不動産が絡む相続案件の経験豊富。依頼者が安心して相続手続きを進められるように全面的にサポート
滋賀県大津市「ひらい法律事務所」の平井建志弁護士(滋賀弁護士会所属)に、相続分野の取り組みについて話を聞きました。家庭裁判所の調停委員も務めている平井弁護士は、「相続問題は最初のミーティングが重要」と話します。相続問題を弁護士に相談するメリットや事務所の強みなども伺いました。
インタビュー
敷居が低く、誰もが相談しやすい法律事務所
事務所設立の経緯を教えてください。
司法修習が神戸だったため、最初は神戸市内の事務所に就職しました。その後、出身地の滋賀に戻り、大津市内の事務所で約4年働いたあと、2002年に独立して現在の事務所を開設しました。
事務所の理念を教えてください。
敷居が低く、誰もが相談しやすい事務所でありたいと思っています。法律問題に直面した際には、誰しも不安やストレスを抱えるものです。そのような方々に、安心して相談できる場所を提供したいと考えています。
また、レスポンスの早さも重視しています。連絡や報告が遅いと依頼者を不安にさせてしまいます。迅速な対応とわかりやすい説明を心がけ、依頼者の不安を少しでも解消するように努めています。
相続分野に注力している理由を教えてください。
とあるご縁で不動産会社の顧問業務を受けるようになり、不動産関連の案件が増えたんです。不動産案件の中には、相続が関係する問題も多くありました。そのような問題を扱っているうちに、次第に相続の相談も増えました。
以前は借金問題や離婚など幅広い分野を扱っていたのですが、現在は相続と不動産に絞って活動しています。
相続に関してはどのような相談が多いですか。
最も多いのは、遺産分割に関するものです。地方の特性かもしれませんが、長男がすべての財産を相続するという古い考えに縛られて、兄弟間で対立するケースがよく見られます。
他にも、遺言書の作成や遺言執行、相続放棄など、相続に関する相談を幅広く受けています。最近では、2019年の法改正で新たに設けられた特別寄与料の相談なども増えています。
優先順位を設定し、最終的なゴールへの道筋を示す
相続分野を扱う上で、心がけていることはありますか。
最初のミーティングをしっかり行うことです。相続問題では、依頼者の希望を適切に理解し、過度な期待を抱かせることなく、現実的な見通しを立てることが大事です。
また、相続は当事者の感情が絡むことが多いため、依頼者の感情に理解を示しつつも、冷静で客観的な視点を持つことが大切です。依頼者が感情的になりがちな場面でも、私自身は感情に流されることなく、事実を踏まえた適切な判断と対応を心がけています。
調停委員の経験があるそうですね。
先輩弁護士から勧められたことがきっかけで、2011年から現在まで、大津家庭裁判所の調停委員を務めています。
調停委員は代理人とは異なる視点で問題を捉える必要があります。当事者双方の話を聞き、話を進めていく斡旋役を担うため、両者の視点を理解し、適切な解決策を提案しなければなりません。
依頼者側の視点だけでなく、相手方の視点からも考えるという姿勢は、弁護士業務でも活かされていると感じます。
相続問題を弁護士に相談するメリットにはどのようなことがありますか。
最近は、インターネットなどで相続に関する知識を得られますが、実際に手続きを進めるにあたって、何から始めて、どのような順序で進めたら良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
弁護士は優先順位を設定し、最終的なゴールへの道筋を示すことができます。そのため、一般の方々が手探りで行うよりも、効率的に相続手続きを進めることが可能です。
これまで携わった相続案件で印象に残ってる案件を教えてください。
敵意むき出しの相手方との遺産分割交渉が印象に残っています。
相手方はこちらの話を聞こうとせず、クレームの電話をかけてきたり、悪態をつくなど、交渉は難航しました。
調停でも決着がつかず、最終的には審判による判断が下されましたが、審判の結論を履行しようとしなかったため、強制執行の申し立てを行わなければなりませんでした。
しかし、その段階まで来ると相手の態度が柔らかくなり、すべての手続きが終了した後には「話しやすい弁護士でよかった」と私に声をかけてきたのです。
最後まで抵抗しきったことに自分で満足したのか、時間とともに考え方が変わったのか、態度を変えた正確な理由はわかりませんが、感情が事件に影響を及ぼす相続問題の難しさを再確認させられる出来事でした。
相続問題には必ずゴールがある
相続分野における事務所の強みを教えてください。
弁護士会の委員会活動を通じて他士業との交流を深めてきました。相続問題は、司法書士、税理士、不動産鑑定士など、他士業・他業種との連携を必要とするケースが多々あります。そのようなときに、即座に他の専門家の協力を得ることが可能です。
また、弁護士としてだけでなく、調停委員としても数多くの相続案件を経験しました。さまざまな相続のケースを見てきたことから、見立てや対応策をすぐに判断できる点が強みです。
どのような点に相続分野のやりがいを感じますか。
相続問題には必ず終わりがあるという点です。問題が発生した場合、協議や調停、審判などを経て必ずゴールが見えてきます。
感情が絡む家族間の問題など、すべての問題を完全に解決するのは難しいかもしれません。しかし、相続という1つの問題が解決されるだけでも、大きな意味を持つと思います。1つ1つの問題に寄り添い、解決に向けてサポートできることが、相続分野のやりがいだと感じます。
最後に、相続問題で悩まれている方へメッセージをお願いいたします。
相続問題は、必ず終わりがあります。そのためには解決につながる行動が必要です。問題を抱え込んでいても何も進展しません。ですから、まずは勇気を持って相談してください。
弁護士に相談することで、解決の道筋が見えてくると思います。どんなに困難な状況でも、一歩踏み出すことが大切です。ご相談をお待ちしています。