相続弁護士 ドットコム

こばと法律事務所

所在地
北海道 札幌市中央区南1条西11丁目327-6 ワンズ南一条ビル6階
初回相談料
無料
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60分まで
初回相談は無料です。
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050-5283-8194

フットワークの軽さで、相続人の様々なニーズに柔軟に対応し、早期解決を目指す

木場 知則こばと法律事務所
フットワークの軽さで、相続人の様々なニーズに柔軟に対応し、早期解決を目指す

北海道札幌市中央区南1条西で「こばと法律事務所」を経営する木場知則弁護士(札幌弁護士会所属)に、事務所の理念や、相続案件に携わる上で心がけていることなどを聞きました。相続人の数が多いケースや、遺産の使い込みなどの案件を多く扱う木場弁護士。相続に関して、北海道ならではの地域的な特徴についても聞きました。

インタビュー

依頼者にとって不利なことも隠さず伝え、メリットだけでなくリスクも丁寧に説明する

事務所設立の経緯を教えてください。

もともと自分の事務所を構えたいという思いがありました。札幌の法律事務所で6年間ほど修業を積み、一般民事や家事事件、刑事事件と様々な経験を経て、独立開業しました。

私は札幌出身で、大学時代に上京しました。東京で弁護士活動を行うことも考えましたが、地元の住民の方々の困りごとを解決したいという思いが昔からあったため、地元である札幌で弁護士活動を行うのが一番よいと考えました。

事務所の理念を教えてください。

法律相談はどのような内容でも基本的に受け付けています。その代わりに、相談者にとって不利なことでも隠さずに伝えるようにしています。

よい点も悪い点も全て説明し、どういう場合にはどうなるかといったケースごとの対応も詳しく説明した上で、本人の意向に基づいて今後の方針を決めるようにしています。必ずしもよいことばかりを言うわけではありません。

現実的なことをお伝えする際には、できるだけ代案も提示するようにしています。例えば、法的に筋が通る部分があればそちらを強調しつつも、あえて少し譲歩をすることで法的に弱い部分についての相手からの譲歩を促す、といったこともあり得ます。

また、方法が複数ある場合には、「この方法ではこうなるけれど負担がかかる」「こちらの方法では期間は短いけれども費用がかかる」などといった説明を行います。法的な強みや弱みについてもお話しし、メリットだけでなくリスクも含めてアドバイスします。

「こばと法律事務所」という事務所名の由来を教えてください。

私の苗字「木場(こば)」と、名前「知則(とものり)」の頭文字を組み合わせて、「こばと」としました。「『私(こば)と』一緒に解決しましょう」という意味も込めています。そして、親しみやすい名前にしたいという思いから、ひらがな表記にしました。

北海道の雪事情に応じて交渉のペースを柔軟に対応

相続案件に注力している理由と、よくある相談内容を教えてください。

相続は、本人の意向や生活状況に関係なく問題に直面する可能性が高い分野です。また、両親や兄弟といった身近な人が関係するため、自分からは強く言えないとか、いざ自分が当事者になったときに何をすればよいか分からないことが多いと思います。そういった時にアドバイスや手助けができればと思い、相続案件に注力しています。

よくある相談内容としては、遺言書の作成や、相続が発生した後に他の相続人が遺産を開示してくれないといったものがあります。また、相続人の数が多く、自分一人では対応できないというケースもあります。

他にも、遺産の使い込みに関する疑惑、つまり被相続人の世話をしていた相続人が適切に財産を管理していたのか、自分のために使い込んだのではないかという疑いがある事案も多いです。

もともと相続人同士が疎遠だったり、あまり仲がよくなかったりするケースでは、どうしてもトラブルが起こりやすくなります。逆に、仲はよいけれど取り決めがなかなか決まらないというケースはあまり多くありません。

相続に関して、北海道ならではの地域性や特徴はありますか。

北海道は雪が積もるため、不動産の管理においては冬を越えるかどうかが重要になります。例えば、冬が来る前に水道の元栓を閉めないと水道管が凍結して破裂することがありますし、屋根の雪が隣の家に落ちて迷惑をかけることもあります。

そのため、冬になる前に問題を解決し、建物を取り壊したり、新しい名義人によってきちんと管理したりするなどの対応を取る傾向があります。

また、冬の積雪期には土地の境界石が見えなくなるため、不動産の売却についての業者への相談も雪が溶ける春先を待つことが多いです。このため、交渉の際には冬の間は実地的な確認を保留にし、それ以外の事項を詰めていく傾向があるように感じます。

相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。

相続案件では、問題の検討事項に順序があります。その順序に沿って依頼者の話を聞き、問題点を浮き彫りにすることを心がけています。

まず、相続人が誰なのかを確認します。依頼者の話を聞くだけでなく、戸籍を取り寄せて確認し、それまで依頼者が知らなかった相続人の存在を報告したり、既に把握しているけれど疎遠になっている相続人の所在を調べたりします。

次に、遺言の有無や遺産となる財産の内容を確認します。

このように順序立てて対応することで、各案件の問題点や、依頼者が解決において重要視している点が自然と明らかになります。相談内容によって問題点が異なるため、個々のケースに合わせて依頼者に説明をしています。

こばと法律事務所_相談室

紛争が終わった後も続く親族関係。感情の対立を煽らないよう配慮

感情的な対立も多い相続案件に携わる中で、依頼者の感情面への向き合い方を教えてください。

まず、依頼者の気持ちを真摯に受け止めます。しかし、調停やその後の審判という法的手続きに入ると、感情よりも法律的な考え方や制度が重要視されます。そのため、依頼者の感情をどこまで結論に影響させるべきかについての調整が必要になってきます。

その際には、「法律上はこうなっているので、おそらくこのような結果になる見込みが高い」というように、客観的な現状を説明した上で、元々の要望通りではなくとも依頼者にとってよいと思われる選択肢を示すようにしています。

相手方との交渉に関して注意していることはありますか。

相続の場合、相手方は基本的に依頼者の親族です。一般的な民事訴訟とは異なり、裁判で決着がつけば終わりという関係ではありません。

そのため、相手方との交渉では、むやみに感情を害しないように注意しています。相手方が感情的になると、合意が難しくなることがありますので、適切な言い回しや配慮が必要です。会話でも、手紙の文章でも同様です。

また、過去の事実についてどこまで詳細に指摘するかのバランスも重要です。例えば、兄弟が昔から家庭を顧みなかったことや、親の介護を何もしなかったことなどです。依頼者の要望としては詳細に記載してほしい部分もありますが、過剰な批判にならないよう注意しています。

ただし、このような書類は調停や審判で裁判所に提出する可能性があるため、法的に意味がある主張になるよう、裏付けとなる事実をきちんと記載しなければなりません。その辺りのバランスを取りながら進めることが大切です。

相続について弁護士に依頼するメリットを教えてください。

弁護士に依頼する大きなメリットは、早い段階で法的な争点を把握できることです。問題が何であるかを把握せずに行動してしまうと、後で取り返しのつかない事態に陥ることがあります。特に、後になって相手方から「あの時ああ言ったのに、今さら変えるのか」と言われてしまうと、面倒な事態になります。

弁護士に依頼すると、「この問題は一度調査してから相手方に言った方がよい」とか、「今の段階で先走って言わない方がよい」といった加減がわかります。依頼者の発言が、後日調停や審判になった際に、どのような影響を持つのかについて、専門的な知識をもとに冷静に判断できます。これは専門家にしかできないことです。

フットワーク軽く対応し、早期解決を目指す

先生の事務所ならではの強みはどんなところでしょうか。

フットワークを軽くして対応できるところです。

特に、相続人が多いケースで、交渉による解決を依頼者が希望する場合には、各相続人の自宅に訪問するなど、フットワーク軽く対応しています。

相続人が多いケースでは、各相続人と連絡を取り合って遺産分割の内容をまとめるのですが、遺産分割協議書を作成するためにすべての相続人から署名と実印と印鑑証明をもらわなくてはなりません。そこで、各相続人の自宅を訪問して、署名などを回収した経験があります。

このような対応が可能なのは、移動手段として車を利用できるからです。最近は車を所有していない弁護士も増えています。

事務所まで来るのが面倒だと言う相続人でも、こちらが自宅まで訪問すれば署名押印してくれる人もいます。相続人が夜しか家にいない場合には、夜に訪問したこともあります。そういった点でフットワークの軽さを自負しています。

これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。

先ほどお話した内容と重複しますが、相続人が多いケースで、各相続人の自宅を訪問して印鑑を押してもらい、調停をせずに交渉のみで解決した案件が印象に残っています。

その案件では相続人が約15人いました。そのうち、特に問題のない相続人には郵送で対応し、7〜8人ほどは「自宅に来てくれれば対応する」とのことだったので訪問しました。

札幌市外にも車で行ったため、とても印象に残っています。最も遠い場所では車で片道1時間半、往復で3時間かかり、ほぼ半日を費やしました。中には2回訪問した相続人もいます。初回は説明のみを行いました。その後、相続人が検討したいと言うので連絡を待ち、後日相続人の了承を得られたので、書類を作成して2度目の訪問をしました。

また、この案件は単に相続人が多いだけでなく、過去の贈与の有無を確認したり、現状残されている不動産を売却してお金の分配方法を検討するなど、さまざまな処理すべき内容がありました。

大変でしたが、最終的に調停を行うことなく早期に解決でき、やってよかったと感じています。依頼者からも今でも感謝されることのある案件です。

相続案件に携わる中で、やりがいを感じるのはどのようなときですか。

依頼者に感謝されるときです。「自分一人ではできなかった」「自分では思いつかないような問題点がわかった」と言われるとやりがいを感じます。最終的によい解決ができたときには、依頼者から感謝されますし、私もとても嬉しいです。

今後の展望をお聞かせください。

なるべく早い解決を目指したいと考えています。これまでの経験を生かし、「こういう場合にはこうなる可能性が高い」という見通しを、できるだけ早い段階で正確にお伝えできるようにしていきたいです。

相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

親族が亡くなったことで精神的に辛い状況にある中で、相続問題が加わるとさらに大変だと思います。しかし、相続問題は法律に関わることなので、弁護士に早めに相談することで楽になります。現状の問題点や、今後の見通しがわかるだけでも精神的にかなり楽になるはずです。

法律相談だけでも大丈夫です。「相談したら依頼をしなければならないのでは」と思う方もいるかもしれませんが、相談だけで終わるケースも多くあります。まずは気軽に相談してみてください。早めに相談することで、結果的に楽になると思います。