豊富な経験と知識、粘り強いリサーチで相続トラブルを解決まで徹底サポート
福岡県北九州市で46年にわたり住民の悩み事解決に尽力している江口亮一郎弁護士(江口亮一郎法律事務所)に、事務所設立の経緯や仕事をする上で心がけていることなどを聞きました。相続の手続きや話し合いは「自分だけは大丈夫」と思っていてもトラブルになりやすいもの。弁護士から法的なアドバイスを受け、解決への道筋を示してもらうことがベストの選択と言えます。相談のタイミングや進め方についても詳しくお話いただきました。(福岡県弁護士会所属)
インタビュー
「人の役に立ちたい」一心で仕事に向き合う
事務所設立の経緯を教えてください。
1977年に弁護士登録してすぐに独立開業しました。司法修習を福岡市で受けていたこともあり、開業するなら地元の北九州市がいいかなと考えていました。故郷に貢献したいという気持ちになっていましたからね。
多くの弁護士は、まず他の法律事務所で働きキャリアを積んでから独立するのですが、地方都市で開業している弁護士ですと、最初から自分一人で始めたケースが割と多いのではと思います。一人で開業したからといって孤独に仕事をしていたわけではなく、疑問点や不明点があったら先輩や同僚の弁護士にどんどん聞いて、知識や経験を貪欲に吸収しようという姿勢で臨んでいましたね。
事務所の理念や、仕事をする上で大切にしていることはありますか。
「人の役に立つ」。これに尽きます。相談者や依頼者の方は何らかの問題やトラブルを抱えています。これを何とか解決できないかと常に思っています。それから、「紛争解決への知恵を磨く」こと。法律の知識はもちろん必要ですが、それを踏まえた上で柔軟かつ多面的な考え方で問題の解決方法を提供できることが肝心です。これまで手掛けた案件から学んだ知恵や経験がたくさんありますので、それらを総動員して仕事に向き合っています。
「どんな些細なことでも話してほしい」
相続について、多く寄せられる相談について教えてください。
一番多いのは「遺産分割の方法・割合がまとまらない」という内容です。複数の相続人がいる中で、一部の人が分割内容に難色を示し、話し合いができなくなっている場合ですね。難色を示す理由は、それこそ人それぞれ。思い込みや感情的な対立もありますし、「自分はもっと遺産をもらえるはず」と主張する人もいます。
相談者と向き合う際に、心がけていることはありますか。
まず相談者の話をよく聴くことです。どんなに些細なことでも、相談者が話したいこと、思っていることをすべて聴きます。本人が重要だと思っていないような言葉や内容が、実は大きな意味を持っていたり、場合によっては解決へのきっかけをつかめたりすることもありますから。話の中で相談者の希望をきちんと把握した上で、客観的で冷静なアドバイスを意識しています。
いまの話と共通しますが、相続トラブルを弁護士に相談するメリットを教えてください。
解決の道筋がある程度つかめることです。もちろん簡単にいかない場合もあります。話し合いによる解決が難しい場合は、調停や審判といったプロセスが必要になります。それでも道筋がわかれば、時間はかかっても前に向かって進んでいけますし、最終的な解決までの見通しも立てられれば、相談者も安心でしょう。
「敷居が低く、間口は広い」「安心して相談にきてほしい」
解決に導いたケースで、印象に残っているのはどのような事件でしょうか。
以前、土地の相続人として20〜30人ほど該当すると思われるケースを担当したことがありました。長年相続手続きを怠っていると、相続人の数が膨大になって手続きが非常に複雑になるケースがあります。どこにいるかも不確かな相続人を一人ひとり見つけて、交渉して、複雑に絡み合った糸をほぐすように一つ一つ解決していく。気の遠くなるような作業でしたが、どうにか最後までやりきることができました。依頼者からもとても感謝されたこともあり、印象に残っています。
相談するタイミングは、なるべく早いほうがいいのでしょうか。
早いに越したことはありません。遅すぎて手遅れになる事態もあり得ます。「転ばぬ先の杖」と言いますか、早く来てもらった方がいいのは間違いありません。遺産分割の話し合いをしようと思ってもできない、うまくいきそうもないとわかったら、その段階ですぐに弁護士に相談したほうがいいと思います。
相続問題について、先生の事務所ならではの強みはありますか。
長く弁護士をやっていますので、相続事案に関して相当のキャリアを積んでいます。関わったケースもさまざまでスムーズに成功した事例も困難を伴った事例もあり、多くのことを学びました。経験値を高めた結果、どんなに解決が困難と思われるような内容でも解決を目指せる、そのくらいの自信は持っています。
初回の法律相談はどのような流れで進んでいきますか。
まずじっくり話を伺います。相談者の悩みに寄り添い、何に困っていて、何を望んでいるのかを聴き取ります。その上で、法的な面から可能な解決方法の道筋を示します。例えばどういう手続きが必要で、裁判を起こさないと解決しないのかなどです。費用面も気になるポイントだと思うので、依頼した場合はどのくらいかかるのか、どういう流れで支払いが生じるのか、一つ一つ丁寧に説明することを心がけています。
また、相談の際は、関係する書類などはすべて持ってきてもらうことをお願いしています。「これはあまり関係ないかな」と思っても、とにかく持参していただきます。無関係と思われていたメモ書きの内容が、実は非常に重要な証拠になることがありますから。
最後に、相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
法律事務所の敷居は高いと思う人がいるかもしれませんが、私の法律事務所は決して高くありません。むしろ低くて、間口も広いと自負しています。優しく親切に、そして丁寧に対応しますので、安心して相談に来ていただきたいと思います。