期の弁護士との縁に恵まれたことです。
守口市で開業した理由としては、ゆかりのある関西で働きたかったからです。私は兵庫出身で、働き始めてからもずっと拠点は関西でした。大阪市内周辺で、法的サービスが行き届いていない地域を中心に探していたところ、守口市と出会いました。
オフィスビルではなくショッピングセンターに事務所を開いたのは、どなたでも入りやすい、親しみやすい事務所にしたかったからです。当初こそオフィスビルを探していましたが、それでは足を運びにくいかなと思い直し、方向転換しました。私たちから皆さんに歩み寄るような気持ちで、この場所に決めました。
事務所の理念は何ですか?
街の法律事務所として、「誰でも相談しやすい事務所」を目指しています。
具体的な取り組みとしては、初回の法律相談を無料かつ時間無制限にしています。せっかくお越しになった方に、少しでも多く、話したいことを話していただきたい。そう考えて、とことん話せる環境を作っています。依頼者の希望に合わせて、平日夜間や土日に対応することもあります。
また依頼者の不安を少しでも解消するため、迅速な対応と報告を心がけています。法律問題の解決という重要な仕事をまかせているのに、「放って置かれている」と感じたら、不安を感じるのは当然ですよね。解決まで時間のかかる問題だからこそ、進捗状況をこまめに電話やLINEなどで報告して、依頼者の不安をその都度解消できるよう頑張っています。
ホームページでも親しみやすさを表現できるよう、なるべく明るい印象を持っていただける色味や内容にこだわりました。相談しやすい事務所だと思っていただけたら嬉しいです。
話し合いでの解決を目指すために
相続の対応方針を教えてください。
相続は、血のつながった家族間の問題です。他人であれば最初から裁判をすると割り切れるかもしれませんが、相続はそう単純ではありません。相続が終わってからも家族の縁が自動的に切れるわけではありませんので、なるべく穏便に解決したいと考える方もいらっしゃるでしょう。
そのため、当事務所では基本的に話し合いによる解決を目指しています。依頼者と相手方の希望を聞きながら、全員と協力して納得のいく解決を目指すのです。一方で、話し合いが難しい場合は、調停や訴訟なども早い段階で視野に入れます。
重要なのは関係者各自の「第一希望」を聞き出して調整することです。交渉で和解を目指す場合、「全てを自分の思い通りにしたい」というスタンスではなく、お互いに歩み寄るスタンスでなければ難しいところがあります。第一希望を踏まえたうえで、依頼者も相手方もお互いに譲れるところは譲りつつ、譲れないラインを守ることが重要です。
お互いに譲り合って解決を目指すために、具体的に何をしていますか?
初回相談や、正式なご依頼後の早い段階で、「弁護士として頑張るけれど、全ての希望が通るわけではないこと」「お互いに歩み寄らないと和解するのは難しいこと」をお伝えします。
依頼者の協力も必要だとご理解いただいたうえで、「譲れるライン」「譲れないライン」をしっかりと確認します。納得感のある解決を目指すためにも、依頼者ご自身で意思表示をしていただくことはとても重要です。
経験上、しっかりと話を伺うことで依頼者の本音がわかり、希望に近い解決を目指せることが多いです。だからこそ、初回相談は時間無制限にして、依頼者の希望を徹底的に聞いています。丁寧な対応で信頼関係を築けるからこそ、本音を話していただけるのだと思います。
粘り強い交渉力と確かな信頼関係が強み
相続を弁護士に相談するメリットは何ですか?
相続問題で精神的に疲れてしまい、「自分では話し合いを続けられない」と相談に来られる方は多いです。相続を弁護士に相談すれば、家族との揉め事に自分で対応する必要がなくなるため、感情的な負担は確実に減るでしょう。時間も労力も節約できますし、法律に基づいた適正な解決も期待できます。
一方で、揉め事がない段階で弁護士への相談を決めるのは難しいのではないでしょうか。家族の問題を他人にまかせることに、抵抗がある方もいらっしゃると思います。弁護士から見れば「早めに相談してもらえたらもっと良い解決ができたかもしれない」と思う場面でも、実際、早めに相談するのは難しいこともあるでしょう。
それでも、遺産の額が多い場合や、不動産がある場合、また、被相続人の隠し子が見つかったなど予期せぬ事態が生じた場合には、ぜひ弁護士にご相談ください。
相続財産調査や相続人調査の段階で不安を感じる場合は、後にトラブルが複雑化する可能性があります。現時点で揉めていなくても、弁護士への相談がおすすめです。
相続における事務所の強みを教えてください。
粘り強い交渉力と、依頼者との信頼関係に自信があります。ありがたいことに、依頼者からは「親しみやすい」「話しやすい」と評価していただくことが多いです。当事務所では、信頼関係を築くために、丁寧なヒアリングやこまめな報告を心がけています。また基本的には直接弁護士と話せるため、依頼後もコミュニケーションはスムーズです。迅速な対応も強みです。
振り返れば私自身、SEとして、良いシステムの完成を目指していたときも、関係者とのコミュニケーションを大切にしていました。システムを使う人や管理する人など、多くの関係者の話を聞いてこそより良いものができると実感していたからです。
SE時代から培ってきたコミュニケーション力を活かし、これからも依頼者との会話を欠かすことなく、思いを理解して、より良い解決を目指していきます。
あなたの不安を解消します
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続問題は、家族間の複雑な感情や金銭的な問題が絡む、非常にデリケートな問題です。困っていても他人に相談するのが難しい内容かと思いますが、一人で抱え込まずに、勇気を持って弁護士に相談してください。
専門家である弁護士に相談することで、何らかの解決の糸口が見つかる可能性は高いです。状況を確認して、見通しが見えるだけでも「安心した」と言ってくださる方は多くいらっしゃいます。不安やストレスを軽減できるようサポートいたしますので、まずはご相談ください。
また弁護士選びは相性も大切です。早く物事を進めるべきだと考える弁護士もいれば、粘り強く対応すべきと考える弁護士もいます。同じことを相談しても、弁護士によって解決の方針が異なる場合があります。試しに相性を確認するくらいの気持ちで、重く考えすぎず、お気軽にお越しください。
私たちはこれからも、より多くの方に相談の機会を提供できるよう、頑張ってまいります。守口市の身近な街の法律事務所として、ご相談をお待ちしています。