丁寧な対話を通じて依頼者のニーズを見極める。複雑な相続問題も論点を1つずつ整理し、円満に解決
群馬県高崎市緑町に「西村法律事務所」を構える西村直行弁護士(群馬弁護士会所属)に、相続の案件を手がける上での心構えや、早めに弁護士に相談するメリットなどを聞きました。依頼者との対話を重視し、気持ちに寄り添った対応を心がけているという西村弁護士。遺産の使い込みなどの難しいケースにも取り組み、相続問題を法的に正しい解決へ導くために尽力しています。
インタビュー
当事者の負担を軽減し、円満相続の実現をサポート
相続問題に注力している理由をお聞かせください。
相続は、誰でも経験する可能性がある身近な出来事ですが、必ずしも当事者だけでスムーズに進められるとは限りません。
というのも、相続は親族間で発生することから、相続人同士の感情的な対立が生じやすいのです。遺産の取り分などについて、各々が主張をぶつけ合って対立が深まり、いつまで経っても着地点が見えず、話合いが長期化してしまうケースが多く見られます。
一度争いが起きると、相続人同士で冷静に話し合うことが難しくなってしまいます。そこに弁護士が入ることで、客観的な視点から論点を整理し、法律に則った解決策を提示します。相続人同士でやりとりを続けるよりも早期に話合いがまとまる可能性が高く、法的に公平で正しい解決が見込めます。
また、多くの手続きを期限内に行う必要があることも相続の特徴です。法律の知識が必要な手続きもあり、仕事や家事などと並行して進めるのは大変ですが、弁護士であれば、相続に関する様々な手続きを代行できます。
紛争解決や手続きの代行などを通して、当事者の負担を減らし、円満相続の実現をサポートしたいという思いから、力を入れて取り組んでいます。
相続について、どのような相談が寄せられますか。
遺産分割の話合いがうまくいかないという相談もあれば、「家族が亡くなって相続が発生したが、何から手をつければいいのか知りたい」というように手続きに関する相談も寄せられます。相続放棄や遺産の使い込みに関する相談も多いです。
相続放棄については、亡くなってしばらく経った後に被相続人の借り入れが判明し、どう対応すればよいか、という相談も受けています。基本的に相続放棄の期間は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月です。ただ、例外的に放棄が認められるケースもあるので、「もう3ヶ月経ってしまったから」と諦めずに、一度ご相談ください。
遺産の使い込みでよくあるのが、被相続人の通帳を確認したところ、生前に何度も多額のお金が引き出された形跡があり、同居していた相続人に「私利私欲のために使い込んだのでは?」と疑いの目が向けられるケースです。
実際に使い込んでいたかどうかは調査してみないとわかりません。調査の結果、不正な使い込みが発覚するケースもありますが、一方で、生前に被相続人が入所していた施設の利用料と照らし合わせたところ適切な引き出しだとわかった、ということも往々にしてあります。
使い込みの問題は、当事者同士で話し合ってもなかなか解決しません。相手が使い込みを認めない場合も多いです。「お前が使い込んだのだろう」「いや、やっていない」とお互いに主張するばかりで進展せず、争いが長期化する可能性があります。
相手に対して使い込みを追及する場合、まずは調査をして使い込みが事実かどうかを明らかにすることが重要です。調査や証拠収集、使い込みが事実であった場合の相手方への返還請求などには専門的なノウハウが必要になるため、弁護士のサポートを受けるメリットが大きい問題だと思います。
使い込みのように複雑なケースにも、これまで積み重ねてきた知識と経験を駆使して粘り強く取り組んでいます。こじれてしまった問題も、1つひとつ論点を整理する中で解決の糸口が見えてきます。相続に関するどのようなお悩みも、気軽に相談してもらえればと思います。
依頼者の納得感を重視。丁寧な説明と寄り添いがモットー
相続案件を手がけるうえで心がけていることを教えてください。
1つは、なるべく専門用語を使わず、分かりやすく説明することです。相続では、「遺留分」「特別受益」など難しいトピックが多々あるため、具体的にどういうことなのかをイメージしてもらえるように噛み砕いて説明します。
今後の見通しについても、「もし裁判になった場合はこういう流れで進みます」「このくらい時間がかかります」というふうに、解決までのプロセスを丁寧に伝えています。
また、依頼者の気持ちに寄り添うことも大切にしています。悩みの内容や意向は依頼者によって様々です。「遺言の内容が不公平で納得できない」「被相続人の面倒を見たのは私だから、他のきょうだいより取り分を多くできないか」など、それぞれの思いを抱いて相談に来られます。
まずは話をじっくり聞き、今何に悩んでいるのか、どのような解決を希望しているのかを理解します。不安や怒りなどの感情も受け止めます。その上で、希望を実現するための方法をアドバイスします。選択肢が複数ある場合は、それぞれの選択をした場合の見通しやメリット・デメリットを丁寧に説明し、依頼者自身が納得して進むべき道を選べるようにアプローチします。
相続に関する注目すべき動きや最新の裁判例のチェックも欠かさずおこなっています。特に相続は、近年、大きな法改正がありました。改正が裁判所の判断にどのような影響を及ぼしたのか、新しい制度はどんな事案に適用できるのか、といったことを検討し、実務に活かしています。常に情報をアップデートし、依頼者に対して質の高い法的サービスを提供できるよう努めています。
相続について悩んだ場合、相談は早いほうがいいのでしょうか。
そうですね、早めの相談をお勧めします。相続人同士で話し合いを続けて対立が深まってしまうと、弁護士が入っても解決に時間がかかる場合があります。感情的にヒートアップする前に弁護士を間に入れ、法律のルールに基づいて状況を整理し、適切な対応をすることで、相続の手続きがスムーズに進みます。
相続の手続きの中には期限が決まっているものがあることも、早めの相談をお勧めする理由です。
たとえば、自分の相続分が少ない、もしくは全くない場合、遺留分侵害額請求という手続きによって本来の相続分を取り戻せる可能性があります。ただし、請求には期限があり、被相続人が亡くなったことと、減殺すべき贈与や遺贈があることを知ったときから1年以内におこなう必要があります。
相談が遅れることによって、弁護士に相談した時点ではすでに手続きの期限が過ぎていて、本来受け取れるはずの遺産を受け取れないという状況が発生する可能性があります。
相続の悩みを抱えたときは、ぜひお早めにご相談ください。
話すだけでも心が軽くなる。気軽に、早めに相談を
先生に相談したい場合はどのようにすればよいですか。
まずは電話かホームページのメールフォームから相談の予約をお願いします。当日や夜間の相談にも対応できる場合がありますので、気軽にお申し付けください。初回相談は60分間無料で承っています。
相談に行く場合に準備しておくべき資料はありますか。
可能であれば、誰が相続人で、どんな財産があるかを整理した表などを持参してもらえるとありがたいです。依頼者が置かれた状況を把握しやすく、スムーズに見通しを立てられます。
ただ、資料は必須ではありません。話を聞きながら一緒に整理していければと思いますので、手元に資料がない場合も気にせず相談してください。
相続について、弁護士への相談・依頼を検討している方へメッセージをお願いします。
相談を受ける中で「先生と話したことで心が軽くなりました」と言っていただけることがよくあります。
ずっとご自身で抱えてきた悩みや不安を外に出すことで、精神的な負担が随分軽くなると思います。弁護士は守秘義務を負っているので、相談の内容が外に漏れることはありません。どんなことでも安心してお話しください。
話を聞いた上で、これからの見通しや、私が提供できるサポートの内容、費用などについて説明します。依頼するかどうかをその場で決める必要はありません。私の方針や費用を踏まえてじっくり検討していただけますので、まずは気軽に相談してください。